バースデイ こちら椿産婦人科
(1999年10月期・テレビ東京・水曜20時枠)

脚本:松原敏春(1)(2)(3)(5-10)、田中ひろみ(4)、松本稔(8)
演出:中山史郎(1)(2)(7)(9)(10)、西本淳一(3)(4)(6)(8)、大垣一
穂(5)
プロデューサー:橋本かおり、照喜名隆、越智貞夫
音楽:寺嶋民哉
「STAY GOLD」緒川ヒロタカ

http://www.bs11.jp/drama/1580/





第3話 危険な母5才息子に消えぬ傷
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彩は息子の豊作が人参を残すのを見ると、食べるよう告げる。
しかし夫の万作は無理して食べさせるとより嫌いになってしまう
として、何かのきっかけがあれば食べるようになると告げる。
一緒に食事をしていた平藤は彩ちゃんにも嫌いな食べ物はある
でしょうと告げる。
万作は彩が最近研修で疲れて気が立っているのではないか?と
告げ、頑張りすぎるところがあるので少し手を抜くことを考える
様告げる。そんな中万作の元に、患者の中で出血が多いことを
告げ見に来て欲しいと言われる。

そんな中、病院の待合室では妊婦たちが会話する。
芦川理佐は出産予定日が2000年1月1日である事から、縁起が良く
期待するものが有ったが、万作が診察すると、予定日よりも早く
生まれるかも知れない事を聞く。それを聞くと、理佐はその日に
生まれるから価値があるのであって、なんとか出産をコントロ
ールして欲しいと頼む。しかし万作は予定日はあくまで目安で
有り、大切なことは元気な子を産むことだと告げる。

彩の母・マサは万作に頼まれて昼食を作りに来る。
彩は母が来ている事に驚くが、万作から最近彩が疲れている
事を聞いて家事を手伝って欲しいと連絡を受けたのだという。
母は頼られていることに喜ぶが、彩は余計なことはしないでと
告げ、昼食を作ったら帰ってという。

そんな中、豊作が通う
しらゆき幼稚園から電話が鳴り、豊作が
バラ組の生徒・田辺健太くんをイジメた事を聞かされる。
彩はすぐに事情を聞きにいくと、健太の体中にアザや傷があっ
たので事情を聞いたら豊作くんにやられたのだという。体操着
を脱いだ時に健太の体を見たら体中にあざがあったという。他
の子に話を聞くと、豊作が健太と喧嘩しているのを見ている
との証言を得たとのことだった。ゆり先生は、事を大袈裟には
したくないので、母の方から豊作の事に気を配って欲しいと
言われる。

帰宅すると彩は豊作に事情を聞く。そしてどうして友達をぶった
りするのか?とするが、豊作はそんなことはしていないの一点
張り。彩は息子のことを信じない姿に、豊作は母さんなんて
嫌いだとして、へそを曲げる。すると彩は息子のことを思わず
殴りそうになる。しかし寸前のところで、母・マサによって
止められるのだった。豊作にも言い分があるのだから、頭ごな
しに叱ったりするのは良くないことだと言われる。
彩は、自分は育て方を間違えたかも知れない事を口にし、好き
嫌いも多い子に育ててしまったと落ち込む。しかしマサは、
男の子なのだから喧嘩くらい大した事は無いとし、子育ては自分
の思い通りには行かないものだと慰める。しかし彩は自分の
分身でもあるので絶対に言い聞かせてみせると告げる。それを
止めようとする母に、母は子供を産んだことが無いからそんな
事が言えるのだと思わず口にしてしまう。

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彩は忙しいあまり、少しずつ子供に対して辛く当たっている事
に気がつく。完璧に子育てをやろうとして焦っている中、
息子の幼稚園の子供が虐待されている事が判明する。
なんとかしてそれを辞めさせようとするが・・・

虐待をしている親の姿は、突き詰めていくと彩の極端な形の
未来像であり、近年の虐待の原因が核家族化に有ったり、子育てに
不安を持つ親の心情を反映したものとなっているとの説明通り
の状況が描かれた。

虐待があった場合、素直に通報するっていうのが病院としての
義務ではないのか?という感じがするし、保育園であれ産婦人科
であれ、虐待をみたら無条件に通報すべき義務と責任があるよう
な気がする。

子育てに関して親も初めて行うことだということで時にミスする
ことがあるのだろうし、迷ったり悩んだりするのは当たり前の
こと。
そんな状況の中で彩には教えてくれること、助けてくれる人が
近くにいることのありがたみをかんじるものが有る展開だった。

多くの人が田辺清美の様に、自分一人で悩み、そして自分の
思い描いていた未来像との違いと現実のギャップを感じて
ストレス要因として働いてしまうものがあるのだろう。

またドラマでは、妊娠している母親がおなかの子供に対して
身勝手なエゴによって、出産時期を遅らせようとするために、
食事を取らないとする暴挙に出たりする。常識外れの親が多く
なっているとはいえ、そうまでして子供を産んだ母親がその
子供に対して特別視していき過度に期待するであろう姿は、
将来の田辺家の母親みたいにならないかと心配なものがある。
万作先生がそうやって生まれた子供は不良になるとする脅し文句
が笑えるものがあったな。

子供を妊娠したら食事は子供のためのものであり、母胎はただの
代理でしかないとする辺りも説得力があったし、母親も子育てを
通して一緒に成長するとする主張もうまく伝わってくるものがあっ
た。

椿彩 …… 田中美里 (26歳、椿産婦人科)
椿万作 …… 伊原剛志 (36歳、椿産婦人科・院長)
椿豊作 …… 池田仁 (5歳、息子)
平藤光一郎 …… 肥後克広 (36歳、新聞記者)
島田明 …… 林家こぶ平 (35歳、外科医)
花田知子 …… 松原智恵子  (52歳)
青葉セツ …… 佐々木すみ江 (64歳)
菊地静枝 …… 大島蓉子 (看護師長)
坂崎梢 …… 舟木幸 (看護師)
吉田香織 …… 小林恵 (25歳)
桑山政江 …… 山本みどり (不妊治療中)
土屋礼子 …… 吉村涼 (看護師)
立花さゆり …… 中野若葉 (看護師)
藤田マサ …… 二木てるみ (真由子の母)

前田昌明、今井あずさ、小林さやか、伊藤雅子
末木かつえ

芦川理佐 …… 丸久美子 (妊婦、食事制限して出産をコントロール)
芦川孝一 …… 松田朗 (理佐の夫、心配する)
田辺健一 …… 岡部雄平 (虐待を受ける子供)
田辺清美 …… 川島なお美 (ストレスで虐待する母)
田辺隆一 …… 冨塚規政 (外資系フォレストコーポレーション勤務)

島本ひと之、手塚智香子、八島未来

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