東京ラブストーリー
(1991年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本 : 坂元裕二
プロデュース : 大多亮
企画 : 山田良明
プロデュース : 大多亮
演出 : 永山耕三(1・2・5・7・9・11)、本間欧彦(3・4・6・8・
10)
主題歌 : 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」

http://www.bsfuji.tv/top/pub/love_story.html





第3話 二人の始まり
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リカに食事をおごる約束をしていた完治だが、関口に呼ばれた
ことで行けなくなり、リカの職場の机の上に行けなくなったと
のメモを残すも、それがきちんと伝わらずにリカは閉店まで
店で待っていた。秋山たちからリカが店で待っていることを
聞かされた完治は急いで店に行くと、雨の降る中傘を差して
店の外でリカは待っていた。リカは完治が来た事で安心した
表情を見せるももうガス欠だとして倒れかかってしまう。

一方関口は帰宅すると三上が家の前で待っていた。
関口は完治に振られた事を語り涙すると、三上はハンカチを
差し出す。アイツは俺とお前の事で何か有ると勘違いしている
だけだとして、アイツはお前の事を好きなのは間違いないので
もう泣くなと告げる。しかし関口はこんな時だけ優しくする
三上に怒りを覚える。

翌日会社に行く完治。
リカの姿を見ると、完治は昨日のことを謝罪する。
すると落ち込んできた私はゴミと一緒に捨ててきたというリカ
は明るく振る舞う。完治はこの埋め合わせは10倍にして返す事
を約束する。ぶん殴られるかと思ってヒヤヒヤしていたという
完治に対して、殴って元気になれるのであればそうしていると
し、もしも40度の熱で倒れでもすれば完治は優しくしてくれる
のか?と問う。

完治の職場に関口から電話が鳴り逢う約束をする。
一方リカは秋山と共に現場で仕事をしている中、秋山から
最近リカは完治と仲良くしていることを指摘される。
そんな中、リカの元に関口がやってくる。
二人で近くの公園に行き話し合う。最近完治に振られた事も
含めてと最近有った出来事をリカに話す関口。もしかして完治
に好きな人でも出来たのか。リカは関口に完治とちゃんと付き
合いたいと思っていたのか?と問うと、完治と一緒にいると
とても安心する事を告げる。リカは彼女に完治のことを好きな
のか?と問うが、関口は言葉を濁らせ、一緒に居たいと思うこと
は好きとは違うのか?と問う。

そんな中、完治がやってくると、関口と二人で話すことになる。
完治は今まで通り友達の関係で居ようという。
関口は完治が友達以上の関係になろうと言ったのに何故そんな
ことを言うのか?と問うが、先日関口と三上がキスしているのを
見たとし、その時関口は涙していたという。三上はその件で
自分は関口に嫌われているのではないかと言っていたが、
泣いている関口を見て三上の事が好きだから泣いたのだと分か
ったという。
関口は別れ際に完治に対して、いつから私のことを好きでいて
くれたのか?と問うと、初めて出会った頃からだという。

関口は帰宅すると、三上の母親から電話が鳴る。
そして関口は三上の母親に逢うと、彼女は関口に有るお願いが
有ると告げる。

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完治が関口の事を好きだとして、振られて元気がない事を
知ったリカはなんとか笑顔を取り戻させようとして、完治に
語りかける。時に傷つけたりしつつも、リカの献身的な振る舞い
に完治も無視できない存在として彼女の事を見始める。

容易に完治が別の女性に惹かれる性格ではないと分かっている
リカにとって、モーションをかけることで彼のことを振り向か
せられるのかがドラマとしての興味。
ここまで完治の事を心配して思ってくれているのだから、リカ
と付き合ってしまえば良いのにと思わせる作りが上手く出来て
いるし、それを容易にさせない完治の性格がまたドラマでは、
ヤキモキさせて盛り上げている。

「東京ラブストーリー」を見ていると明石家さんまさん主演の
男女7人夏・秋物語」を思い出す。
一つ一つの言動に意味を持たせていて、相手のそんな微妙な
変化に対応したり、時にもどかしさを感じる作りが面白く
出来ている。

リカが関口から、何度も完治の事が好きか?と尋ねるシーン
などを見て、関口が完治のことを友達以上に見ていないであろう
事も上手く伝わってくるものが有るし、振られた完治と少しずつ
距離を縮めていく中で、やっぱり完治が関口の事を忘れられず
にいることで、リカの心も折れそうになったり、また陽気に
なったりして、相手のことをよく観察しているなと思う。

ただリカの場合、完治の気持ちを全てくみ取っている訳では
無いところもまた面白く描かれている。
たとえば完治の性格を見れば、リカの家に一晩泊まったことを
同僚の前で聞かれたくはないところを、リカが平気な顔して
発言してしまう辺りは、彼女にとっては既成事実化して、完治
を取り込もうとしているのではないかとする意図も感じられるし、
また関口との関係に於いて、リカには踏み込んでもらいたくない
部分でも彼女は土足で入ってきてしまう。その編のアメリカナ
イズドされた彼女の性格が吉と出るか凶と出るのかが、ドラマ
として熱く描かれているね。

残りのワンピースが見つからないジグソーパズル。
ジグソーパズルが見つかりそれがハマった時にタイミングよく
道が開けるという辺り、韓国ドラマ「冬のソナタ」の三話なん
かでも使われたネタだけど、この頃の日本のドラマって影響力
が有ったんだよな。

最後にリカが完治に対して「セックスしよう」は有名なシーン
の一つ。女性側からその言葉を発するということで、当時は
衝撃的なシーンだったね。

赤名リカ …… 鈴木保奈美 (スポーツ用品メーカー「ハートスポー
ツ」の事業部勤務)
永尾完治 …… 織田裕二 (ハートスポーツの営業部に勤務)
関口さとみ …… 有森也実 (永尾の高校(愛媛東高校)の同級生。
元麻布幼稚園に勤務。)
三上健一 …… 江口洋介 (永尾の同級生。文京大学医学部の学生)
長崎尚子 …… 千堂あきほ (三上の医大の同級生。)
和賀夏樹 …… 西岡徳馬 (永尾の上司。ハートスポーツの営業部長
。)
渡辺昇 …… 中山秀征 (永尾の同僚。ハートスポーツの営業部員)
北川時子 …… 水島かおり (関口の同僚。西麻布幼稚園の保母。)
秋山緑 …… 五島悦子 (リカの同僚。ハートスポーツの事業部員)
石井景子 …… 伊藤美紀 (永尾の同僚)

渡辺康子、松永博史

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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