金曜日の妻たちへIII 恋におちて
(1985年8月30日 - 12月6日放送、TBS)

脚本/鎌田敏夫 
プロデューサー/飯島敏宏、阿部祐三 
ディレクター・監督/飯島敏宏、楠田泰之、松本健

http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/lineup/d0566.html



第8話 秋の章
--------------------------------------------------------
桐子は圭一郎と、彼女の部屋で食事をするために6時半に待ち
合わせしていたが、その時間の直前になんとオコマがやってく
る。オコマはテーブルに二人分の食事をしている事を知って、
来客があるのかと思い、トイレを借りたらすぐに帰るという。
しかしタイミング悪く、オコマが居る中で玄関のドアのチャイ
ムがなってしまう。気まずそうにドアを開けると、そこにいた
のは盛岡から地方周りをしてきた藤森だった。わんこソバの
お土産を持ってきたという藤森に、全ての事情を話し、圭一郎
が来たらアパートの前で止めて、駅前の喫茶店"窓"で待って
いてもらって欲しいと頼む。

桐子はオコマが帰ると、圭一郎に会うために喫茶店にいく。
藤森には秘密がばれてしまった事を告げ、秘密なんて砂こぼれ
るようにばれていくのねと語る。折角料理を作ったのに食べる
気がしなくなったという桐子。二人はこの喫茶店で食事をして
行こうということになる。

頼んだのはドライカレーだった。
桐子は、今日圭一郎のために何を作ったと思うか?と問う。
ロールキャベツと肉の包み焼きだろう?と圭一郎はあっさりと
見破る。桐子の得意料理はそんなに多くはないだろうとし、
すぐに分かったという。あと一つは何か?鰯のマリネだろうと
告げると久しぶりに食べたかったと惜しそうな顔をする。

圭一郎は昔同棲していたアパートの近くにあったカレー店の話
をする。昔一度カレーの件で大喧嘩したなという。桐子は料理に
関してコンプレックスが有ったことを認める。タケのカレー
は美味しいのか?と問う桐子に、オレよりもタケの事は桐子の方
がよく知っているだろうと告げる。
今日はこれで帰るという圭一郎。桐子は一人で部屋に戻り、
ため息をつく。

翌日ノロはオコマの元にいく。
今日は学校で三者面談が有った。ノロもオコマも学校で話を
聞きに行っていた。オコマは自分の娘と息子が先生から素直な
子だと言われたことに安堵の表情を見せる。最近離婚や再婚、
そしてケンカなどで大変だった事をつげ、子供達は良い子に
育たなくても良いので明るい子に育ってくれたらいいと言う。
オコマはノロの子供達は何を言われたのか?と問うが、彼女は
話を全く覚えていないのだという。それを聞いて最近どうも
様子がおかしい事を指摘するが、ただボーっとしていただけだ
として、ノロはごまかす。

桐子は会社で藤森と昼食を食べる。
二人とも弁当を持参してくる。桐子は藤森に先日の件でお礼を
告げると、藤森はこの弁当は妻が作ってくれたものだとして、
初めて桐子に藤森の秘密にしていたことを語る。この会社に
入ったのは妻のコネだった事もあってそれが嫌で隠していた事
を告白。先輩の秘密を知ってしまったので、自分も語った事を
告げると、藤森の優しさに感謝し、桐子は自分の弁当のおかず
を彼にお裾分けするのだった。

--------------------------------------------------------

桐子と圭一郎の不倫関係が徐々に関係者に知れ渡っていく中
で、彩子の意外な過去と行動とは全く逆の彼女の思いが有る
ことを知る。

冒頭からニアミスが有ったことで、とてもスリリングな話だ
った。

ドラマとして面白いのは、桐子は彩子の事を、そして彩子は
桐子の性格を互いに羨ましいと感じている点。
誰もが持っている他人への羨望さだったり、嫉妬心や劣等感
などが、このドラマを一段階興味深いところに押しやっている
様な感じである。

料理一つに込められた思いをもってしても、二人の関係性を
面白く描いてみたり、二人の絆を強く感じさせるものだった
りして、上手く設定されているなと思う。

オコマは自分のせいで二人が不倫関係に発展してしまったので
はないかと心配する中で、みんなが集まる際に、さりげなく
料理の名前を持ちだして、顔色を伺う所など、結局この二人の
関係に関わり合おうとしている姿が印象的。
圭一郎もオコマから呼び出しを受けて、素直に不倫の事実を
語ってしまう所など、昔からの関係性が上手く描かれている
様な感じ。

全員で集まる際の和やかな雰囲気とは逆に、それぞれに持つ
悩みや秘密が、面白く会話の中にとけ込んでいて良くできている
な。

山下由子 …… 小川知子 (レストラン"ソルエマール"、オコマ)
岡田桐子 …… いしだあゆみ (映画翻訳、バツイチ)
秋山彩子 …… 篠ひろ子 (元スチュワーデス、タケ)
遠藤法子 …… 森山良子 (夫が単身赴任、ノロ)

秋山圭一郎 …… 古谷一行 (建設会社課長、元桐子と同棲)
山下宏治 …… 板東英二 (営業課長補佐)
藤森順一 …… 奥田瑛二 (映画翻訳)
遠藤啓司 …… 長塚京三 (単身赴任)

井原弥生 …… 原真祐美 (設計部、圭一郎の部下)
川辺さとみ …… 中島めぐみ (弥生の同僚)
秋山ふみ …… 戸川暁子 (祖母)
遠藤智子 …… 小沢みゆき (娘)
山下稔 …… 岩沢正益 (息子)
山下有紀 …… 牧野愛砂 (娘)
遠藤武 …… 金杉太郎 (息子)
秋山香 …… 高橋久美子 (娘)

千秋 …… 浅丘南

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system