東京ラブストーリー
(1991年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本 : 坂元裕二
プロデュース : 大多亮
企画 : 山田良明
プロデュース : 大多亮
演出 : 永山耕三(1・2・5・7・9・11)、本間欧彦(3・4・6・8・
10)
主題歌 : 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」

http://www.bsfuji.tv/top/pub/love_story.html




 

第11話 さよなら
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リカが完治らの前から居なくなった事を受けて、完治はかつて
リカが完治の実家である
愛媛に行きたがっていた事を思いだし
実家へと急行する。
散々探し回るがなかなかリカの姿は見つからずに、雪が降り積
って凍っている校庭でサッカーボールを蹴っていると、そこに
リカが現れる。
リカはここで完治が生まれた街なんだねと告げる。
完治は急に居なくなったのでみんなが心配している事を告げる。

二人は柱に刻んだ名前の元にいく
リカは完治に刻んだ名前の柱が残っていて良かったねと告げる
と、12年前の卒業式に刻んだものだと説明する。まだ完治が
可愛い頃だとすると、完治は皮肉だと取り今は可愛く無くて
ゴメンねと告げる。リカは完治の隣に名を刻んだが、私の名前
も10年以上残るかなと告げる。しかし完治は
今年でこの学校は
廃校になる
ことが決定している事を告げると、私が覚えていれば
良いかと告げ、
一秒でも完治の隣に名前が並んだだけで十分だと
語る。
完治はみんなが心配しているので連絡だけでも入れた方が良い
というが、完治も心配してくれたのか?と問う。どうして心配
したのか・・・別れた女に用でも有ったのか?と問う。答えに
詰まる完治に完治の生まれた街を案内してと告げ、例え赤い糸
は切れたとしても約束は約束だとして、案内させることに。

その頃、さとみが勤める
元麻布幼稚園では卒園式の準備が行わ
れていた。もうすぐ春だねと告げる時子はさとみに対してどう
して完治をリカの元に行かせたのかと問う。
もう戻らないかも
知れない
事を告げると、さとみは気持ちは伝えたので後は完治
が決める事だという。そんなさとみの元に三上がやってくる。

三上はさとみとバッティングセンターにいく。
三上は何か有るといつもここで気晴らしをするんだと語る。
さとみは落ち込んでいると思ったのか?と問うとありがとうと
お礼をいう。三上の方こそこんな所にいても良いのか?と問い
ヤキモチを妬いているかも知れない事を告げる。さとみは私は
経験者なのよと嫌みをいう。しかし三上は尚子は結婚してしまっ
た事を告げ、今頃は新婚旅行で
オーストラリアに行っているの
だと語る。さとみは今頃完治はリカを見つけたかなと告げると
三上は話したくなったらいつでも相談しろよと告げる。
私は三上のせいで一生分の涙を流したのでもう泣くことはない
とし、これからは笑っては話せる事を告げる。

リカと完治は一緒に川辺を歩きながら話をする。
俺たちが子供の時に一番の楽しみだったのは台風だったという。
川が決壊し大人は真っ青になっていたが、子供達は一番のイベ
ントだったと告げる。町中の子供たちと知り合いだった事を
告げると、リカは
転校ばかりの生活だったので羨ましいと語る。
別ればかりで、決して慣れることはないとし、接した時間に
限らず別れは辛いので、一緒に居られる間は精一杯の笑顔で
接しようと思った事を告げる。

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リカは完治の実家へと足を運び、完治との関係に最後の望みを
持つ。色々と完治に彼の育った町を案内してもらう中で、最後
の望みとして、彼に梅津寺駅発午後4時48分の電車に乗って
東京に戻るのでそれまでに気が変われば駅に来て欲しいことを
告げる。

最後までどっちに転ぶか分からないという状況は、日本の恋愛
ドラマにしては珍しいほどに上手く出来ている。
どちらを選んでも何かしら後ろ髪を引かれるような思いがあり、
過去からの憧れを取るのか、それとも東京で築き上げた新たな
出会いの方を取るのか興味深い流れが有った。

リカが最後まで固執していくのかなとも思ったけど、こうなる事
は既に予期していたのだろうし、その証拠に完治と旅行した
時に手紙を出していたという辺りはなかなか複雑な心境を現して
いる。既に別れを決意していて、ウソの時間を言って別れに
するところなど、完治の為を思っての行動なのだろうね。

三上と尚子は「卒業」は出来なかったけど、成田離婚ならぬ、
オーストラリア離婚を見事成立。別れたからと言って
尚子がここまで解放感に満たされるとは思わなかった。
初めてお父様を裏切り、家族を悲しませた尚子だけど、
三上だってまかりなりにも医者を目指している訳だし、そう
悪い縁談ではない気がするけどね。

このドラマの上手いところは、完治の名前を呼ぶ声から伝わっ
て来るリカの心情なり、現状の関係性というのが一瞬で伝わる
ところなのだろう。
三年後に再会した際に、何時もの調子で完治ではなく永尾君と
呼ぶリカの態度が冷めたように感じたり、実際にはその中でくす
ぶり続けている完治への思いだったりが、上手く演出的に表現
されている。

三年後に駒を進めたのはちょっとシナリオとしては大胆で、出来れば
シーズン2へと繋げていって欲しいほどのドラマであり人間関係が
描かれたと思う。
ただ11話構成できっちりと起承転結を付けたがるのが日本人の
性格なんだろうね。

赤名リカ …… 鈴木保奈美 (スポーツ用品メーカー「ハートスポー
ツ」の事業部勤務)
永尾完治 …… 織田裕二 (ハートスポーツの営業部に勤務)
関口さとみ …… 有森也実 (永尾の高校(愛媛東高校)の同級生。
元麻布幼稚園に勤務。)
三上健一 …… 江口洋介 (永尾の同級生。文京大学医学部の学生)
長崎尚子 …… 千堂あきほ (三上の医大の同級生。)
和賀夏樹 …… 西岡徳馬 (永尾の上司。ハートスポーツの営業部長
。)
渡辺昇 …… 中山秀征 (永尾の同僚。ハートスポーツの営業部員)
北川時子 …… 水島かおり (関口の同僚。西麻布幼稚園の保母。)
秋山緑 …… 五島悦子 (リカの同僚。ハートスポーツの事業部員)
石井景子 …… 伊藤美紀 (永尾の同僚)

野村信次、芦沢孝子、西亨大、周防彰

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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