豆腐屋直次郎の裏の顔 プロデュース：福永喜夫、北端泰啓、山口豪 脚本：柏原寛司(1)(5)(6)(9)(10)、峯尾基三(2)(4)、中岡京平(3) 山川昌子(7)、若月ユウ陽(8)、村橋明郎(9) 監督：小原宏裕(1)(2)(4)(5)(8)(9)(10)、村橋明郎(3)、杉村六郎 (6)(7) 選曲：山川繁 技斗：二家本辰巳 テーマソング：「GAMBLER」萩原健一 連続シリーズED:「Angel」萩原健一 http://www.bs11.jp/drama/1580/

第1話 ダーリンは強盗がお上手
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ナオこと花井直次郎は東京都月島の花井豆腐店店主を営む男。
朝から作った豆腐を自転車で売り周り、商店街の仲間や常連客
と挨拶を交わしていく。

そんな中帰宅すると妻の真知子から、今日弥生信用金庫の人から
挨拶に来たいとの連絡が有ったとナオに語る。
信用金庫の男性とは、鈴木の事で、ナオの素性を知る人物だっ
た。ナオは現在でこそ更正して働いているが、かつて強盗を
しており、13年前に名古屋で逮捕され服役して以降更正して
働き家庭を持っていたのである。
しかし彼の信用金庫に盗んだときの金を預けていた。
鈴木を見るとナオはもう更正して婿養子として働いている事を
告げると、もう最近本業には手を出していないのか?と問われる。
加藤(花井直次郎の旧姓)にはまた強盗をして欲しいのだとし、
自分の営業成績が上がらず首になりかかっている事を告げる。
このままだと不正に稼がねばならず、自分が捕まれば架空名義の
口座の存在を知られてナオの身も危ないという。あと一回だけ
で良いので仕事をして欲しいと言われる。相手は悪徳のパチンコ
業者だとするが、泣き落としはダメだとして取り繕うとはしなか
った。それならば不正融資で成績を上げるしかないとし、バレ
ても恨まないでくれと言われ仕方なく話だけでも聞くことになる。

ナオは妻に商店街の会合に行ってくると告げ出かけると、
かつての相棒が居るツネこと、常山和之の働くロック座へと
足を運ぶ。そこでマネージャーの仕事をしていた彼は、アイル
ランド系のストリッパー・マリリンと同棲生活をして堅気で
暮らしていた。ナオが彼の前に現れると、ツネは今の平和な
生活を壊さないでくれと頼む。自分が婿養子に入った千葉の
豆腐屋を追い出されたのはナオのせいだと告げる。するとナオ
はツネに対して、俺の友人も金髪の女性と結婚していたが
三ヶ月で別れたとし、離婚の際に多額を取られた事を告げる。
別れるのも時間の問題なので稼いで置いた方が良いと唆すの
だった。

仕方なくツネは下見のために強盗に入るパチンコ店を視察する。
そしてパチンコ台を叩いて問題を起こし、渡辺という店員に
事務所へと連れて行かれる。事務所の中のセキュリティ情報
や、金庫のある場所をその際に調べるツネ。しかし奥から出て
来た男を見て、ツネは関西のスジ者だと知り、その件をナオに
も報告する。相手は関西のヤクザであり、ソッチ関係には手を
出さないのが信条ではないのか?と問うとナオも辞めようと考え
る。しかし鈴木から、私も首になるとナオの件もバレると脅され
この件は二人では無理だとして、他に一人入れる事を決める。

ナオはオヤジさんの屋台へいくと、そこで工作員になりそうな
人物を紹介してもらう。死んだほら吹きのマサの息子・藤沢卓二
という人物が居るという。しかし相手は関西のヤクザもので
有り、現在東京のヤクザの斑興業と対立関係にあるヤクザなの
で危ない橋は渡らない方が良いのではないか?と言われる。
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ナオは堅気の仕事に精を出すが、かつては強盗として活動し、
一度は服役した事実が存在する。過去を知る人物から、強盗
して欲しいと依頼され、弱みを握られたナオはかつての仲間で
あるツネに声をかけて強盗することになる。

思っていたよりも面白い内容だけど、何故に豆腐屋って感じ
がする。
火曜ミステリー劇場で三度放送された後の連ドラ版なので、
その辺の所で確立された設定はよく分からないけど、とりあえず
商店街の仲間と良い関係を保ちつつ、夜には強盗をしていくと
いう段取りのようだ。

ナオが更正したいのに対して、足を引っ張る鈴木という人物の
存在は、ショーケンが出演した「傷だらけの天使」の辰巳さん
みたいで憎たらしさが有るけど、この二人の関係が何処まで
生々しくも互いに殺意を覚えないほどに良い関係を描いていけ
るのか。

ドラマとしては素性も知らない若者を加えたことで計画が
失敗するという典型的な強盗もののドラマだった。
ただ展開上、その思惑には提示している以上のドラマが含まれて
いて、鈴木の思惑だったり、藤沢卓二が金を求める理由など
一筋縄ではいかない理由が用意されている。
最後はヤクザ同士の抗争に引っかけ、壊滅させてしまうとする
辺りの豪快さが爽快感を生んでいるのも確かなもの。

真知子や麻里たちに自分のしていることを知られないかと
ヒヤヒヤしながら稼業を続けていくってところで、程よい
緊張感の下で面白く見られるようなドラマなのかもしれない。