金曜日の妻たちへIII 恋におちて
(1985年8月30日 - 12月6日放送、TBS)

脚本/鎌田敏夫 
プロデューサー/飯島敏宏、阿部祐三 
ディレクター・監督/飯島敏宏、楠田泰之、松本健

http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/lineup/d0566.html



第4話 歌い始めた街で
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藤森に強引に誘われ桐子のマンションに行った圭一郎。
しかし険悪な雰囲気になってしまう。
藤森はオレが無理矢理圭一郎を誘ったのだとして、桐子に理解
を求める。
桐子と圭一郎は、互いに今の仕事について面白いか?と尋ね合う。
藤森は桐子に対して、昔の先輩は余裕が無く必死で、放ってお
けない感じだったそうですねとし、今の姿を見ると想像できない
という。桐子はこれから仕事が有るとして、二人に引き取りを
願う。圭一郎は突然のことで悪かったと彼女に謝罪する。

帰宅するタクシーの中で、藤森は圭一郎に二人の馴れ初めは
何か?と尋ねる。一拍置いた後、圭一郎は、新宿駅でゴミ箱を
蹴飛ばす桐子の姿を見たのがきっかけだという。自分は横で
人と待ち合わせしていたが、ゴミ箱を蹴飛ばす彼女を見て、
ゴミ箱が可愛そうだと語りかけたという。
一方桐子は二人が帰ると、思い出のコーヒーミスをたたき壊し
てしまう。

圭一郎は帰宅する。
妻の彩子(タケ)は義母とケンカした事を話す。仕事の作業中で
のり付けしている時に、義母がお茶を入れてくれと言ったので
自分で入れてくださいと言ってしまったのがきっかけとの事。
母は何でも決められたとおりにしないと駄目な人だからなと
圭一郎は理解を示す。
圭一郎は今日、桐子の所に行ったことを話す。藤森と会って
無理矢理連れて行かれた事を語ると、タケは桐子の部屋はどんな
感じだったか?と尋ねる。恵比寿の2LDKのマンションで内装や
部屋はシンプルだったという。お茶を一杯飲んだだけで追い出
されたと語る。

翌日、桐子はタケに会うために昼間彼女の家にやってくる。
途中で購入した花を手みやげにドアを叩く。なんとタケは秋山
の母と同居しているのを目にする。秋山の母と住んでいるとは
知らなかったという桐子。私たちは親とは同棲の事実を隠して
付き合っていたのだと告げる。
桐子はタケの仕事場を見る。彼女は襖、屏風を張り直すような
仕事をしていた。江戸時代の和紙を使った仕事で、結構需要が
有るという。タケは昔から頑張りものだからねと告げ、桐子は
タケが住んでいる家、家庭、家族の事を、私が女学生時代に
夢に描いていた生活だと告げる。
桐子たちは昨日圭一郎が来たときの話しをする。桐子はタケ
が運んできたコーヒーカップは圭一郎がタケの誕生日に買った
ものだとしり、複雑な心境になる。

桐子は法子(ノロ)の家で夕食をごちそうになり、二人で由子
(オコマ)の家に行く。オコマの姉弟が仲直りしている姿を見て
良かったねと語る。
ノロは先日のタケと桐子の言い争いについて言及し、本気だっ
たのか?と尋ねる。桐子はよくタケに突っかかっていたと告げる
と、タケは良い子過ぎるから憎たらしくなるのだという。
誰もタケにはかなわないと告げる。オコマは何故タケの家に
行ったのか?と尋ねるが、友達の家に行くのに理由が必要か?
と切り返す。タケは姑とも上手くやっていて偉いという桐子の
言葉にオコマは複雑な顔を見せる。

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圭一郎が桐子の部屋を訪れる。
藤森から無理矢理連れて行かれたとする圭一郎だが、現在の
彼女の生活に興味が有る彼にとって格好のチャンス。
そして桐子もまた、友人の彩子の事を尋ねるという名目で、
圭一郎の生活を見に行くのだが・・・

圭一郎の仕事の為、そして桐子の仕事のために二人は別れたと
思われていた物語だったが、オコマのお節介ブリによって
二人の気持ちを揺り動かす事実が伝えられた。

このドラマ、本人達の気持ちとは余所に、周りにいる人たちが
当人同士の気持ちを揺さぶって楽しんでいる所があるんじゃな
いかという気もする。

藤森が圭一郎から聞いた昔の桐子の姿に言及したり、オコマが
次々と爆弾を投げつけて、本来有った形に関係を戻そうとして
いる事は、本当に当人同士が求めている事なのか。

宏治が桐子に対して語った事は真実だと思うし、オコマ、桐子
ノロで話し合った中で語るタケの女性としての完璧な人物像
に対して嫉妬しているのではないかというものが垣間見える。

コーヒーミルを壊した事。
そしてタケの家にあったコーヒーカップの存在など、とても
対照的なアイテムの使い方が上手かったり、義母の存在を使って
タケと桐子の存在を上手く浮かび上がらせる所など、良くできた
ものだなと思う。

最後、桐子と圭一郎のバーでのやりとりがまた秀逸で、
指に触れる描写がとても艶めかしく感じる。

ノロと藤森が一緒に新幹線で再びであったけれど、仙台までいくノロ
が先に新幹線を降りた訳だけど、藤森は何処まで行くつもりなのかか。
以前は宇都宮で下りていたから、そのまんま営業で東北周りしている
のだろうか?

山下由子 …… 小川知子 (レストラン"ソルエマール"、オコマ)
岡田桐子 …… いしだあゆみ (映画翻訳、バツイチ)
秋山彩子 …… 篠ひろ子 (元スチュワーデス、タケ)
遠藤法子 …… 森山良子 (夫が単身赴任、ノロ)

秋山圭一郎 …… 古谷一行 (建設会社課長、元桐子と同棲)
山下宏治 …… 板東英二 (営業課長補佐)
藤森順一 …… 奥田瑛二 (映画翻訳)
遠藤啓司 …… 長塚京三 (単身赴任)

井原弥生 …… 原真祐美 (設計部、圭一郎の部下)
川辺さとみ …… 中島めぐみ (弥生の同僚)
秋山ふみ …… 戸川暁子 (祖母)
遠藤智子 …… 小沢みゆき (娘)
山下稔 …… 岩沢正益 (息子)
山下有紀 …… 牧野愛砂 (娘)
遠藤武 …… 金杉太郎 (息子)
秋山香 …… 高橋久美子 (娘)


男性社員 …… 大谷一夫、伊藤哲哉、中島英策
木村 …… 神林哲哉


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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