東京ラブストーリー
(1991年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本 : 坂元裕二
プロデュース : 大多亮
企画 : 山田良明
プロデュース : 大多亮
演出 : 永山耕三(1・2・5・7・9・11)、本間欧彦(3・4・6・8・
10)
主題歌 : 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」

http://www.bsfuji.tv/top/pub/love_story.html




 

第4話 君の翼になる
--------------------------------------------------------
リカから"セックスしよう!"と言われた完治は、関口と三上が
寝た事を知って、その流れでリカの提案を受けて一夜を共に

する


翌朝、出社すると景子から顔がむくんでいることを指摘され
渡辺からは夕べ恋人とHでもしたのではないか?と問われる。
服も同じだし、腕枕して腕が痺れているようだと指摘され
戸惑う完治。

上司の和賀から
新商品のスニーカーの売り込みを行うよう指示
される完治。
ハートスポーツとしては競合他者にこの分野では
相当遅れを取っているので、売り込みは大変だという。
リカに対しても三月からのイベントのメインとして、この商品
を扱っていくよう言われる。

そんな中、完治はリカに
夕べ君の家に時計を忘れてきたことを
語る。
完治が
アルペンスポーツに営業に行く事を知って、コネが有る
ので話を通しておこうか?
とするが、完治は良いという。
完治が夕べの事を気にしている為にリカは屋上に呼び出すと、
完治は田舎から出て来たばかりなので知らないかも知れないが
東京の女性は、そういう関係になっても後腐れはないのだという。
お日様が昇れば夕べの事は忘れてしまう物なのだという。

一方三上とさとみは一緒に映画を見に行く。
さとみは憧れの三上と映画を観られたことに感想を告げると
三上は突然
俺たち一緒に住まないかと言われ、戸惑ってしまう。

完治はアルペンに営業に行く。
しかし責任者の男性はなかなか取り合ってもらえず、今度来る
時には赤名さんを寄越しなさいと言われる。
完治は帰社するとリカがと共に飲みに行くところだった。
リカは完治に飲みに行かないかと誘う。両手に花ですよと言われ
るが、完治は一本トゲが有る様だと告げる。バラのようにカワ
イイと言われたとリカは笑う。

リカは緑と飲みに行く中でさとみが一人で立っているのを
目撃。すると三上と待ち合わせしている事を知る。リカは
さとみに完治はこのことをしっているのかと尋ねると、さとみ
は黙ってしまう。

さとみは三上と二人きりになると、三上はさとみの態度を見て
完治に
俺たちの関係を知られたくないのか?と問う。お前が
泊まった日に俺は完治に関口と寝たと電話したのだという。
さとみはどうしてそんな事をするのかと怒るが、三上はそんな
不思議な事なのか?と問い、俺は世界中の人に関口は俺の物だ
と言いたい気持ちだと語る。

完治は仕事の件でも上手く行かず腐っていると、話し相手が欲
しくてリカに電話する。私の声でもききたくなったのか?という
リカに対して、いつも深夜のこの時間に突然電話してくるので
仕返しの意味で電話で起こしてやろうと思ったのだという。
アルペンに行ってきた事を告げ、主任とは何か関係があるのか
を尋ねようとするが・・・しかし完治は強がってリカの手など
借りる必要は無い事を語る。俺の時計を捜してくれたか?という
問いかけに、完治が私に初めてプレゼントしてくれた時計だと
いうリカ。勝手にネコババするなという完治に対して、私はど
うせネコの手以下なんでしょと皮肉るのだった。

--------------------------------------------------------

完治は高校時代から好きだったさとみがついに三上と寝た事を
知って失意のまま、リカとの関係に及ぶ。
完治はリカと、さとみは三上と付き合うことになるが、どう
しても相手の気持ちに対して盲目となり、曖昧な行動を取って
しまう。

一度寝ただけでは完全に気持ちが繋がっていないこと。
互いに強がってみたり、関係を誇示するためにあれこれと
画策するも、時にプライドが邪魔をしたり、性格が災いして
歯車がなかなかかみ合わない様子が描かれた。

どの流れもタイミングが悪く、互いに考えている思惑の違い
とかバイオリズムの流れが違っていて、どうにもかみ合わない。
一つの駆け引きだと思うと楽しいのだろうけど、出会いも
別れも紙一重の所で繋がっているところが男女の関係の
難しい所。

互いに無理な要求はしていないのに、相手の気持ちだけでなく
自分の気持ちが分かっていないところが、どれも踏ん切りを悪く
しているし、人の心と体というものが決して同時に同じ方向を
向かないモノだなと思わせる。

試行錯誤する中で繋がっていたい気持ちというのが全方位
的に存在しているところも有るのも確かで、果たして
それぞれがどんな結末を望んでいるのか。

恋愛に求めるのが優しさなのかそれともあこがれなのか。
皮肉にも過去が災いし、性格が災いし、現実が災いし、
仕事と私生活が同じ流れとして存在しているリカと完治は
簡単な関係のようで難しいところにあるのかなと思う。

ついつい気持ちとは裏腹の行動を取ってしまうというところが
よく分かるドラマだよね。

出会う前の頃に関係を戻そうというリカの発言以降の時間の
流れ、間の取り方が絶妙であり、リカが完治に冷たくする
流れを見て決意したのかと思わせつつ、実際にはそう簡単に
気持ちが離れるわけもないところがまた人の心だなと思わせる。

リカが僕の時計を持っている限り忘れることは出来ない。
今ならば好きと言ったときと同じ気持ちでサヨナラを言える。

完治が好きだとする意思を見せる中でどれだけ本気なのかを
精査するリカの態度。
そう簡単に両思いになれると思うなよとばかりに、私の要求
に答えられるのか?とばかりに私がビートルズのコンサートを
家出開きたいとしたらどうするのか?と問われ、

「呼んでくる」「ジョンは?」「俺が変わりに歌う」
「空に魔法で虹を架けてと言ったら?」「それは出来ないけど
魔法は使える」

キスするまでの流れはまさに少女漫画チックで学生時代の
恋愛を引きずったやりとりなんだけど、可愛らしい恋愛で
見ていて微笑ましいものがあった。

赤名リカ …… 鈴木保奈美 (スポーツ用品メーカー「ハートスポー
ツ」の事業部勤務)
永尾完治 …… 織田裕二 (ハートスポーツの営業部に勤務)
関口さとみ …… 有森也実 (永尾の高校(愛媛東高校)の同級生。
元麻布幼稚園に勤務。)
三上健一 …… 江口洋介 (永尾の同級生。文京大学医学部の学生)
長崎尚子 …… 千堂あきほ (三上の医大の同級生。)
和賀夏樹 …… 西岡徳馬 (永尾の上司。ハートスポーツの営業部長
。)
渡辺昇 …… 中山秀征 (永尾の同僚。ハートスポーツの営業部員)
北川時子 …… 水島かおり (関口の同僚。西麻布幼稚園の保母。)
秋山緑 …… 五島悦子 (リカの同僚。ハートスポーツの事業部員)
石井景子 …… 伊藤美紀 (永尾の同僚)

スポーツ用品アルペンの責任者 …… 潮哲也

松永博史、有馬敏郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system