もう誰も愛さない
(フジ/1991年4月期・木22時)

企画:宅間秋史、清水賢治
プロデュース:阿部祐三、和田豊彦
脚本:吉本昌弘、中山乃莉子(#3,7)、林誠人(#6)
演出:楠田泰之、赤羽博、中島悟


第7話 愛の償い

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嵐の夜、美幸は弥生に近づき一緒に寝ようと声を掛ける。
弥生は雷が嫌いでよく一緒に寝た事を告げるが、彼女は小百合
の事を気に掛ける。

小百合は亜紀の件やスキャンダルのリークが全て美幸の仕業だ
った事に憤怒する。しかし卓也は元々俺達が悪いとして、こう
しているだけで十分だと告げる。

美幸の部屋に通がやってきて、傍に置いて欲しいと近づいてく
る。しかし美幸は襲われた際に貴方が言った言葉(感じたのか?)
は忘れられないとして、通を一蹴。襲ってきた男性の方が貴方
よりも感じたとして、貴方は所詮その程度の男だと告げる。
逆上した通は美幸に襲いかかるが、その姿を見た弥生はあの
時のことを思い出す。あの時小百合で窓の外で見ていた事も
また思い出した。

翌日、美幸は卓也が働くガソリンスタンドを訪れる。
小百合と一緒に暮らしているのかと尋ね、神様は居る事。人は
悪いことは出来無いものだと言うと、卓也は小百合の身に何か
が起こっていることを知り急いで自宅へ帰る。すると警察が
小百合を連れて行く所だった。
一連の美幸の行動を見て林は分からないという。小百合を捕ま
える事は自分の過去をサラして傷つくのは自分自身である事だ
というが、傷つくことには慣れているという美幸。
復讐ではなく卓也の事が忘れられないだけだと言われる美幸。

捕まった小百合の元に会いに行く卓也。小百合は貴方だけは守
りたい事を告げ、全ては貴方が居るから今の境遇にも我慢でき
ると告げる。無力さを感じる卓也。

卓也はガソリンスタンドを突然クビになる。
小百合の元に今度は美幸が面会に訪れる。小百合は美幸に別荘
になど行っていない事。全ては弥生の思い違いであり、証拠も
ない事を告げる。しかし美幸はそれでもマスコミから殺人者と
して取り上げられた為に世間はそういう扱いをすると告げる。
籠の鳥は一生籠の鳥だという美幸に対して、それでも卓也は
待っていてくれると告げる。

卓也の元に美幸と林がやってくる。美幸は貴方を雇う所など
何処にもないと告げ、自分が妨害工作している事を暗にさらけ
出す。卓也は美幸にどんな償いでもすることを告げると、まず
は土下座でもしなさいと語る美幸。卓也は台所から包丁を取っ
てくるとこれで俺を殺せと語る。美幸は今殺されたら父親の
冤罪を晴らすことは出来ないわよと語り、私ともう一度寝て
くれたら100万円をあげても良いと告げる。しかしその金を
突き返すのだった。
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美幸は卓也に復讐する。

復讐するための方法は、現在の所彼から働きの場を奪うという
もの。最初は金を積んでガソリンスタンドを辞めさせたし、
今度は観葉植物のレンタル会社に勤め始めたものを、ライバル
会社を作って妨害工作に出た。

亜紀はとても出来た人だ。

卓也の為に別れるだけでなく、好条件を突きつけて別れを告げる。
500万円の受け取り、そして友人の会社であるグリーンリースに
勤める事が条件だという彼女。

卓也はモテ男。

小百合、美幸、亜紀、全ての女性に好意を持たれている。
それだけ彼の中の飢餓感やら野心に惹かれるものがあるのか。
ガタイとしても良いので、ジーパン姿が似合うんだよね。

上に立つ者を常に蹴落とそうとするものたち。

米倉は小百合と手を組むことに決めたらしい。
まぁ米倉単独では何も出来そうも無いけどね。
通は最初美幸にすがって行きようとするも失敗。
沈没する前に卓也だけは殺害しようとしてナイフで襲いかかる。

美幸の卓也に対する気持ち。

このドラマの一番面白いところは、美幸は卓也を傷つけようと
するが、美幸の中にはそんな態度とは逆の感情が存在している
事。子供が好きな相手に構って欲しい様に、意地悪をして
相手の意識をこちらに向けようとする。

相変わらず都合が良い弥生。

姉の美幸が襲われた時、窓の外で見ていたのは小百合である事
を思い出した。しかし小百合が犯人だと信じたくないのであれば
普通は警察や美幸にはその事実を言わないような気もする。
言った後に美幸が狂っていると感じて、やっぱり違うっていうの
は流石に都合が良すぎるか。

小百合の逮捕は、証言だけで物証がない。

なんで警察がそこまで強気に出られるのか、ちょっと考えられ
ない展開ではある。一番振り回されているのは実は刑事達か。

右半身不随の卓也

無言の卓也の事を文句を良いながらも世話をする美幸。
暫く仏頂面していた後に優しい言葉をかける卓也の行動は
心理的にも上手い方法だと思う。

小百合は戸川の女となり、美幸に復讐する。

復讐するというよりも卓也を取り戻すために行動を起こすと
いう感じか。元々小百合が悪の張本人だし、この人のせいで
色んな人の人生が狂っている。それ故にこの人が何を言っても
イマイチ説得力がない。

沢村卓也(樫村満) …… 吉田栄作 (22歳・東都銀行の運転手)
宮本小百合 …… 田中美奈子 (東都銀行員)
沢村元春 …… 佐川満男 (卓也の父、無期懲役)
田代美幸 …… 山口智子 (東都銀行員)
牧村通 …… 薬丸裕英 (エリート証券マン、美幸から婚約破棄)
田代弥生 …… 観月ありさ (美幸の妹・記憶喪失)
田代春樹 …… 神田利則 (美幸の弟)
田代裕二 …… 平野稔 (美幸の父)
米倉俊樹 …… 辰巳琢郎 (不動産会社ヨネクラ社長)
水木圭子 …… かとうれいこ (ヨネクラの受付嬢)
戸川啓介 …… 仲谷昇 (財界の大物)
戸川亜紀 …… 荒井乃梨子 (米倉のフィアンセ)
町田玲子 …… 伊藤かずえ (弁護士)
王小龍(ワンシャオロン) …… 伊武雅刀 (美幸の父の知人)
西条安代 …… 江波杏子 (囚人・ボス)
小川 …… 中丸新将 (銀行支店長)

山口健次、ドン貫太郎、津村和幸、長沢大、牧村泉三郎
咲野俊介、斉藤麻里、前原実、冨田康裕、大林丈史

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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