世にも奇妙な物語
(第1シーズン)

企画:河野雄一、清水賢治
監修:土屋斗紀雄
プロデューサー:塩沢浩二

■■12話





第1話 お墓参り

脚本/吉村和久 演出/淡野健
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落合太一郎(37歳)はホステスの斉藤エイコと同棲していた。
しかし太一郎のギャンブル癖、女遊びで借金漬け。この日も
アパートには借金取りが訪れる。エイコに対してギャンブル
も辞めてマジメに働くから・・・と語るが。翌日には既に
競馬で遊んでいた。負け続けて人間辞めたいと呟く。
帰り道に常連のラーメン屋にいくと、主人は今日はラーメンと
ビールを奢るので変わりにもう来ないで欲しいという。大ちゃん
に来られると縁起が悪いとし、自分も客商売だから・・と言わ
れる。帰り道に松原という男性が占い師に仕事も上手くいかず
妻子との関係も上手くいかないことを相談していた。しかし
そこに太一郎がやってくると占い師に対して、駄目なヤツはダメ
だとして人生の引導を渡してやれと語る。松原が立ち去る中、
占い師は太一郎に対してアンタ暫く墓参りに言ってないだろう
という。墓があんたを呼んでいるとし、お父さんがあなたを救って
くれるハズだという。ドケチの父がそんなことするわけがない
というが、占い師は「ぶつかるものに気をつけなさい」と語る。

翌日半信半疑で墓参りにいく。
花は隣に供えてあるものを盗んで自分の親の墓に供える。
墓参りを終えた後車道に出ると、なんと高級車にぶつかりそう
になる。太一郎は文句を言うと、車の中から男たちが出てきて
やくざ風の男たちは太一郎を殴る蹴るしていく。ぶつかるものに
気をつけろなんて一体何なんだと。車のナンバーは「品川3、は333」
だった。
公園で寝ているとホームレスで見て居る新聞で今日の第3レースで
3-3は万馬券だったということが書かれていた。
それを知り、墓参りすれば良いことが起きるのだろうと考える。
翌日にも墓参りするとピザ屋の配達のバイクにぶつかりそうになる。
ナンバープレートは666だった。6レースに何か有るのだろうと
考えるが、同棲していた斉藤は出て行くとして荷物を全て持ちさって
しまう。サラ金から借りようとするが焦げ付き債権者リストの中に
太一郎の名前が入っていた。
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いわゆる釣り状態のシナリオだったな。
散々太らせるだけ太らせた後にオチがある。
ラーメン屋にしても、無料にするのでもう来ないでくれと言われ
そして今回のドラマの肝になる不思議な物語に関しても、
散々主人公に金を稼がせた後に、結局は当然の如く逮捕されて
しまうというもの。
まぁ金に無頓着で私生活にだらしない人物に金を稼がせてもこう
なってしまうということの典型。

主人公を演じた萩原流行さんは交通事故で先日亡くなってしまった
ことも有り、この頃の弾けた演技が懐かしい。
斉藤洋介さんはあんまり容姿が変わっていないな。
最後にうだつの上がらない彼が刑事だったということで、墓に供えた
泥棒をきっかけに運命を分けるという流れだけど、今時見ると
ちょっとトリックは安っぽい。


落合太一郎 …… 萩原流行
松原 …… 斉藤洋介
ラーメン屋 …… 渡嘉敷勝男
斉藤エイコ …… 鹿取洋子

飯田テル子
近藤美江子
加藤さやか
山下真広
森岡聡
忍真叶一
倉地雄平
山口年美
蝦名肇
今井ゆかり




第2話 配達されない手紙

脚本/江頭美智留 演出/岩寺秀廣
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女子トイレにいると川崎恵子のウワサをしていた。まだあの
人会社にいるのかとしてひそひそ話が耳に入る。
帰り道に川崎家のヒロシがサッカーボールで遊んでいると、
恵子の買ってきた買い物袋にボールがぶつかる。同じアパート
に住んでいる川崎由紀子にあなたの息子がボールをぶつけたの
に知らん顔するなんてどんな教育をしているのかとクレームを
入れる。金を払えば良いんでしょというと卵パック代金200円
を置いて去っていく。謝罪の一つもなく金だけ払えばいいと
思っていることに憤怒する。
郵便受けから手紙を撮ると室内に戻り夕食を作る。
そんな中、郵便局には別の川崎さん宛の手紙が届いていること
に気がつく。誤配か・・鈴木よしこという人物からだった。
仕方なく本人の部屋に届けに行こうとすると中から、707の川崎
さんはキャリアウーマンか知らないが欲求不満だろうという声
が聞こえた為に、恵子は手紙を返さずに中身を開けることにする。
中身を見ると男性からのもので不倫だと分かる。金曜日の午後8時
にいつもの場所で会おうと書いてあった。恵子はワープロで
手紙を書き換えると木曜日の8時に変更した手紙を改めてポスト
に投函する。翌日木曜日の8時に由紀子の家を訪ねると旦那が出て
来て妻は残業だという。それを知り明らかに間違った待ち合わせ
場所に行っている事を知る。
更に日曜日の朝7時に駅前に来てくださいと書いて投函すると、
恵子はランニングする振りをして見に行く。待ちぼうけしている
彼女を見てほくそ笑むが・・・
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何故キャリアウーマンの恵子が至るところで邪魔扱いされるのか
分からなかった。
ただ一度同じ名字の女性の手紙が恵子の家に間違って届いている
事を知り、その女性に届けようとしたところ、悪口を語っている
姿に憤慨して、仕返ししようとするもの。
恵子としては上手く手紙の内容を使って自分の悪口を語ったもの
に仕返ししコントロールしているつもりだったが、その手紙は
今度は自分にも送られてきたことで、恐怖に震えることになる。
そもそもの鈴木よしこが何者なのか。既に恵子の前には由紀子が
この人物に脅されていることがあるので、その連鎖は至る所に
広がっていたのではないかと思われるが、狙いは結局恵子だけ
になってしまう。今時の携帯文化があまり栄えていない時代の
頃のエピソードって感じだね。
追い出そうとしていたのは三人のマンションの近隣住民だったこと。
そんな三人の元にも鈴木よしこさんの手紙は送られては来ないのか。

昔はワープロ専用機が流行ったよな。パソコンでの印刷ではなく
文章を打つだけのワープロの方が遙かに打ちやすかったのは確か
だけど、今時は全くその姿がなくなってしまった。パソコンにも
ワープロは有ったんだけどね。

川崎恵子 …… 山口果林

伊藤幸子
江上真吾
高橋覚
夏川加奈子
石田純子
三股亜由美
望月太郎
原恭子

第3話 人面草

脚本/江頭美智留 演出/岩寺秀廣
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バスが走る田舎道。一人の少女・小夏が乗っていた。
バスを下りて田舎道を歩いていると何故か奇妙な行列と遭遇
する。キツネの面を被った一団。そんな行列が小夏の周りを
通り抜けていくとあまりの怖さに思わず座り込む。
最後に小夏の前にいた人物から「お沼送り」だという。
小夏は祖父の元に行く。昨日死んだ祖母が出てきてお爺ちゃん
を手伝ってと言われたのだという。2・3日ここに居ても良いで
しょというと祖父も喜ぶ。ここに来ると落ち着くという小夏。
すると小夏はさっき変なものを見たとしてキツネの行列みたい
なものだったという。仮装行列ではないかという祖父に対して
「お沼送り」って何だろうと語る。それを聞いた祖父は皿を
落としてしまう。
祖父は夜中に寝ていると「悪かった・・勘弁してくれ。ワシも
行く」として寝言を語る。
翌朝小夏は花を摘んで祖母のキヨの為に墓参りにいく。
すると先に祖父が来ていた。キヨに対してそっちは楽しいかと
して、ワシにはもう無理そうだという。沼にはいけないという。
そんな祖父に対してどうしたのかと語る小夏は、花を供えに
来たのだという。しかし花を捨ててしまう。花がどうしたのか。
沼送りとは何なのかと尋ねると、この村には沼なんてあるのかと
問う。小夏は林を駆け抜けて沼があるとされる場所へと確認に
いくと祖父が言っていた沼とはこれなのかと呟く。すると祖父
が現れ、お前の来るところじゃないとして、もうかえれと厳しく
追い立てるのだったる
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江頭美智留さんがまだメジャーな脚本家になる前の短編
エピソード。
「三途の川」が物語の下敷きになっていそうだけど、そこを
渡るために準備が必要だということで、求めているものを探そう
として死ぬまでの時の準備にかかっている。
祖母から手伝って欲しいという孫へのメッセージ。何故両親では
なく孫だったのか。
人面魚とか流行している頃のバブリーな時代のエピソード
なのかな。また地方の風習をそれに乗じて描いた感じ。
自分に似ている花を見つけると沼送りの場で沼に送ることが
出来るという。
ある意味ではあの場が生死の境目だったところを見ると、
相当怖いものがある。祖父の時代はまだ戦争の痕跡が残っていた頃
の時代ということも有って、その時の罪を感じている日本人の姿
を見ると、戦争が人々に及ぼした影というのは相当罪作りなもの
が有ったね。昔の日本人は酷いことをしてしまったものだな。
下條正巳さんの姿を久しぶりに見た。

小夏 …… 浜田万葉
祖父 …… 下條正巳

石田純子
三股亜由美
望月太郎
原恭子




佐久晋吾



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