振り返れば奴がいる
(1993年1月期・水曜21時枠・フジTV)

企画:石原隆、鈴木吉弘(2話より)
プロデューサー:関口静夫
脚本:三谷幸喜
演出:若松節朗、河野圭太、木下高男


第10話 最後の対決

--------------------------------------------------------
もう良いやるだけの事はやった。これ以上は司馬に関わるのは
やめよう。みんな石川先生の事を必要としている。必要な人に
目を向け時間を大切に使うべきだ。
稲村からそう告げられた石川は、その意思を受け取る。

一方星野は司馬に面会する。
なんでNRDに拘るのか?石川が重い病気であることは事実なのか?
もしかしたら石川のためにNRDを購入したのではないかと質問を
ぶつける。しかし司馬はそれを否定し、機材が届く一ヶ月後に
は石川は居ないだろう事を告げる。

沢子は石川に司馬のことを語るが、もうこれ以上は司馬に関わ
る事はしないという。沢子は看護師に話すフリをして石川に
何故司馬がNRDに拘ったのかを伝える。

そんな中患者の一人笹岡の容態が悪化する。家族が駆けつけ
患者に語りかける様子はかつての司馬の境遇を思い出させた。
笹岡にはリビング・ウィルの話をしたが、稲村は誓約書は受け
とっていないという。
峰が石川と治療方針について語り合うところを司馬が聞き、
生きることと死なないという事は意味が違うことを述べ、
死なせてやるべきだとして、峰に遺族に話してくる様告げる。
しかし石川は家族が希望している以上は手を尽くすべきだと
して最後まで最善を尽くす事を語る。
--------------------------------------------------------

末期ガン患者の笹岡の治療を巡り、司馬と石川はまたしても
対立する。最後のチャンスだとして石川は司馬を病院から
追い出すために奔走する。

石川の顔色の白さが度を超えて凄い。
韓国ドラマ「冬のソナタ」でユジンに振られたサンヒョクが
食事も取らず断食状態で顔を真っ白にしていたことを思い出す。

看護師を退出させた後に司馬は笹岡にペタロルファンを撃って
死期を早める。
石川は単に司馬は治療が面倒くさくなったからだと言う。

司馬が法に触れているのは明らかだが、石川が患者と向き合わず
司馬を追い出すことだけに主眼を置いているのに対して、司馬は
患者や家族のことを考えての行動と言うことで、なんとなく
司馬を応援したくなるような展開だった。
石川の短絡的な行動は、目の前の現実が見えていないのではな
いかという感じさえ受ける。

しかし当然ながら悪いのは司馬の方で、医師が判断すべき事では
無いことは明らかだった。
患者本人の意思は既に聞いている訳で、医師は家族にその事実を
伝えて、家族からの了承を得る必要が有った。

司馬が笹岡に顔を近づけ、その意図を知る患者が微笑むシーン
が印象的。
司馬が決して笹岡に対してぞんざいに扱いをしていないことが
伝わると良かったんだけどね。前の回で笹岡は司馬と一緒に
ゲームボーイで遊ぶシーンが有ったのでこういうのを利用して
なんとか石川に司馬の気持ちを伝えて欲しかった。

理事長もまた今回ばかりは手を貸さない。
器具購入の際には金を貰っているのに突き放すときは突き放す
のね。

司馬が意外にも簡単に手を引いたのが意外だった。

司馬 江太郎 …… 織田裕二 (医者)
石川 玄 …… 石黒賢 (医者・アメリカ・カンザス大学から帰国)
大槻 沢子 …… 千堂あきほ (麻酔医)
峰 春美 …… 松下由樹 (研修医)
平賀 友一 …… 西村雅彦 (天真楼病院の主任医師)
山村 忠光 …… 宮沢風太郎 (天真楼病院の放射線科医師)
笹岡 繁三郎 …… 坂本あきら (患者、麻雀に呼び出される)
稲村 寛 …… 佐藤B作 (ケースワーカー)
看護婦・田村のえ …… 相原勇
看護婦・内村恵美 …… 宮地雅子
看護婦・中井加世 …… 貴島サリオ
看護婦・富川千代 …… 建部和美
看護婦・伊東みつ子 …… 木原みずえ
前野健二 …… 川上たけし (外科医・マージャン仲間)
患者・柏木 …… 梶原善 (胆石の患者)
患者・志村 …… 小林隆 (麻雀に呼び出される)
救急隊員 …… 甲本雅裕
上野こうじ …… 伊藤俊人 (母、モエコを亡くす)
役名不明 …… 浅野和之 (医者)
星野 良子 …… 中村あずさ (製薬会社・オットー製薬)
中川 淳一 …… 鹿賀丈史 (外科部長)
理事長 …… 林昭夫

木村智良、桐林美枝、小松恵子
山田玲奈、曽根いづみ、高倉江美、井手直樹、小宮三郎
海谷公二、樺沢雅樹

青木和代、青木良恵

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system