東京ラブストーリー
(1991年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本 : 坂元裕二
プロデュース : 大多亮
企画 : 山田良明
プロデュース : 大多亮
演出 : 永山耕三(1・2・5・7・9・11)、本間欧彦(3・4・6・8・
10)
主題歌 : 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」

http://www.bsfuji.tv/top/pub/love_story.html




 

第10話 約束
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完治はリカに気持ちを説明しようとして、9時にリカを呼び出し
て待ち合わせ場所に行こうとするが、ちょうどその時にさとみ

が現れる。さとみは完治に行かないで欲しいとして抱きついて
来た為に、完治も放っては置けずに、結局リカとの約束をすっ
ぽかしてしまう


さとみは完治に三上の時には、私が我慢して待っていればいつか
必ず戻ってくると思っていたが、ダメに終わったのを受けて、
今度はもう逃したくないのだと告げ、完治をリカの元には行か
せたくなかった事を語る。失いたくはなかったのだと。
完治は
もうさとみ一人だけの問題ではないとして一人で責任を
感じる事は無いと告げる。

翌日、完治とリカは職場の階段ですれ違うが一言も言葉を交わ
さなかった。完治は振り返るとリカが完治の事を見ていた。
その目つきは軽蔑にも思えるしショックを感じているとも見える
ものだった。

完治は三上に呼び出されて話をする。
リカと話し合うと言って居たがどうなったのか?と尋ねられる。
俺もお前のお節介が移ったみたいだという三上。実はまだリカ
に話せていないとし、昨日遭う予定だったが、関口が来た事を
告げ
あんな関口は初めてだったので行けなかったのだと語る。
三上は完治にお前はリカと付き合っていた頃からさとみに対して
安らぎを感じていたのだと告げる。俺がさとみと別れると言った
時には嬉しかったのか?と意地悪な質問をする。完治は三上に
何故リカは俺を選んだのか?と問うと、三上はそれは分からない
が、ケジメだけはきちんと付けろと言われる。それを聞いて
答えを出すのは俺の役目だという。
完治は職場の倉庫に居るリカの元に行くと、謝罪する。俺から
約束したのに・・・と告げ今話しておきたいことが有るという
が、リカは打ち合わせがあるとしてその場から逃げていく。

さとみは時子と話し合う中で、自分のした事に後悔はないと
語る。時子は覚悟は出来ているのか?と問うと、傷付いたら
いつでも私の所に来て良いよと聞かされる。

互いにそれぞれの夜を過ごす。リカはパスポートを眺めていた。

翌日、三上は学校で尚子の姿を見かけ声を掛ける。
尚子に付き合えというが、
今から式の打ち合わせがあるのだと
断る。三上はどういうことだと問うと、式まで一週間なのだ
という。三上は結婚式は取りやめたのではないのか?と問い、
あの晩俺とは遊びで寝たのか?と問う。尚子はそうだと告げ、
いつもアナタがしているようなことだと告げる。三上は自分
に言い聞かせるようにあれは遊びだよなと告げ出て行く。

三上はリカと会うと飲みに行かないか?と誘う。
三上は尚子のことを飲みながら話す。あの子のことが好きなの
か?という問いかけに好きだった事を語る。結婚してしまうの
だとすると、リカは諦めてはダメだとしガンバレと三上に
告げる。逆に三上はそっちの方こそ完治とは話したのか?と問う。
リカは話しかけられたが無視してやったとし、何を言いたいの
か分かるのにそんな事は聞けないという。
私だって頑張った
つもり
だとし、
完治の心にずっとノックし続けたのだと語る。
しかし完治からの返事が無かったのだと。それでも頑張り続け
なければならないのか?と問う。

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完治はさとみからの強引な誘いによって、またしてもリカの事
を傷つけてしまう。しかし心はリカにではなくさとみにある事
を知ってリカには傷つけないようにしてなんとか気持ちを伝え
様とするが、なかなかタイミングが遭わず、リカも完治が
言わんとしている事が分かる為に意図して話を聞こうとは
しなかった。そんな中、突然リカはアメリカ行きをキャンセル
して会社からも居なくなってしまう。

約束の地である完治の実家が舞台となった今回のエピソード。
二人がもっと早くにこの地に来ていたら、また展開も違った
ものになっていたのだろうか?

前にも描いたけど気持ちの問題なのでいくら理屈で分かって
いてもどうしようも無い事であり、リカと完治が無理に関係
をつなぎ止めてもこの先うまくいくはずもない。

ただ完治としては、東京に出てきて初めて出会ったのが
リカであり不安だった時に彼女のペースで上手く東京に馴染ん
で行き、仕事も覚えていったり人間関係を築いていったところ
を考えると邪険に扱えないし、ある意味では友達以上の恩師的
役割があるよなと思わせた。

全体的にリカのペースで主導させ過ぎたけど、心はどうにも
動かせないもどかしさを感じたし、終盤はより深く惚れた方が
恋愛に於いて不利に働いてしまうというところがなんとも
切なく描かれている。

三上と尚子のエピソードはとても興味深い物が有った。
「卒業」をして見たかったとの事だけど、果たして三上は結婚式
場から尚子を連れ出すのか・・・って感じだけど、もう時間が
経ったのでそれも無いのか。

リカが完治の実家に行き自分の名前を柱に彫っていたとする
事実の魅せ方は上手かったね。実家に彼女が来た形跡がまるで
無い中で、その刻印だけは刻まれている。どうやって探しだした
のかは謎だし、現在だとなかなか部外者が学校内には入れない
とする世知辛い世の中だけど、何も無いと強調していた田舎の
情景にはいろんなものが詰まっているなと感じさせた。

赤名リカ …… 鈴木保奈美 (スポーツ用品メーカー「ハートスポー
ツ」の事業部勤務)
永尾完治 …… 織田裕二 (ハートスポーツの営業部に勤務)
関口さとみ …… 有森也実 (永尾の高校(愛媛東高校)の同級生。
元麻布幼稚園に勤務。)
三上健一 …… 江口洋介 (永尾の同級生。文京大学医学部の学生)
長崎尚子 …… 千堂あきほ (三上の医大の同級生。)
和賀夏樹 …… 西岡徳馬 (永尾の上司。ハートスポーツの営業部長
。)
渡辺昇 …… 中山秀征 (永尾の同僚。ハートスポーツの営業部員)
北川時子 …… 水島かおり (関口の同僚。西麻布幼稚園の保母。)
秋山緑 …… 五島悦子 (リカの同僚。ハートスポーツの事業部員)
石井景子 …… 伊藤美紀 (永尾の同僚)

矢田稔、小河麻衣子、野村信次、芦沢孝子、田内和代

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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