バースデイ こちら椿産婦人科
(1999年10月期・テレビ東京・水曜20時枠)

脚本:松原敏春(1)(2)(3)(5-10)、田中ひろみ(4)、松本稔(8)
演出:中山史郎(1)(2)(7)(9)(10)、西本淳一(3)(4)(6)(8)、大垣一
穂(5)
プロデューサー:橋本かおり、照喜名隆、越智貞夫
音楽:寺嶋民哉
「STAY GOLD」緒川ヒロタカ

http://www.bs11.jp/drama/1580/





第8話 重病の母に宿った小さな命
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夜、突然椿家の外が騒がしいことに気がつく。
万作先生は居るか?として、酔っ払っている男性は不妊治療を
している桑山政江夫・徹だった。徹は万作に対して本当の
事を教えて欲しいとし、妊娠することは叶わないのでしょう?と
いう。不妊治療など無駄なのでしょう?と尋ね、ハッキリ言って
くれれば対処できるのだという。彩は政江に電話すると、万作
と徹が屋台でバッタリ遭遇し、現在家で飲んでいるが、二人とも
酔って寝てしまったので今晩は泊める事を語る。

翌朝、政江は夫のことを迎えに来ると、徹は椿家で朝食(アジの
開き)を食べていた。万作は昨晩、自分が徹を引き留めてしまっ
たとして政江に謝罪する。政江も一緒に食べていって欲しいと
言われみんなで朝食を取る事になる。
話題の中心は豊作になり、豊作が食べこぼしている姿に色々と
明るく振る舞っていた。その姿を見て政江は、ウチに子供が
居ると居ないとではこんなに違うのねとして涙する。

一方椿産婦人科には初診の患者・谷口郁代がやってくる。
その頃万作は弓子が赤ちゃんを連れて来て皮膚病の診察をして
いた。弓子は政江にはまだその兆候がないのか?と問うと、
そうだと語る。

そんな中、
郁代は妊娠6週目だと判明する。
妊娠したことに喜ばれるが、郁代は神妙な面持ちで主人と相談
するという。
予定日は2000年7月25日だと聞かされる。
万作は3日後に必ずもう一度相談して来てくれと語る。

彩は助産師としての修行をする。
セツから教えてもらうも、後三ヶ月もすれば助産師の資格が
取れるという。そうなればこの産婦人科も安泰だとされるが、
彩はセツにはまだまだ必要なので元気でいて欲しいと語る。

そんな中、香織は彩の元にやってくると、今日平藤から言われ
たプロポーズの返信期限の三日目だとし、どうすればいいか?
と彩に尋ねる。逢って断るのではなかったのか?とするが、三日
で断るとすると角が立つとし、色々と考えているフリをするため
にも返事を引き延ばしたいという。その為に彩は彼に有って
その旨を話して欲しいと頼む。

翌日、先日やってきた郁代の夫・宏が万作の元にやってくる。
郁代は幾ら生みたくても産めない体だとし、
先天性の心臓疾患
ファロー四徴症
なのだという。今も色々と治療を受けており、
この病気でも出産する人は居るが、郁代の場合は肺高血圧症
も併発しているので、結婚する際に二人で話し合い子供は諦め
ようと決めたのだという。変わりに自分たちは
輸入雑貨店
"Tickety Boo"を開店し、それを子供として育てていこうと約束
したのだという。妊娠したのは完全に自分のミスだとし、妻も
中絶に同意してくれたという。
宏は中絶を頼むが、万作は病院
の方針でここでは堕胎手術はしない
という。島田病院を紹介する
との事だった。万作は郁代の主治医は誰なのか?と尋ねると、
東都中央病院の上村先生だという。

政江は"Tickety Boo"を見かけて店に入る。
するとシルバーのベビースプーンが置かれていた。
子供が生まれる際には記念として生まれた日や名前などを
彫るという郁代。少し値段は高いが願いを込めて買う事を告げ
る。

一方万作は
東都中央病院上村医師を訪ねていく。
すると現状では郁代の出産は無理だとし、妊娠している状態
を続けるのも危険だと聞かされる。夫婦は心臓が良くなるかも
知れないとして、希望を持つためにパイプカットはしなかった
が、肺高血圧症を患っているのでその可能性も難しいと言われる。

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■不妊治療の辛さ

桑山政江が長年の不妊治療によって完全に精神的に辛そうな
感じ。子供を望むのは分かるけど、あの姿を見たら旦那さんも
相当辛いはずだ。
ただ逃げずに夫の徹が向き合ったところが良かったね。

■妊娠しても産めない人有り

今回の主人公はファロー四徴症という先天性の心臓病を患って
いる谷口郁代が主人公。演じているのが三井ゆりさん。
なんだか久しぶりに見たけど、1999年のドラマか。

母胎を取るのか子供を取るのかという状況だったけど、まだ
妊娠間もない状況なので、諦めは付かないモノかも知れない
けど、出産間際まで共にしていたとする状況に比べれば随分
気持ちの区切りも付けやすい所が有ったのかも知れない。

■店が子供

まだバブリーな名残のある頃のドラマなのだろうか。
銀のスプーンとはいえ、子供用のスプーンで15000円は高い
な。

そんな輸入雑貨店をオープンしている谷口家は、子供が出産
出来ない変わりに、店を子供に見立てて大事に経営していた
様だ。

■万作初めての堕胎手術

自分が関わった妊婦の子供は自分の子供だと思えとする亡き
父親の言葉を信条にしている万作。
何よりも命が優先されるもので、命の保証や自信がない案件
は引き受けないとか、命を奪う好意である堕胎手術に関しても
決して受けない万作だが、今回は彼女に同情したのか、乗りか
かった船なのか、その禁を破るという行動を取った。

■子供を失うモノ、子供を授かるモノ

ついに今回桑山家に待望の子供が授かる。
失った谷口家も出産予定日は2000年7月25日と全く同じ日。
少し両者の間にタイムラグが有ったようにも感じるけど、まぁ
その辺は仕方がない。上手い感じで両者の間で受け継がれたよ
うな形になったね。

ただまぁ安定期に入るまでは油断は禁物かも。

■香織、平藤との関係は後回し

答えを出すことが出来ず、結局返信は先送りした彼女。
やっぱりプロポーズを受けていくことになるんだろうな。

椿彩 …… 田中美里 (26歳、椿産婦人科)
椿万作 …… 伊原剛志 (36歳、椿産婦人科・院長)
椿豊作 …… 池田仁 (5歳、息子、しらゆき幼稚園)
平藤光一郎 …… 肥後克広 (36歳、新聞記者)
島田明 …… 林家こぶ平 (35歳、外科医)
花田知子 …… 松原智恵子  (52歳、彩の母、彩は養子)
青葉セツ …… 佐々木すみ江 (64歳、助産師)
菊地静枝 …… 大島蓉子 (看護師長)
坂崎梢 …… 舟木幸 (看護師)
吉田香織 …… 小林恵 (25歳、万作先生が好き)
桑山政江 …… 山本みどり (不妊治療中)
土屋礼子 …… 吉村涼 (看護師)
立花さゆり …… 中野若葉 (看護師)
藤田マサ …… 二木てるみ (真由子の母)
小山田弓子 …… 宮地雅子 (八百屋、1話で出産、不妊治療)
小山田耕作 …… 遠山俊也 (八百屋)

谷口郁代 …… 三井ゆり (ファロー四徴症(しちょうしょう))
谷口宏 …… 池田政典 (夫、輸入雑貨"Tickety Boo"経営)
桑本徹 …… 船越英一郎 (政江の夫)

伊藤正博、島本ひと之、今井あずさ、松熊明子、伊藤雅子
咲野俊介、岡本明子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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