バースデイ こちら椿産婦人科
(1999年10月期・テレビ東京・水曜20時枠)

脚本:松原敏春(1)(2)(3)(5-10)、田中ひろみ(4)、松本稔(8)
演出:中山史郎(1)(2)(7)(9)(10)、西本淳一(3)(4)(6)(8)、大垣一
穂(5)
プロデューサー:橋本かおり、照喜名隆、越智貞夫
音楽:寺嶋民哉
「STAY GOLD」緒川ヒロタカ

http://www.bs11.jp/drama/1580/





第10話 届かぬ母の願い…生まれてすぐ消えた小さな命
--------------------------------------------------------
彩の誕生日まで4日。
彼女は12月15日で27歳になろうとしていた。
町中豊作と一緒にケーキを見ていると、そこで妊婦の諸岡由紀
から声を掛けられる。椿産婦人科に通院している妊婦さんで、
既に臨月を迎えていた。予定日は昨日だが、まだ陣痛はなく、
彼女は彩と同じ年で初産だった。
豊作に対して由紀は、大きくなったら何になりたいのか?と
尋ね、両親の後を継いで産婦人科になるのか?と問う。
ウチの夫・和之は男の子を望んでいて、Jリーガーにするのだと
言っているという。しかし私は女児を産んで、バレエをやらせ
たいという。自分もバレエをしていたが中学二年生の時に膝を
壊してドクターストップがかかったという。女の子ならばその
夢を叶えて欲しいと告げる。由紀の夫は明日から札幌に三日間
出張する事を聞く。
彩は帰宅すると、妊婦の由紀はいつ陣痛が起きてもおかしくない
状態である事や、夫が家に居ない事も有るので、病院の方に
入院させないか?と万作に相談すると、彼もそれを了承するる

この日彩はカレーライスを作る。
平藤が遊びに来て夕食を食べていくが、豊作がニンジンを食べ
られるようになっている事を褒める。
平藤は来年から浜松支局
に転属
になることを彩や万作に告げる。ちょうど良い気分転換
になる事を告げ、香織に振られた今、しばらく東京から離れたい
と語る。

次の日、由紀は入院することになる。
出張前に夫の和之は病院に立ち寄ると、主治医の万作に対して
陣痛が起こったら携帯電話の方に一報くれないか?と頼む。
例え離れているが、無事生まれる事を祈っていると。

彩は昼休みに香織を屋上に呼び出すと、平藤が浜松に転勤する
事を話す。もしかすると転勤が決まっていたのでプロポーズ
したのではないか?という。彼はこれからの自分の人生の生き方
について模索してくると言っていたという。彩は毎日のように
来ていたので彼が居なくなると寂しくなると語る。

由紀が入院しにきた事を知ってセツは挨拶に来る。
あなたたちには可愛い子が生まれてくるとセツは語るが、セツ
は腰痛が痛み出した為に、彩たちは出産までは時間があるので
休んでいてという。

一報豊作は彩に対して、僕が産婦人科医になって欲しいか?と
尋ねる。彩は医者になるためには沢山勉強しなければならない
事を告げる。会話を聞いていた彩の母・知子は、三代目医院長
の誕生だと喜ぶ。

香織は平藤の件で複雑な心境になる中、由紀の陣痛が始まる。
万作を頼まれていたように夫に電話を入れる。セツにも連絡が
入るが腰痛で動けそうにはなかった。そこで彩の元に連絡が
入り、ピンチヒッターとして彩が取り上げろと万作は告げる。
セツも見守る中、陣痛は有るがなかなか赤ちゃんが出てこない。
セツは彩に対して全てのことは教えているので大丈夫だと告げ
る。
そしていよいよ出産が始まり、彩が取り上げ赤ちゃんの肺機能
を確かめるために泣かせようとするが、一瞬鳴き声を上げたか
と思えば、すぐに鳴り止んでしまい、みるみるウチに体が黒く
なってしまう。
PM21:35、肺低形成で赤ちゃんは死亡してしまう
のだった。

入院している由紀や出張中の夫にも亡くなった事を報告する。
由紀はベッドに来た彩に対して、生まれた子の性別はどっち
だったのかと尋ねると、女の子だったと告げる。由紀は悲しみ
つつ、一応生まれたのだから名前を付けるとして、バレエの
舞台に立って欲しかったので、舞子と名付けるという。出産
届と同時に死亡届も出さなければならないので、名前を付ける
のだと語る。

彩は初めて担当した出産が死産だった事でショックを受ける。
万作は3000件に1件は肺低形成だと告げ、救う手立ては無かった
と告げる。責任を感じている彩に対して思い上がるのはよせ
と告げ、俺たちに出来る事はなかったのだと告げる。我々に
出来る事は赤ちゃんの誕生を手助けすることで、時に助産師
ならばこういう状況に出くわすのだと告げる。

--------------------------------------------------------

■二組の出産ケース

今回は死産に終わってしまう諸岡家と、父親が東京に出稼ぎに
出て以降連絡の付かない父親を持つ内山家の出産事情が描かれた。

赤ちゃんにしても、父親にしても生きていてくれれば良いとする
一番の基本的なことを描いた感じだね。

■彩の助産師デビュー

誕生日にして出産を一人で担当する事になる彩。
順調に思えた出産だけど、現実には死産という形で最初に担当
した赤ちゃんの出産は苦い思い出に変わってしまった。

■平藤と香織の関係

一応可能性を持たせる形で繋げた格好だった。
続編が出来ればこの辺の流れをフォローするものが有ったの
だろうな。

■産婦人科と死

当然ながら誕生の喜びとは逆に亡くなって生まれてくる命も
存在する。初回から彩に辛い経験をさせてしまった感じだけど
今まで彩の変わりに誰かがこの気持ちを味わってきた訳だから
ね。

万作先生の言うとおり、医者が何でも出来ると思うのは思いや
がりも良いところで、出来ることは限られていること。

■彩vs由紀

落ち込んでいる由紀に対して、彩も自分の流産し、子宮を半分
切除した時の経験を語る。
そして二人でどちらが先に妊娠・出産するか競争しようと元気
告げる。

■2001年4月

豊作は入学式(戸山西小学校)へ。
この時、既に由紀は出産した状態。
彩も入学式に一緒について行く際には妊娠している姿が有った。

椿彩 …… 田中美里 (26歳、椿産婦人科)
椿万作 …… 伊原剛志 (36歳、椿産婦人科・院長)
椿豊作 …… 池田仁 (5歳、息子、しらゆき幼稚園)
平藤光一郎 …… 肥後克広 (36歳、新聞記者)
島田明 …… 林家こぶ平 (35歳、外科医)
花田知子 …… 松原智恵子  (52歳、彩の母、彩は養子)
青葉セツ …… 佐々木すみ江 (64歳、助産師)
菊地静枝 …… 大島蓉子 (看護師長)
坂崎梢 …… 舟木幸 (看護師)
吉田香織 …… 小林恵 (25歳、万作先生が好き)
桑山政江 …… 山本みどり (不妊治療中)
土屋礼子 …… 吉村涼 (看護師)
立花さゆり …… 中野若葉 (看護師)

諸岡由紀 …… 若林しほ (妊婦、肺低形成で死産)
内山志乃 …… 山下容莉枝 (青森から出てきた妊婦)
内山等 …… 中西良太 (出稼ぎの為東京へ、ギャンブルで借金)
諸岡和之 …… 松永博史 (由紀の夫、札幌に出張)
屋台"島ちゃんのおやじ" …… 島本ひと之 (おでん屋)
内山アヤ子 …… 山田さくや (娘)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system