東京ラブストーリー
(1991年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本 : 坂元裕二
プロデュース : 大多亮
企画 : 山田良明
プロデュース : 大多亮
演出 : 永山耕三(1・2・5・7・9・11)、本間欧彦(3・4・6・8・
10)
主題歌 : 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」

http://www.bsfuji.tv/top/pub/love_story.html




 

第7話 愛は待たない
--------------------------------------------------------
完治の元にさとみから電話が鳴る。三上がまた尚子と家の前で
抱き合っていたのを見てしまった事を告げ、
どうすれば良いの
か分からず、完治の言うとおりにする
と言い出す。完治は
さとみとバーで遭うと話を聞く。どうすればいいか?という問い
かけに
俺には決められないと語る。何もしてやれないのだと
告げると、さとみは私は甘えてばかりだねと告げ、リカにも
迷惑がかかっている事を告げる。自分でもどうして完治に電話
したのか分からないのだという。どうかしていたとしか良い様が
無いと。
リカは完治を持つ間にコーヒーをいれようとするが不吉なことに
そのカップを落として割ってしまう。
そこに完治が帰宅する。完治はリカに対してさとみと今遭って
来た事を語り、遭うまでの経緯が
留守電にメッセージが入って
いて逢いたい事を言われたからだという。三上が他の女性と
抱き合っているのを見てしまったのだとし、さとみが落ち込んで
いたが自分には何も出来なかったと語る。リカはそれで全部か?
と問うと本当のことを言ってくれて嬉しいというリカ。
許す代
わりに私を愛媛に連れて行って
と告げる。夜汽車に乗って完治
の故郷である愛媛に行こう!と。しかし完治はジョーダンだと
感じていた。

翌朝出勤途中に完治は渡辺に声を掛けられる。
新婚生活はどうなのか?と問われからかわれる完治。しかも
タイミング悪くリカが完治の元を尋ね、いつ田舎に行くのか?
と問われる。渡辺はもしかしてその旅行とは結納でもいるのか?
と問うと、その通りだとしてリカも悪のりする。

さとみの勤める保育園に三上がやってくる。
北川時子がさとみに対して三上がやってきた事を告げ、彼は
まださとみが三上と女性が抱き合っているのを見られたことを
知らないみたいだという。さとみは時子に三上を引き取らせる
よう言って欲しいと頼む。

リカは完治のデスクで何か書き物をしていた。
仕事から戻って来た完治はリカが完治の名前で
休暇届を勝手
に書いている
事を知る。確かに一緒に愛媛に行くと言ったが
休暇届を出してまで行くつもりはない事を語り休暇届を取り上
げると、リカは完治が提出しようとして大事な契約書を取り上
げて逃げる。その紙には私たちの愛がかかっているのだとする
が、こんな紙切れに何が愛なのかとして早く書類を返せと要求
する。リカはそれならば私を好きだという証拠をみせてと
告げると、完治は一体俺にどうして欲しいのかと告げる。
イチイチ私が言わないと行けないのか?と問うと呆れて書類を
階段の上から下に投げ落としてしまう。まるで愛情が墜落して
いく瞬間だと呟く。

会社が終わるとリカは緑からカラオケに誘われる。現在歌いた
い気分じゃないというリカ。一方完治は三上とバーで待ち合わ
せるとアルコール抜きで話そうという。三上はさとみの事か?
と問うと上手い事やっていることを指摘する。完治に対して
何をそんなに怒っているのかと問うと、さとみはお前が他の
女性と抱き合っているのをみたのだと語る。どういうつもり
なのか?と問うと、三上は言い訳を一緒に考えて欲しいと告げ
手持ちの言い訳はすべて使い切ったのだという。
完治はそれを聞いて三上を殴ると店で
大喧嘩に発展する。
たまたまリカと緑は来店しようとしてところで二人のケンカの
仲裁役をする。

二人を完治の家に連れて行くとリカは傷跡を手当てする。
もう今夜はケンカしないでというリカは帰宅しようとする。
そういう事は完治に言ってくれという三上は、コイツは口べた
な分手を出すのが早いのだという。
同棲していた三上はさとみが怒っているのを知って家に帰れず
に居た。完治はいつまでここに居るつもりかと問うと、早く
家に帰れと告げる。
夜中完治はリカに電話するが、リカは一人電話の前で出よう
とはしなかった。しかし根負けして電話に受話器に触れた途端
に電話は切れてしまう。

翌日会社にいる
リカの元にさとみから電話が鳴りランチの時に
逢えないか?
と言われる。
さとみがリカに電話している事を知った保育士の時子は、リカ
に電話して完治を譲ってもらおうとでも言うのか?と問う。さとみ
は二人に悪い事をしていたのかも知れない事を告げ、私は二人
に甘えすぎていた事を告げる。三上と今後どうなるにせよ、
リカには謝っておきたいのだという。

--------------------------------------------------------

再び三上が尚子と抱き合うのを見たさとみは、もう三上を信用
出来ず完治に相談し、ついには別れを決意する。
それを知ったリカはさとみと三上が別れる前に完治の実家であ
る愛媛に行って関係を確かなモノにしたいと考えていく。

さとみも流石に自分のしたことがリカと完治の関係に悪影響を
及ぼしていることを察したのか冒頭では謝罪する姿が有った。
正式に三上に別れを告げた際には、そんな完治を呼ばずに
一人寂しく耐えるところをリカが完治に話して、二人を引き合
わせてしまう。

リカが敵に塩を贈った形だけど、リカの複雑な心境が見てとれ
る。一見すると馬鹿な行動だけど、彼女の中には友達として・
仲間として三人の中に加わりたい思いが強いのだろうし、
何よりも完治の心の中を試している部分があるのかも知れない。
さとみとの問題を解決しない限りは本当の意味で自分のことを
好きになってくれると思っていないのだろうね。

またリカが完治の実家に行きたい思いというのも強く感じる
ところ。転勤が多く、故郷と呼べるようなところを持たない
リカにとってはアイデンティティの問題に触れるところで、
帰る場所、思い出の場所がある三人がとても羨ましく思って
いるのだろう。

三上にしても完治にしても愛媛の実家は何もないところだと
するけど、実際には目に見えなくとも素晴らしいものが存在
しているという主張がビンビン伝わってくるし、完治の誕生日
のロウソクのシーンで、自分が関わった完治との歴史が僅か
一年にも満たないところに寂しさを覚える中で、その歴史の中
に自分の名を刻みたい思いもあるのだろうね。

尚子の存在がなかなか癖が有る。
さとみには付いていてくれる人が居るけど、彼女には誰も
いないと感じて三上もより肩入れして放って置けない気持ちを
喚起しているのかな。

三上が今回さとみに別れを告げられていたけど、そこで
見守っていてと言われて素直に突っ立ったままで居るところ
がちょっぴり滑稽だったかも。

赤名リカ …… 鈴木保奈美 (スポーツ用品メーカー「ハートスポー
ツ」の事業部勤務)
永尾完治 …… 織田裕二 (ハートスポーツの営業部に勤務)
関口さとみ …… 有森也実 (永尾の高校(愛媛東高校)の同級生。
元麻布幼稚園に勤務。)
三上健一 …… 江口洋介 (永尾の同級生。文京大学医学部の学生)
長崎尚子 …… 千堂あきほ (三上の医大の同級生。)
和賀夏樹 …… 西岡徳馬 (永尾の上司。ハートスポーツの営業部長
。)
渡辺昇 …… 中山秀征 (永尾の同僚。ハートスポーツの営業部員)
北川時子 …… 水島かおり (関口の同僚。西麻布幼稚園の保母。)
秋山緑 …… 五島悦子 (リカの同僚。ハートスポーツの事業部員)
石井景子 …… 伊藤美紀 (永尾の同僚)

松永博史、水原浩一、飯村寿美絵、浜口啓二、田辺晃一
金井純、松本有加、秋本照江


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system