泥棒に手を出すな!
(1990年10月17日-12月26日・木曜20時枠・テレビ東京)

原作:赤川次郎「美人刑事と泥棒亭主」より
脚本:大久保昌一良、土屋斗紀雄、寺田敏雄、椋露地桂子、桜井正

演出:中津川勲、日名子雅彦、生島信
主題歌:Darlin'「ハートブレイクのままじゃいられない」

http://www.bs11.jp/drama/1817/





第1話 愛する妻は女刑事 / 名画から出てきた令嬢
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東京ベイサイド
赤いスポーツカーから先輩刑事・今野真弓
アッシーこと道田
行雄
が降りてくる。この埠頭で麻薬の取引が行われるという
情報をもって来た。課長からは怪盗ダークキャット対応作戦の
為に待機しろと命令されていたが、真弓はこちらの事件を優先
した格好だった。真弓から相手はマシンガンを持っていると
言われビビるアッシーは、チビる前にトイレに行っておこうと
海に向かっておしっこしていると、そこが取引現場で偶然それ
を目撃してしまう。それを知ったヤクザたちはアッシーを追い
詰め殺害しようとするが、真弓は得意の銃でヤクザたちを一人
残らず退治する。

一方
西新宿美術館では屋上から怪盗ダークキャットこと今野淳
一が館内に潜入するために屋上からロープを垂らして中へと
潜入する。警備員たちが居なくなったのを見計らい、手にして
いた
万能型の腕時計で入り口のロックを外すと、美術品が
展示してある室内へ。そこには赤外線によって厳しいセキュリ
ティが施されているが、時計を使うと見えないはずの赤外線は
視覚として現れる。それをかいくぐり、中央に有った王冠を
手にするが、うっかり赤外線に触れて、警告音が鳴り響く。
駆けつけてきた特捜課の大石蔵雄たちに屋上に追い詰められて
しまうが、今野は予め用意していて脱出経路を伝って向かいの
ビルへと滑車で逃げていく。
またしても取り逃がしたことで、大石は上司の時国平成に激怒
される。そして今年中に逮捕しなければ首だと宣告される。

特捜課のデューダ刑事は転職の道を考え、フロッピー刑事
犯人の行動をコンピュータで予測する。するとフロッピー刑事
は怪盗ダークキャットは今頃教会の神前に居ると語る。

真弓と淳一は
教会で結婚式を迎える。
神父の前で熱く愛を誓い合う中で、淳一は秘密にしていたこと
が有るとして、真弓に告白する。自分はダークキャットである
という事。真弓は驚きもせず自分にも内緒にしていたことは
有るとして、自分は特捜課の刑事である事を告げ、彼を手錠
で逮捕する。
しかし真弓は愛は法律を超えるのだとして、彼を逮捕するもの
の自分の夫として一生自分のものだという意味合いを持って
彼を捕まえるだけだった。

二人は新婚旅行のため
箱根豊山鉄道・宮ノ下駅へ。
下田に行く道を尋ねようとするが、駅員は居なかった。
着物を着た老婦人・楠本カヨが待合室に一人で居るのを目撃。
彼女は大きな美術品を手にしていた。二人が困っているのを
知ると声を掛けてくれて、下田に行く道を教えてくれる。
二人が新婚だと分かると"幸せに"と祝福の声を掛けてくれる。

淳一は、車を運転しながら先ほどの着物美人について語り始め
る。
ラベンダーの香水のにおいがしたと告げると突然助手席に
座っていた真弓は本物の銃を取り出し、淳一のこめかみに突き
つける。もしも浮気をしたら即発砲し、自分も死ぬという。

二人が泊まる
ホテル伊豆急に到着。
すると無礼な男が突然二人の前を通り過ぎる。あまりの礼儀
しらずブリに真弓は激怒するが、淳一は彼が通り過ぎた時に
ラベンダーの香りがするのを感じる。

新婚旅行も終わり日常生活に戻る。
淳一は家事をしていて、真弓が帰るのを待つ。
ちょうど彼女が帰宅した頃、淳一はテレビを見ており、そこで
有る事件について報道していた。10月13日に亡くなった画伯・
湯島龍三郎の幻の絵画
"或る令状"が突然発見されたというもの。
時価三億円はくだらないとする絵では有るが、三人の人物が
その絵の所有権を主張しているという。
宮ノ下駅員でありその絵が待合室に置かれているのを見つけた
横山貴吉(35歳)、亡くなった画伯の弟・湯島四郎兵衛(46歳)
自分が買った美術品を置き忘れたとして名乗り出た不動産業
経営の黒田剛造(51歳)。本物の所有者が判明するまでは、
西新宿美術館に展示されるという。二人は宮ノ下といえば
着物の女性が居て、美術品を手にしていた事を思い出す。
淳一は、今夜その美術品を盗み出すと告げると、真弓も止める
こと無く、それを見守る。
いざ美術館に忍び込むが、なんとそこには自分以外にも
侵入している女性・楠本令子の姿が有った。

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■赤川次郎原作のドラマ

「名画から出て来た女」が一話の中に凝縮して描かれたもの。
吉川晃司バリの佐藤浩市さんと、先日亡くなられてしまった
スーちゃんこと田中好子さんが共演したドラマ。
最初真弓役を見たとき、古村比呂さんかと思って見ていた。

黒猫の姿を見ると、まさら赤川次郎さんって感じがする。

■刑事と泥棒が同居

そんな奇抜な設定のドラマ。
「キャッツアイ」の様に泥棒している事実を隠して活動して
いくのかと思ったけど、一話目から大胆に告白して、しかも
それを知った妻が容認していくというのだから凄い。

■ストーリーはかなりの粗が・・・

全く必然性のない展開の繰り返しでビックリする程安っぽい
ドラマ。

わざわざ美術品の値をつり上げるために美術品を置いていく
という所から始まるが、元々その美術品も殺人して盗んだもの
であり、所有権を主張するには相当無理が有るという状況の
中で、とにかく邪魔するヤツは殺してしまえみたいなスタンス
が凄い。

■楠本令子

美術品は展示されているのだから、わざわざ深夜に忍び込んで
居る楠本令子の意図が全く分からない。
それよりも所有権を主張している令子を殺害しようとしている
サムカワという殺し屋は、何故駅員や画伯の弟を殺害しようと
しないのか謎である。

演じている鶴田真由さんが若い。

■パソコンを操る刑事・その名もフロッピー

フロッピーという時点で時代を感じさせるものが有るな。
NECが発売していた初代のノートPC、PC-9801Nを巧みに操って
いる姿が有るけど、なんで犯人の行動予測が出来るのかは全く
の謎。しかも当たってる所が笑える。

■学習しない西新宿美術館

セキュリティが甘いっていうのはお約束だけど、毎回ダーク
キャットは隣のビルから滑車のついたロープで侵入しているの
にそれを監視しようとするものが全く居ない。

■香水の臭い・ラベンダー繋がり

臭いの件は良いとしても、あの美術品を奪った殺人犯は、なん
でその後に、わざわざ今野夫婦が泊まっているホテル伊豆急に
行ったのか謎過ぎる。殺した後に仕事の疲れを取るために
ホテルで湯に浸かってから帰宅みたいな?

■絵に込められていた思い

絵を見ただけで、親子関係だったり、夫婦関係だったり、
そして自分の事を捨てて出て行った父親の事を思い出させる
設定自体は悪くは無い。

■駅長の勘

あの人は所有者ではない。その根拠は?「勘です」。
駅長さん、当たってるよ。凄いっ。

今野真弓 …… 田中好子 (警視庁分室・特捜課)
今野淳一 …… 佐藤浩市 (怪盗ダークキャット)
大石蔵雄 …… 佐藤B作 (特捜課・課長)
外骨堂風鈴 …… 岡本麗 (38歳、外骨堂鍼灸院)
時国平成 …… 織本順吉 (特捜課・特捜本部長)
道田行雄 …… 緒形幹太 (特捜課・アッシー)
小野実 …… 冨家規政 (特捜課・デューダ刑事)
村上次郎 …… 飯島正和 (特捜課・フロッピー刑事)
ヒロミ …… 小林美江 (婦警)

楠本令子 …… 鶴田真由 (19歳)

椎谷健治、貴紫市子、兼本新吾、森本治、水村泰三
米郁美、加山ひろ子、鎌田吉次、小池幸次、大山剛
大滝明利、中谷年夫、鹿島茂、井潟千夏、ダグラス・カーク
マーク・オルボーン

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆ (4.0)

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