世にも奇妙な物語
(第1シーズン)

企画:河野雄一、清水賢治
監修:土屋斗紀雄
プロデューサー:塩沢浩二





■■2話

第1話 ロッカー

脚本/橋本以蔵、土屋斗紀雄 演出/瀧川治水
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バイオ生物化学研究所に悟は侵入し情報を盗み出す。
しかしそこには研究員の佐口邦夫が戻ってくると、赤い帽子を
被った泥棒がいる事を知り、人が苦労して研究したものを盗む
なんてとして返せと要求する。一度は捕まったかに思われたが
悟は佐口を灰皿で殴ると男は頭から血を流して倒れる。
警備員がやってきた為に悟はロッカーの中に逃げ込む。警備員
は遺体を発見すると悲鳴をあげて警察を呼びに行く。
ロッカー内で暫く息を潜めて隠れていたが、居なくなると外に
出ようとするが立て付けが悪いのかドアが開かなかった。どんな
に蹴飛ばそうとも開かないロッカー。そんな中刑事や鑑識が
来た為に再びロッカー内で暫く様子を見守る。ロッカーの窓口
からは外の様子が見えていたが、何よりも怖いのは亡くなった
佐口の目が悟の方を見ながらなくなっていること。またロッカー
の写真には、「S63.10.12バイトの洋子と撮影した」と書かれた
佐口の写真があることから彼のロッカーだと判明する。アイツ
のロッカーだったのか・・悟の手にはまだ彼を殺した時の
感触が残っていた。
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世にも奇妙な・・・といえばこのエピソードを思い出す人が
多いのかも。
ロッカーに隠れてやり過ごそうとする悟の緊迫感が、ロッカー
という閉塞感と相まって上手いこと描かれているエピソード。
自分が殺した佐口の遺体が悟のことを凝視しているように見え
たり、そのロッカーが偶然にも廃棄されようとしている佐口の
ロッカーであり、恋人との写真などが入って如何にも怨念が
そこに潜んでいそうなものを感じる。

ロッカーの小窓から外部が見えるという設定がまた上手く生きて
いて、状況を把握出来るものだけど、実際には全ての状況を
見通せている訳ではない。

やがて鉄くず工場に行きプレスされてしまう。
しかしここでもアクセントをつけて誰もが予想しているプレイ機
によって押しつぶされるのだろうかと思わせて、一拍置いて夢オチ
から再び現実にサラされていき結局最後には亡くなったことは、
彼が被っている赤い帽子と共に分かるという手法を採っている。


悟 …… 織田裕二 (企業スパイ)
佐口邦夫 …… 段田安則 (研究員)

刑事 …… 菅田俊
研究員 …… 小形雄二
研究員 …… 斉藤暁

大久保了
荒川修
匠恒明


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)



第2話 闇の精霊たち

脚本/扇澤延男 演出/小川定孝
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駄菓子店を経営している女店主の下には子供たちの良い遊び場
になっていた。今日も5人の子供たちがやってくると、オバ
ちゃんに話をしてと語る。オバちゃんでは無理と感じた子供は
お姉さんと呼び話を聞きたいというと、人が生きていく上で
マジメな話だとして語る。そんな中、三人の地上げのチンピラ
たちが店にやってきてその話を一緒に聞いていた。
昔は自然の中のどんなものものにもどんな場所にも魂を持った
生き物が住んでいたこと。野や山や川、石にも木にも風にも
同様で誰にも見えないが妖精とか精霊とか呼ばれるものがつい
ていたという。昔は精霊と人間は仲良く暮らしていたが、ある
時人間が礼儀を忘れて、精霊の住む場所を我が物顔で荒らした
のだという。精霊はこの世に逃げて闇の世界に逃げたこと。
人間は暗いところが怖くて嫌いで、そうやって人間は光で暗闇
を壊していったこと。精霊がやった見つけた住み処を壊されて
とうとう彼らも怒りだし、罰当たりな人間に復讐しようと決心
した。心優しい精霊だったのを人間が彼らを鬼にしたこと。
昔々、三人の男がいた。一人は優男、一人は体の大きな男、
もう一人は優男の恋人。ある日三人はとんでもないことを
企てる。山奥のお社に祀られている曲玉の首飾りを盗もうとした
こと。田畑の実りをもたらす精霊たちへの村人からの感謝の印。
それを盗んで都で売ろうとしたという。山を下りるウチに鉛色
の雲、氷のように冷たい雲になり、山小屋が有って中には誰も
居なかった。三人はそこで雨風が収まるのを待っていたが、囲炉裏
を囲んでいると薄明かりに娘が妙なものを見つけたこと。畳ま
れた白無垢の花嫁衣装だったという。鬼気として衣装に身を
包むと途端に衣装が締め付けだして衣装は真っ赤に染まったこと。
それを助けようとしたが何者かによって噛みつかれてその途端
に二人ものたうちまわったというが・・・
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駄菓子屋の女主人は地上げ屋によって立ちのきへの嫌がらせを
受ける中、店主は子供たちに共存していた頃の精霊と人間の話
をして、強制的に居場所を奪われた精霊が最後はどうしたのか
を語る。

今の彼女に起きている状況を精霊の話として語り、その後の結末
がどうなったのかを示唆することで、静かなる圧力を感じさせる
もの。

岸田今日子さんの語りが上手いが為に成立している物語。

いかにもバブリーな格好をした岡本夏生さんと、チンピラ役には
小沢仁志さん、そしてコント山口君と竹田君の竹田くんが登場。

精霊の話は良かったけど、地獄の扉の話は少々突飛すぎるところ
が有った。鏡をあのシーンで取ることなどまず考えられないしね。

ヤモリが出てきて家を守ったり、タモリが出てきたりするちょっと
した皮肉として感じるところも有ったし、ビーダマが曲玉のようにして、
お守り代わりになるという辺りもまた物語を踏襲していた感じの
する話でした。


駄菓子屋の女店主 …… 岸田今日子
ヒデ …… 竹田高利 (地上げ屋)
エイジ …… 小沢仁志 (地上げ屋)
ボディコンギャル …… 岡本夏生 (地上げ屋)

伍代参平
萩原靖高
鮎川昌平
中台愛美

広瀬礼織奈
高橋千代美
村野忠正

第3話 マイホーム

脚本/日比野木實 演出/国本雅広
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佐藤夫婦は妊娠した妻・よしみしたのを機に物件を探していた。
築7年・50坪で3500万円という物件が不動産屋の張り紙に掲載
されているのを知り引っ越しすることを決める。
引っ越しのトラックが過ぎ去った頃、隣に住む浅井、向かいに
住む青木、その隣の吉田の三人の主婦が挨拶にやってくる。
挨拶している最中に突然ガラスが割れる音が聞こえた為に部屋に
入ると石でガラスが割られていた。「この家は去年に・・・」
と主婦たちは語り始めるが、それ以上の言及はなかった。
訳あり物件だったのか。夫のケンジは明日から出張。金魚の
エサやりを頼むぞと語る中、この家には何か有ったのかなという
妻。あんなイタズラはよくあることだとして気にするなという。
よしみはそれでも庭に人影が走るのを目にする。夫が確認した゛
妊娠すると神経質になるものだとして大丈夫だと語る。
夫は出張に行く中で電話が鳴るが何か変な音がするだけだった。
酒屋とクリーニング店が引っ越しのために挨拶に訪れる。
そんな中庭では洗濯干しが突然倒れているのを目にする。
しかもその洗濯には誰かが足で踏んだ跡が残っていた。
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訳あり物件にはそれなりの訳があるという感じだけど、
佐藤家にとっては本当に良い迷惑という感じで、町内ぐるみで
嫌がらせを行うという物語だった。
前に住んでいたものが悪徳高利貸しだったということも有り、
その台帳が見つからないが為に、見つかるまでこの家には誰も
住まさないと感じたのか、それとも自分だけお得物件に住ませる
ことへの嫉妬心が有るのか。

足跡が有った時点で警察に知らせるべきだったし、証拠として
保管すべきだったのだろう。
しかし警察官もまた一連の事件に関与しているとなると途端に
こういう犯罪も無罪として成立してしまうのだろうね。

浴槽にヒモノとゴキブリがもの凄い数居たのが印象的。
ドアに挟まれるゴキブリがなんかリアル(笑)
織本順吉さんが若いところも今見ると驚くかも。


佐藤よしみ …… 早見優 (妻)
浜本等 …… 織本順吉 (警察官)
佐藤ケンジ …… 中島久之 (夫)

青木 …… 重田千穂子 (佐藤家近隣)
吉田 …… 水木薫 (佐藤家近隣)
浅井キョウコ …… 橘雪子 (佐藤家近隣)

石黒正男
大河聖治




佐久晋吾



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