ホームワーク
(1992年10月期、TBS) 1992年10月16日〜12月25日

脚本:遠藤察男
企画協力:秋元康、佐藤光夫
プロデュース:遠藤環 
演出:遠藤環、金子与志一、戸高正啓



第3話 同じ夢を見たい
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圭介は朝、拾ってきた犬のアトムに足を舐められて目が覚める。
部屋にいた圭介は、キッチンで物が割れた音を聞いて急いで
起きる。うらんが家事をしようとしてポットを割っていたので
有る。

一方幸子と周二は朝食の際に、ぷらぷらしていても腹は減る
もんだと自虐ネタを呟く周二。彼女に対して仕事と家事の全て
をこなして凄いと告げると、みんなやっている事だ謙遜する。
周二は今度俺がご飯を作ってやるとするが、男の人がそんな事
をするのは変かとし、男には他にやることが有るなと告げる。
口数の多い周二に対して、幸子は何かあったのか?と尋ねる。
もしかして仕事のことなのか?とすると、仕事が決まりそうな
事を臭わす。

幸子は圭介と駅で鉢合わせするのを避ける為にいつもよりも
早く出社する。すると駅の伝言板には、"どうして来てくれな
かったのですか?"と書かれ、圭介の名刺が貼り付けられていた。

圭介は出社すると、同僚の社員から例え仕事が上手くいかなく
ても将来が保証されているから良いですねと言われる。思わず
激怒するも、すぐに我に返える。社員の一人からは、圭介に
お前から父親に頼んでくれたのだろう?とし、契約が取れた事に
感謝を示される。

恵美は、レンタルビデオで以前に注文していた
ゴダール監督の
フランス映画"カルメンという名の女"
を届けてくれた事に感謝し、
恵美は自らケーキを手にして古川の事務所を訪ねる。
恵美は子供服を新たに手がけて忙しそうにしている古川に、
手伝っても良いわよと告げる。恵美が奥野たち社員に軽々しい
口を利いているのを見て、古川は働きたいのであればちゃんと
しろと告げる。

父・幸介の会社のオフィスに圭介は尋ねる。
幸介が圭介の会社に全てのデスク用品を発注したことに関して、
干渉しないでくれと言っただろうという。しかし父はこれは
あくまでもビジネスだとし、お前は机や椅子を売る方ではなく
座る側に回りたいと思わないのか?と問われる。あんな営業を
して何の意味があるのかとし、筋違いの事で文句を言いに来る
のが精一杯の現実を非難する。

周二はジャストスの古川を訪ねてくる。
ちょうど仕事周りから帰ってきた古川から声を掛けられる。
働きたいのか?と言われるが、俺はあんたと組むつもりは無い
とし、やりたい事があるとして、以前にもらった名刺を返しに
くる。しかし古川はそれを受け取らず、再び彼の背広の中に
名刺を入れる。

昼食の際に一人落ち込んでいる圭介を見て、うらんが声を掛ける。
今日は何だか様子が変だという彼女。彼女はポケベルを買った
とし、もっと二人の関係を近づけようと提言する。私も家事を
するからとして、彼の心を引き留めようとする。

周二は
創映映画・津山組の事務所へやってくると、かつての
スタッフの一人に戻りたいことを告げる。かつて神田を殴って
出て行った周二は、彼にわびを入れるので加えてくれないかと
頼む。

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圭介はようやく幸子と話し合いの機会を持つも、会うのはこれ
で最後にした方が良いと言われてしまう。
一方幸子は、同棲している周二が再び映画製作への道を歩み始
めた事で、とても喜んでいくが・・・

徐々に圭介と幸子が近付いていくことが描かれる話だった。

周二もなんとか新たに仕事を始めようとするも、過去の柵から
なかなか抜けられず、結局元の位置に戻ると共に、幸子の事を
傷付ける彼の姿に、自らやりきれない思いになるという展開が
用意される。

就職先が決まったときの幸子の喜び様を見れば、男性ならば
奮起するものが有ると思うのだけど、皮肉にも職場の人間関係
には恵まれないものが有ったかな。

幸子が圭介に悩みを吐露していきたい気持ちも分かるけど、
古風である彼女が簡単に周二の事を諦めるとも思えないし、
周二が最後に二人の姿を目撃してしまったことによって、
どういう行動を見せていくのか。

圭介と幸子だけが相手の存在に気がつかず、周二とうらんは
同居人に相手が居るというシチュエーションが、どんな展開を
生むのかとても楽しみな部分。

古川がどんな役割を演じていくのか。
相変わらず不気味な物が有るけど、今のところ影を潜めている。
世間知らずな恵美が、高慢な態度を見せているのとは逆に、
そんな古川が世間というものを教えていく存在になるのかも
知れない。

少々古川と恵美の関係には違和感が有るけれど、二人が恋心を
抱いていくような展開になっていくのかな。

伝言板の使い方は相変わらず良かった。
名刺を破り捨てた幸子の決意が、逆に不幸のフラッグに繋がって
行く辺りも、ドラマっぽくて良かったと思う。

森田圭介 …… 唐沢寿明 (文具会社)
竹永幸子 …… 清水美砂 (浅川弁護士事務所・秘書)
滝本周二 …… 福山雅治 (幸子のヒモ)
水野うらん …… 浦江アキコ (圭介と同居)
古川茂雄 …… 筧利夫 (ビデオレンタル業他、実業)
村口順子 …… 墨田ユキ (茂雄の彼女、浪費癖)
森田恵美 …… ちはる (圭介の妹)
奥野正 …… 榊原利彦 (茂雄の会社の社員)
森田八千代 …… 内田あかり (圭介の母)
森田幸介 …… 宝田明 (圭介の父、浮気)


浅川 …… 稲垣美穂子 (弁護士)
森田家のお手伝い …… 宮内順子
課長 …… 加賀谷純一

畑知子、伊藤隆明、伊地知聖子、佐野和敏、伊藤哲哉、堀崎太郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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