バースデイ こちら椿産婦人科
(1999年10月期・テレビ東京・水曜20時枠)

脚本:松原敏春(1)(2)(3)(5-10)、田中ひろみ(4)、松本稔(8)
演出:中山史郎(1)(2)(7)(9)(10)、西本淳一(3)(4)(6)(8)、大垣一穂(5)
プロデューサー:橋本かおり、照喜名隆、越智貞夫
音楽:寺嶋民哉
「STAY GOLD」緒川ヒロタカ

http://www.bs11.jp/drama/1580/





第2話 妊娠三カ月…病の父に捧げる涙の花嫁姿
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椿彩は二代目産婦人科院長・万作と結婚して6年目。
息子の豊作が生まれ5年目の誕生日の日に、万作は交通事故に
遭い、意識不明の重体。彩はその頃助産婦の見習いとして働い
ていた。心配した万作もようやく10月に完全復帰し、病院で
働くことになるが、その病院で珍しい
三つ子が生まれる
子供を産んだのは大沢夫妻。夫はなんとか男児が欲しいとして
これまで三人の子を授かるもみんな女の子だった。そして今回
三つ子が生まれるも、三人とも女の子だった。看護師達は例え
子供が男性でも女性でも子供が授かるのは有りがたいことだと
して、下手なこと言うと罰が当たるという。大沢は一人か二人
もらってくれないか?とジョークを飛ばす。

待合室でも大沢夫婦が三つ子を産んだ子は話題になり、地元の
ケーブルテレビでも出産に際して取材が殺到する。
そんな中で不妊治療に訪れている桑山政江に対して、治療に
通っている夫人から、一人もらったらどうか?とジョークを
言われる。子供が出来ず真剣に悩んでいた政江は、ジョークと
受け取れない節があった。
同じ不妊治療仲間の小山田弓子は先日子供を出産していた。
医師の万作からは焦りは禁物だと言われるも、治療して三年も
立つとして、自分はもう38歳である事を告げる。

一方岡崎亮平藤田真由子もこの日産婦人科へと訪れる。
万作から
妊娠10週目でと聞かされ喜ぶ二人。私たちは来週結婚式
を行うと言うと、万作は二人に折り鶴を手渡す。妊婦には必ず
渡しているものだという。出産予定日は、2000年5月25日である
と告げ、妊娠から4ヶ月までの安定期に入るまではくれぐれも
安静にしてと告げる。

そんな中、三つ子を産んだ大沢の元に政江がやってくると、真剣
な顔をして一人子供をくださいと頼む。6人も居るなんて不公平
だという。話を聞くと子供が出来なければ私は離婚させられそう
なのだとし、夫の実家は
気仙沼で海産物問屋を経営していて
長男夫婦としては跡継ぎがどうしても必要だとせがまれている
との事だった。彩はそんな事を要求する両親が酷いと告げる。
彩は万作に対して、一度自分が政江の両親に会うべきかもしれ
ないことを口にするが、万作は立ち入りすぎだと忠告する。
万作はいずれ機会を見て自分が政江の夫・徹と話をしてみると
告げる。

彩は小山田夫婦が経営しているスーパーで買い物に行くと、
店長の耕作弓子は出産して幸せ気分を満喫していた。しかし
彼女の心配は同じ不妊治療の苦しみを味わってきた政江の事
だった。最近スーパーに買い物に来る姿も見かけていないと
告げ、子供を産むときには随分政江に励ましてもらったので、
政江にも是非子供を産んで欲しいと告げる。

帰り道、彩は息子の豊作に対して弟と妹のどちらが欲しいか?
と尋ねると、両方欲しいという息子。今度父さんと話し合って
みると約束する。

そんな中、深夜に急患が来る。
当直していた吉田たちは応対に出る。先日妊娠が発覚した藤田
真由子が流産しかかっていたのである。すぐに恋人の亮平、
そして真由子の母・マサが駆けつける。マサは娘が妊娠している
事を聞かされていなかったために驚かされる。
容体はとりあえず安定するが、万作は絶対安静だとし、しばらく
ここに入院してもらうという。しかし結婚式は31日に行うことを
告げると、万作はいざとなったら式を延期する事を考えて欲しい
と告げる。しかしマサは結婚式だけは延期は出来ないと告げる。

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産婦人科で働く夫婦の元には様々な患者が訪れる。
なかなか妊娠できずノイローゼ気味になる夫人や、折角子供が
出来たのに、結婚式を優先するために流産の恐れがあるとする
子供を堕胎しようとする女性まで居た。そんなものたちに、
椿家はどうするべきかを常識的に指南していく。

そんなに期待していなかったけど、無難な感じのドラマという
感じ。小さな街の産婦人科という事も有り、最新鋭の設備が
整っているというよりも、人と人とのふれあいを通して、命の
大切さを訴えるというドラマの様子。

不妊治療で煮詰まっている夫人の姿とは対象的に生むことが
出来る立場にいる若いカップルが、何故か結婚式に拘り、
そして折角妊娠した子供を堕ろそうとしている姿が有る。

正直、本人たちだけならばまだしも、真由子の母・マサが
堕ろすように勧める辺りがかなりの違和感が有った。

しかしドラマとして興味深く描かれているのは、末期癌によって
死に行く父親は、真由子にとっては実の父親ではないという事。
継父である男性にそこまで何故肩入れするのかという事に於いて
育ててくれた恩義以上に、連れ子だった真由子が居たことに
よって、自分と血のつながりのある子供を作らないようにした
とする辺り、そういう事で強い絆が生まれることもあるんだな
と思わされた。

逆に政江のエピソードとしては、これとは逆のパターンだった
けど、もの凄いことをしているのに事件性にならなかったとこ
ろは良かったと思う。

椿彩 …… 田中美里 (26歳、椿産婦人科)
椿万作 …… 伊原剛志 (36歳、椿産婦人科・院長)
椿豊作 …… 池田仁 (5歳、息子)
平藤光一郎 …… 肥後克広 (36歳、新聞記者)
島田明 …… 林家こぶ平 (35歳、外科医)
花田知子 …… 松原智恵子  (52歳)
青葉セツ …… 佐々木すみ江 (64歳)
菊地静枝 …… 大島蓉子 (看護師長)
坂崎梢 …… 舟木幸
吉田香織 …… 小林恵 (25歳)
桑山政江 …… 山本みどり (不妊治療中)
土屋礼子 …… 吉村涼 (看護師)
立花さゆり …… 中野若葉
小山田弓子 …… 宮地雅子 (妻、不妊治療後出産)
小山田耕作 …… 遠山俊也 (夫、スーパーを経営)
岡崎亮平 …… 伊藤貴明 (真由子の婚約者)
藤田真由子 …… 吉野公佳 (妊婦)
桑山徹 …… 船越英一郎 (政江の夫、博多に出張中)
藤田マサ …… 二木てるみ (真由子の母)

前田昌明、今井あずさ、小林さやか、伊藤雅子、八十川真由野
末木かつえ

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