世にも奇妙な物語
シーズン2

企画:河野雄一、清水賢治
監修:土屋斗紀雄
プロデューサー:塩沢浩二

■■#11





▽真夜中

脚本/伴一彦 演出/日留川雄二
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岩淵茂はデパートの警備員として入社する。上司からはいきなり
夜勤だけど頑張ってと言われる。吉田博さんに茂のことは
任せるという。吉田から仕事を教わる茂。夜の場合閉店直後に
客出入り口の施錠の確認、客が残っていないが店内のチェック、
その後赤外線警備装置にスイッチを入れて各フロアの消灯。
巡回は2時間毎で6人で全館を分担して見回るという。茂は吉田
と共に巡回していると、トイレに行きたいことを語る。吉田は
上の階を見回るのでこの階を任せるという。
トイレに行くと突然女の子の声で"一緒に遊ぼう"という声が
聞こえる。トイレを見て回るが誰もいなかった。フロアを見て
回る茂は少女の陰を見た気がするがマネキンだと分かりホッと
する。更に巡回していると今度は本当に白い服を着た女の子
だと分かる。すぐに無線で6階に女の子が居ることを告げ、トイレ
まで追いかけていくと女の子は消えていなくなる。
翌日同僚の警備員に話を聞くと、やはり出たのかという。5年前に
デパートが放火された事件が有ったが、オモチャ売り場が中心に
燃えていてその時何人かの子供が亡くなったのだという。それから
女の子の幽霊が出るというウワサが飛び交うようになったとの
ことだった。
過去の新聞を調べてみる茂は確かにその当時、ゴールデンウィ
ークに放火によって小学生6人の命が失われていた記事が書かれ
ていた。名前も書かれていて、なんとその一人は茂が見た
吉田加代子という少女だった。
今日もおもちゃ売り場を夜勤で見回っていると物音が聞こえる。
恐る恐る音のする方向を探っていくとフィッティングルームの方
で音が聞こえる。カーテンを開けてみると中には鏡があり、自分の
姿が映っていることに驚いてしまう。そんな中、吉田に肩を叩かれ
とビックリする。吉田に写真を見せられると、茂は見たのはこの
子だと言うと、彼女は私の娘だという吉田だった。
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びっくりする程ベタでストレートな心霊的物語。
大抵一癖も二癖もあるのだけど、幽霊が出てきて、その幽霊少女
が警備員の娘。父親はそんな娘に会いたいと願う中、新しくやって
来た警備員の男の前には現れるようになったので、その男性が
逢うところに便乗して逢った結果、自分も死者の世界へと誘われて
しまうというもの。

父親にとって何が幸せなのかは分からないけれど、当時流行した
「トイレの花子さん」みたいな感じで、トイレでやたらと登場する。

まだまだ幼い頃の安達祐実さんが幽霊役を演じていたという以外は
殆どみるところが無い。
遊んで欲しかった娘と娘に罪悪感を抱いていた父親は、そこで
初めて出会えて幸せになれたのだろうか?


岩淵茂 …… 植草克秀 (警備員)
吉田博 …… ポール牧 (父親、商社マンだったが警備員へ)
吉田加代子 …… 安達祐実 (5年前の火災事件で死亡)

中村元則
春風亭柏枝
朝寝坊のらく
斉藤彰
石井匡人
押部麗奈
掛貝梨紗
水岡眞之輔
田島悠介
大泉翼

▽鏡

脚本/伴一彦 演出/猪原達三
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木村祐二と小山京子は町中を歩いてウィンドショッピング。
京子は店内にオルゴールが置いて有りそれが気に入る。
祐二はプレゼントしようとするが、私の誕生日は来週だとして
その時にちゃんと買ってプレゼントして欲しいという。しかし
祐二は別れ話をしようとしていたつもりで、彼には別の彼女が
居たのである。
二人は遊園地に遊びに行く。
鏡の館というアトラクションに入ると、一面が鏡張りで迷路に
なっていた。この女とは居たくないのに・・祐二はそう呟き
ながらも中に入る。京子はどちらが先に出られるのか競争しよう
と言い出すと、祐二は先に出ていく。京子は迷ってしまったと
して祐二に助けを求めるが、彼は一生そこに居ろとして出て行
ってしまうのだった。
祐二は同僚のマユミと関係を持っていた。
ちゃんと別れてきたのかと問われ、あの人承知しなかったんで
しょと言われる。マユミは殺風景な祐二の部屋にオルゴールを
買ってくるが京子が欲しがっていたものだと知り要らないとして
突き返す。
数日後、京子が無断欠勤しているとして会社でも話に上がって
いた。林さんがアパートを尋ねたけど居なかったとし、ここ3日
は無断欠勤が続いているのだという。それを聞いたマユミは祐二
に対してひょっとした殺したのかと問うが、すぐにあなたにそんな
度胸は無いわねと告げる。まさか自殺したとか?
祐二は寝ていると泣いている声が聞こえる。鏡を見るとその中には
なんと京子の姿が見えるのだった。
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鏡の持つ神秘的で古今東西言われてきた鏡にまつわる心霊現象を
織り交ぜて描いたもの。
鏡というと奥に広がる正反対の世界からアナザーワールド的な役割を
果たすことがあり、その鏡一枚を隔てて別の世界があるとされたり
普段は見えないものを映し出すことなど霊的な言い伝えみたいな
物語はよくあること。
普段気がつかないが、町中には鏡が溢れていること。
そしてその鏡を見る度に何処か見られているという感覚が有る男性
が、少しずつ罪悪感を背負い、それを別れようとしていた女性に
対する憎しみへと変換していく。

基本、男がアホなんですけど、女性も何故そんな鏡に閉じ込められて
しまったのか。男性との関係に迷走していたことを知り、そんな鏡
の世界に押し込められてしまったのか。

人を映し出すものは鏡だけでなく水面にも映るということで、
最後は泥沼に写っている女性に引きずり込まれてしまうというもの
だった。
物には命が吹き込まれていて、オルゴールがその象徴のように使われ
ていたところが有り、たたき壊した時に凄い血が飛び散ったことで、
実際にはアイテムを壊したのではなく、錯乱した状態で女性の頭を
殴ったくらいのオチは欲しいところだった。

鳥越マリさん久しぶりに見た。


木村祐二 …… 風見しんご (会社員)
小山京子 …… 鳥越マリ (祐二の恋人)
マユミ …… 相川恵里 (祐二の二股の恋人)

田口主将
朝倉沙友美
寺田千夏


▽ど忘れ

脚本/伴一彦 演出/三輪源一
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岡村家の母・聡子は朝食を作る。女子高生のみどりは慌てて
起きてくる。父・貫太郎がまだ食卓にいることに驚くが、
10時の新幹線で出張だという。みどりは時間が無いというと
母から30分早く起きれば良いという。玄関で見送られる際に
アレを持ったかと問われ、何のことと問う。"ハンカチ"だった。
みどりの元に二人の親友、榊原礼奈と木村麻子がやってくる。
みどりはママがハンカチのことをど忘れして朝からおかしかった
ことを語る。二人は昨日の岸田君とのデートはどうだったのか
と尋ねるが、最悪のデートでケンカしたという。5分間遅刻した
だけで彼が凄く怒ったのだという。
みどりは授業中物忘れで円周率を忘れてしまう。麻子が3.14
だとして教える。
食事の際に礼奈はみどりに、みどりも忘れ物が激しいとしママ
の事ではなくあなたが物忘れが激しいのではないかという。
するとみどりはなんてその事を知っているのかと問うと朝みどり
が話してくれたのでしょと。
みどりは夕食の際に、メニューを忘れていないか確認しながら
食べる。それを見て居た母・聡子は変な子だと語る。
夜勉強をするみどりは9時を過ぎると突然下に下りてきて母親
に対して夕食はまだかとしていつになったら食べさせてくれるの
と責める。母はさっき食べたでしょというがしつこく言うので
本当に食べるのねと確認しご飯を出すと既にお腹が満腹の状態
だった。なんか変だとして食べたのにボケたのかなと語る。
そんな中岸田から電話がなる。彼の方から昨日はごめんと謝罪
してくるが、知らない人からそんな風に言われる覚えはないと
語る。母はそんなみどりに対してボーイフレンドの岸田君から
じゃないのかと語る。
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ど忘れの連鎖が行われる。
自分の名前を忘れてしまうことに対してこの少女がまるで
恐怖心も抱かないところはある意味では幸せな環境過ぎるかな。
しかもこれだけの状態ならば普通は病院に連れて行くのに
平然として過ごしてしまうところに違和感が有りまくり。

この少女は何故ど忘れを起こしたのだろうか。
母親のことをあざけ笑ったからなのか、それともネームプレート
を落としたことがきっかけなのか。
流行病のようにして、クラスの仲間たちにどんどん広がっていく
のかなと思っていたけど、そういう意図が有ったのかどうかも
よく分からず、ネームプレートを落としたことが原因だと思って
見て居たので、円周率が引き金となった感じのオチはイマイチ
意味がよく分からなかった。

自分の事を忘れる恐怖。その恐怖さえも忘れる恐怖ということで、
忘れていることも忘れているという部分は面白かったが、それ以外
は都合良くドラマが作られている感じ。

昔アメリカの映画の中で自分の社会保障番号が書き換えられて
自分が自分だと証明出来るものが何もないということで追い詰め
られていくサンドラ・ブロックの映画なんて有ったけど、それとは
また違って他人の陰謀ではなく病気の問題って感じだからね。


岡村みどり …… 坂上香織 (女子高生)
榊原礼奈 …… 麻生玲奈 (友達)
木村麻子 …… 宮沢美保 (友達)
岡村聡子 …… 田島令子 (母親、物忘れ)

田上ひろし
ドン貫太郎
佐藤晃市




佐久晋吾



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