新空港物語 (1994年度1月期・テレ朝・木曜21時枠) 1994年1月6日〜3月17日 脚本：塙五郎、中村勝行、ちゃき克彰 演出：山口和彦、田中秀夫ほか プロデューサー：五十嵐文郎、高橋勝、南條記良、力武敏彦 音楽：本多俊之 主題歌：「Don't Leave Me」B'z テーマ曲：「あの時のように」山根康広

第1話 カナダ行き最終便の花嫁!
--------------------------------------------------------
成田空港の一番機である128便が出発を控え、管制官とパイロ
ットの間でやりとりが行われる。
しかし滑走路を見回りしていた宗方と谷川たちは、滑走路で
男・新道がほうきを手にしていて職員ともめている姿を目に
する。新道は滑走路にガラスの破片が有ったら危険なので
掃除しているとするが・・近づいた宗方たちは彼を止めよう
としてもめる中で男が新しく赴任した新道である事を知る。
今日から空港管理センターで勤務するという彼。

一方チェックカウンターではようやく搭乗手続きが終わり
一番機の出発を待つ中で、立花と新道、そして香山たちは
離陸前の飛行機に乗りたいとする患者の家族がやってくるのを
目にする。カズヨシという少年が肝臓の手術で渡米することに
なっており、病院からも後れることは連絡して置いたのだと
いう。既にゲートは封鎖されているので搭乗できないことを
告げるが患者達家族は、便を乗り遅れると手術が出来なく
なるのだという。前例がないとする立花に新道は患者と一緒
になって必死に頼んだ為に立花は自分の責任で搭乗させる
事を決断する。

18分遅れでなんとか一番機を飛ばすことが出来たと完成管理
センター室長に連絡が入る。
そんな中室長は新道に対して空港職員用のIDカードと彼の
デスクを用意しみんなに紹介する。
それにしても何故滑走路にいたのか?と問われると、早く来す
ぎたので空港の施設を見て回っていたのだという。そして
時間があったのでガラスの破片が無いように掃除していたとの
事だった。

立花は一仕事終えてセンターの方に顔を出す。
すると18分も出発を遅らせた張本人の新道がいることを知る。
立花は新道のやり方に文句を付ける中、新道は立花のことは
噂に聞いているという。立花はどんな噂が流れているのか
気になり話を聞くと、凄い美人だがサイボーグのような人で
決して人前で笑顔を見せない人だという。上司にそんな挨拶は
有るかとして新道は怒られてしまう。

そんな中センターに連絡が入り909便のフライトアテンダント
が来ていないとのこと。みんなで空港中を探し回る中で、
新道は制服を着た女性・木村友子が歩いてるのを見て急いで
搭乗口に連れて行く。しかし立花は既にスタッフは揃って飛行
機は離陸したことを聞く。立花は彼女が着ている制服は
この空港のどのフライトアテンダントの制服にも該当しない
として彼女をセンターに連れて行き事情を聞く。
しかし彼女は一切口を利かなかった。
荷物を調べさせてもらうと、荷物の中にはウェディングドレスが
入っており、スタッフたちは制服を着て空港の売り場で盗みを
働いたのではないかとして厳しい目を向ける。
そんなやりとりを聞いている中で、一向に話をしない彼女に
対して篠崎室長は手話で話をしてみる。
すると彼女は手話で応答した為に、言葉が聞こえないのだと
分かる。篠崎が何故制服を着ているのか尋ねると、彼女は
モデルで空港内で撮影していた事を知る。それを聞いて
篠崎は新道に彼女を撮影場まで届けるよう指示する。
新道はスタッフたちに不手際があったことを謝罪するが、
言葉が通じていなかった。新道はなんとか手振り足ぶりで
気持ちを伝える中、メモ紙に言葉が聞こえなくて辛いだろうが
"ガンバレ"と書いて渡すのだった。
--------------------------------------------------------

先日まで放送していた「大空港'92」の続編。
前作からは室長の篠崎と特別出演として宗方が数話程出演する
様だ。

初回はベトナム戦争によって生き別れた兄と妹の物語。

香港からの飛行機で急患が発生したり、また日本からの出発便
で治療のために渡米する患者達に対して、空港スタッフたちの
その対応力を試すもの。当然規則が有るけれど、それを如何に
して個人的な判断で客のために迅速かつ正確な対応を見せられる
のかといったところだろうか。
初回は人物紹介がてらそんな事情を描き出した物語だった。

初回から上手く描かれていたのはやはり同じ空間にいて、
国籍の壁というモノを感じる演出が施されていたこと。
さりげなく日本の難民審査の厳しさを指摘しつつ、実の兄と妹
なのに難民申請によってカナダと日本で離れて暮らさねばなら
ないとする不条理さを感じるもの。

言葉の問題もそうだし、手話が使えるとする理由付けの中に
育ててくれた母親への愛情と同時に手旗信号のようにして
遠く離れている兄に手話でメッセージを送るところなど
初回からちょっぴり泣けるエピソードだったと思う。

西田ひかるさんのウェディングドレス姿がとても可愛らしい
ものがあり、もうこのドラマも20年も前のドラマなんだな
としみじみ感じさせるものがあった。

各々のキャラクターとしては、鈴木杏樹さんに英会話をさせ
たり、立花と片山事務次官との訳ありの関係を描いたり、
新道を使って藤沢とのちょっとした勘違いからくる微笑ましい
エピソードなども披露される。
また宗方と谷川のセンターでの仕事の範疇に関して争う姿が
あり今後その辺の先輩と後輩の対立点は面白く発展していきそ
う。

そしてシーズン1作目を見ている人にはおなじみの篠崎と妻の
電話でのやりとり的オチ。
微笑ましくもあり、篠崎の妻や娘はこのシーズンでも登場する
のか気になる。
ちょっぴり新人とはいえ新道の暑苦しさに耐えられるかどうか。