古畑任三郎
(第1シーズン 1994年4月期)

脚本/三谷幸喜
演出/星護


第4話 殺しのファックス


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ミステリー作家・幡随院大の妻が誘拐される。
犯人からの連絡は全てFAXで送られてくる。身代金は三千万円。
次々と指定する場所を変えて幡随院大に金を送り届けさせる。
果たして犯人は誰なのか。
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古畑ドラマの中で一番落ち度が有る展開か。

冒頭からいきなり幡随院大が何処か勝手に一人で歩き回ってい
たり、殺害する映像まで描かれている。何故か警察官もそこに
は付いて回っていなし、この行動の意味がイマイチよく分から
ない。

ドラマとしては何故FAXを使ったのかに着眼点を持たせる。
幡随院大は作家らしく、逆探知しづらい事と声で身元がバレ無い
為のものだと告げるが、実際にはアリバイを証明するための
ものであることは誰の目で見ても明らか。

ドラマとして面白いのは、犯人はワープロで予め文章を打ち、
それをタイマーで送るように仕掛けているために、未来予想図
の様にそこに書いた文章通りの展開を自ら用意しなければなら
ない事だろう。如何にも犯人がこちらの行動をリアルタイムで
監視している事を分からせるため、それなりに説得力のある
エピソードを織り交ぜなければならない。
その為工事中の道という想定外の出来事に遭遇してしまう。

さて今回の事件、携帯電話を何故犯人が用意させたのかは
ドラマの都合上の事なんだろうなと思わせられるが、
古畑が最後にFAXのトリックを暴くことは、あくまでタイマーで
設置してあることを暴いただけで、幡随院大が犯人であると
いう証拠固めまで至っていない点が挙げられる。
まぁ勿論見ていれば犯人は明らかだし、FAXだからといって
逆探知出来ないと思っているのが間違いなんだけどね。
送信元を辿っていけば、送った後の文章が残っているし、そこ
から幡随院大は明らかなんだけどね。

今泉が服を変えていた件も後から幾らでも変更が利く言い訳
にも思えてしまう。次のFAXで黒いコートだと犯人が指定して
くるであろう事を見破って別の服を着ていけというシーンは
挿入しておいた方が、ドラマとしては面白く写ったと思う。

古畑任三郎 …… 田村正和
今泉慎太郎 …… 西村雅彦

幡随院大 …… 笑福亭鶴瓶 (作家)
蟹丸警部 …… 峰岸徹 (刑事)
河村ノリ子 …… 井上ユカリ (幡随院の愛人)

坂西良太、中村元則、江上雅彦、佐野和敏、酒井敏也
能見達也、高柳葉子、桂木唯、葉子きよみ

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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