101回目のプロポーズ
(1991年度7月期、フジテレビ、月21時枠)

脚本:野島伸司
プロデュース:大多亮
演出:光野道夫(1)(2)(5)(7)、石坂理江子(4)、林徹
演出補:林徹、中江功、緒方幸夫
音楽:西村由紀江
監督:山田良明
主題歌:CHAGE & ASKA「SAY YES」

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/kennedys/index.html





第7話 まさかあの人が
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薫が結婚式直前に、真壁を交通事故で亡くしている事に未だ
に恐怖を感じている事を知った達郎は、走行中のトラックに
突っ込みギリギリの所でぶつかるのを回避する。そして涙しな
がらも、"僕はこんな事では死なない"と宣言したことで、薫は
自分を幸せにして欲しいと語り実質、見合いに於けるプロポー
ズを了承した事になる。

達郎は帰宅すると呆然とし、純平に薫と結婚することになった
と報告。純平は何かの聞き間違いとか夢ではないのか?とする
が、夢ならば覚めないで欲しいと言う。今度ばかりは達郎も
必死だった。

薫も帰宅すると妹の千恵に結婚する事になったことを報告。
妹は姉さんが決めたのならば大賛成だと素直に祝福する。
薫はそれでも不安があるとするが、もう何も起こらないことを
告げ、薫は星野さんの事を愛しているのだと言われると、薫の
中にはまだ違和感を生じていた。

眠れぬ夜を過ごす薫や達郎。
達郎は一人で祝い酒を楽しむ。薫は達郎のことを愛しているの
だとワインを飲みながら言い聞かせるのだった。

翌日薫が結婚するという事を聞いたピアノ教室の生徒はみんな
で先生を祝福する。桃子にも薫は話すが、まだ両親にも話して
いないことであり、尚人にも話していない事を危惧する。
真壁には日曜日に報告に行ってくる事を告げる。

達郎は会社で同僚達にプロポーズして見事結婚することが
決まった事を報告。達郎は涼子に対して、今までと変わりなく
ピアノのレッスンは続けて欲しいという。薫の思い出の曲
"別れの曲"を是非習得したいと考えていた。渋谷からは何か
縁起が悪くないか?とつぶやかれてしまう。

千恵が商店街で買い物をしていると尚人に会う。
二人は帰り道に公園に立ちより、砂場で互いに手に入れたい
ものの存在を語り合う。そこで千恵は尚人に姉が結婚する事
になったと報告すると、尚人は千恵に有る頼み事をするのだっ
た。

薫が帰宅すると千恵は尚人が来たことを告げ、今公園で待って
いるという。結婚のことを話した事を告げると、薫もどっち
道話すつもりだったことを告げ彼に会いに行く。

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達郎の押しの攻勢によって薫は陥落。
いよいよ達郎のプロポーズに対して薫も了承することになる。
薫を好きだった尚人は最後のアプローチとして薫をラブ
ホテルへと連れ込むが・・・

達郎が浮かれつつも不安に感じていること。
薫が結婚を決めつつも不安に感じていること。

結婚する機会になって初めて結婚とはどういうものなのかを
考えていく二人の心情が面白いように描かれた話だった。

結婚とはどういうものなのかに関しては、もう少し結婚前に
考えて居れば良いんだけどね。互いに初めてその機会に触れる
訳ではないんだし。

なんといっても達郎側が陽気なムードである状況と、矢吹家の
神妙な雰囲気の温度差がとても象徴的に描かれていたと思う。

達郎の役割はほぼ完璧であり、真壁の墓に連れて行かれた
達郎が、薫に対して語る言葉も、「めぞん一刻」の五代さん
が響子さんにプロポーズした内容をそのまんま踏襲した様な
セリフで上手くまとめ上げた。

尚人が最後に見せたアクションと、薫が尚人を使って達郎を
愛しているのかどうかの最後の賭けみたいな事をしていた
けど、結果的に薫は達郎を本当に好きだと実感できたのだろ
うか。
オレはリトマス試験紙かとする尚人のセリフは、恋愛ドラマ
にはありがちなものだけど、何か時代を感じさせるセリフって
感じも受ける。

最早結婚まで秒読みという段階で、出会ってしまった真壁と
ソックリさんの男性。
完全に薫の目が逝ってしまっているところがまた何とも言え
ないね。
恋愛は外見なのか中身なのかというテーマとはまた違った
形の、外見を重視せざるを得ない状況が生まれてきてしまい
ドラマとしては複雑な所に落ち込んでしまった感じがする。
果たして薫の中で真壁との"違い"を見出すことが出来るのか。

矢吹薫 …… 浅野温子 (30歳、オーケストラのチェリスト)
星野達郎 …… 武田鉄矢 (42歳、建設管理会社の万年係長)
星野純平 …… 江口洋介 (22歳、達郎の弟で大学生、法学部所属)
矢吹千恵 …… 田中律子 (20歳、薫の妹。純平と同じ大学)
岡村涼子 …… 石田ゆり子 (23歳、達郎と同じ会社の受付嬢)
沢村尚人 …… 竹内力 (28歳、オーケストラのバイオリニスト)
渋谷悟 …… 前田真之輔 (25歳、達郎係長の部下)
関谷祐子 …… 岩田美香 (涼子の友人、達郎と部下)
矢吹孝夫 …… 小坂一也 (薫と千恵の父、浜松、印刷工場社長)
石毛桃子 …… 浅田美代子 (34歳、薫の親友。楽器店を経営)
真壁芳之/藤井克巳 …… 長谷川初範 (35歳、達郎の上司)


佐戸井けん太、佐藤幸雄、岩田美香、山本正義、田中友香里


評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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