東京ラブストーリー
(1991年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本 : 坂元裕二
プロデュース : 大多亮
企画 : 山田良明
プロデュース : 大多亮
演出 : 永山耕三(1・2・5・7・9・11)、本間欧彦(3・4・6・8・
10)
主題歌 : 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」

http://www.bsfuji.tv/top/pub/love_story.html




 

第8話 この恋を信じたい
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リカはその日完治の家に泊まるが眠れずにいた。
さとみが三上と別れた事を受けて完治の気持ちがよりさとみに
向くことが予想されたからだった。
リカは完治の寝顔を静かに見ていた。

翌朝、会社でリカは完治に何で夕べはあんなに強く抱きしめた
のか?と問う。もしかしてさとみの家で何か有ったのかと問う。
リカは聞きづらい事をテレビレポーターの口まねして、完治に
インタビューして見る。完治は自分からは抱きついていないが
さとみから抱きつかれたことに関しては否定しなかった。
そんな中完治の元に高校時代の同級生・松下から電話が鳴る。
東京に出て来ている同級生が今度結婚する事になったので
完治
に二次会の幹事をするよう言ってきた
のだという。
完治はリカにさとみとは何でも無いよと告げると、リカは"知っ
ているよ"と微笑む。

リカは仕事が終わるとと飲みに行く。
緑からは押してばかりでなく、たまには駆け引きの為に嫌いな
振りをして見たらどうか?という。
男性はあまりに安心し過ぎる
と離れて行ってしまうもの
だと。
愛が重いと完治も潰される
と言うとリカもそれは分かっていると言うが・・・

尚子は三月に結婚すると三上に告げる。三上は急なことだなと
するが既に決定していたことなのだという。尚子は約束通り
式の招待状を送るので彼女と一緒に結婚式で花束を持って来て
よと告げると、アイツとはもう別れた事を告げる。振られた割
にはそうは見えないという尚子に対して、振られることに慣れ
ていないので実感が無いし、落ち込むなんて俺には似合わない
だろうという。しかし結婚式では見られるかも知れない事を
告げる。
尚子に振られる俺の姿がと。結婚なんて辞めろという
が、尚子はアナタに関係無いという。俺が振られたのは君の
せいだと言っても関係無いか?と呟く。

さとみは熱心に幼稚園で働いていた。
時子からは振られたときくらいゆっくりしても良いとするが、
寧ろ別れた時の方が不思議とスッキリしているのだという。
彼の事はこの際キッパリ忘れると語る。

完治は帰宅すると、二次会の連絡を名簿順にしていく。
恵比寿駅前のアルジャーノンに8時半からだと。
リカは近くで聞いていたが、名簿にはさとみの名前がある事に
気がつく。完治はさとみには結婚式場で話すから良いとする
が、リカはさとみに電話する。しかし実際には電気予報に電話
してさとみに電話した振りをしていただけだった。完治は
またリカに振り回された事に憤怒する。さとみがとんな思いで
別れたか知っているのかとして、茶化すなというが、リカは
完治がそれを庇おうとしていることに理解を示すと、そういう
所が完治の良いところだと語る。完治に好きだよと告げる。
二次会の案内状をタイプしているとリカも手伝う。

事業部は休日も出勤だった。
完治ら営業は休みで、その日は完治も友人の結婚式・二次会へ
と向かう。和賀はリカに仕事が終わったら飲みに行こうと誘う。
バーで和賀は完治との関係を尋ねる。リカには幸せになって
欲しいという和賀に対して、私は和賀さんに幸せにして欲しか
ったと意地悪を言うリカ。なんかあったら必ず話せよという
和賀。そんな中、海外勤務の件でリカが希望を出して居た事が
有ったが、今度
ハートスポーツはロサンゼルスに支社を出す事
になり、語学に長けて仕事が出来る人を募集していたので
和賀
はリカを推薦した
事を告げる。

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さとみが三上が別れたことで、リカの不安が現実化してくる。
完治のさとみを眺める視線は言動にこそ表さないものの、リカ
は少しずつその脅威にさらされ、不安から完治に対する態度に
もより監視の目を光らせる。そんな中完治は同級生の結婚式が
有りさとみと接近する機会が生まれ、リカは海外転勤の話が
持ち上がってくる。

シラっとする完治に苛立ちを覚える展開だった。
このドラマ、誰が良いのかというよりも誰が悪いのかという
点を目にしてしまい、その原因が何処に有るのかを言及したく
なるのだけど、結局人の心は理屈や論理では表せないという
ところに繋がっていくところなのだろうね。

アメリカの三振法で言えば、完治はツーアウト目のウソを
ついた事になる。
意図的に話さずにさとみと遭ったこと。
事実を話さなかったのは二人きりで遭いたかったという他
ならず、どんな言い訳をしても見苦しい状況に追い込まれた。

不思議にも三上とさとみの両者は別れたことで清々しく過ごして
いるのに対して、付き合っている完治とリカが不幸せそうに
感じてしまうところがまた皮肉だ。

リカが嫌な一面といえば、勝手に他人の心の中や領域に入って
くるところかな。
以前の流れの中で、完治の部屋の留守電を勝手に聞いて
完治がさとみに会いに行ったとする情報を知るシーンが有った
けど、今回もまた実家の両親と楽しそうに会話していた。

まぁ一緒に住んでいるとまでは言っていないし、幾ら田舎
の両親とはいえ、すぐに結婚するとは思わない気がするけど、
それでもやはり今時の価値観ならば他人のパーソナルスペース
に入り込み過ぎているきらいが有って、重たさは感じるのかも。
ただリカ本人が語る様に結婚を迫っている訳じゃないし、
そう重い愛情か?って感じもするけどね。

さとみもまたシラーっと完治にアプローチ。
わざわざ第二ボタンを捨てたりする必要もないと思うし、
私は汚れているなんて完治の前で言えばそれを否定してくれ
るであろう所も計算だろみたいな感じに見えるので、なんと
もずる賢さを感じてしまうところかも。

三上は同級生なのに結婚式には呼ばれなかったんだね。
そして同級生の一人に若かりし頃の阪田マサノブさんが
居る所が驚き。今では黒縁の眼鏡がトレードマークだけどね。
この頃、コメディアンだった為か、妙に軽いノリが有ったり
して盛り上げ役に徹しているところが有った。

赤名リカ …… 鈴木保奈美 (スポーツ用品メーカー「ハートスポー
ツ」の事業部勤務)
永尾完治 …… 織田裕二 (ハートスポーツの営業部に勤務)
関口さとみ …… 有森也実 (永尾の高校(愛媛東高校)の同級生。
元麻布幼稚園に勤務。)
三上健一 …… 江口洋介 (永尾の同級生。文京大学医学部の学生)
長崎尚子 …… 千堂あきほ (三上の医大の同級生。)
和賀夏樹 …… 西岡徳馬 (永尾の上司。ハートスポーツの営業部長。)
渡辺昇 …… 中山秀征 (永尾の同僚。ハートスポーツの営業部員)
北川時子 …… 水島かおり (関口の同僚。西麻布幼稚園の保母。)
秋山緑 …… 五島悦子 (リカの同僚。ハートスポーツの事業部員)
石井景子 …… 伊藤美紀 (永尾の同僚)

保険会社 …… 阪田マサノブ

冨塚規政、依田朋子、前田真之輔、大内美和子、野村信次
山口千恵美、芦沢孝子、浜口啓二


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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