ケイゾク
(1999年1月期・TBS金22時枠)

脚本 - 西荻弓絵、清水東(第8話のみ、共同脚本)
プロデュース - 植田博樹
演出 - 堤幸彦、金子文紀、今井夏木、伊佐野英樹
企画協力 - 蒔田光治
音楽 - 見岳章

http://www.tbs.co.jp/drama_archive/keizoku/index-j.html


第4話 泊まると必ず死ぬ部屋
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昭和21年、旅館『葉隠月』は一人で泊まる客は必ず殺される
とされる言い伝えの客間が存在した。今日も一人の客がやって
くるが、噂を信じる事なくその部屋に泊まる。仲居は入り口
で見張っておくとしながらも、中にいた客は毒によって亡くな
る。これで四人目の犠牲者だった。

捜査一課2係では、古い捜査資料を廃棄処分する中、そこに
客がやってくる。自らを旅館"葉隠月"の仲居をしている成合
佐代子だと名乗り、事の経緯を説明する。旅館には代々伝わる
言い伝えがあり、東側の離れにある部屋に一人で泊まると
必ず亡くなる部屋があるという。現在は封鎖されているが、
今度旅館を改築することになり、その際その部屋を取り壊す
事になったという。しかし身内の物が言い伝えに対して実験
したいと言いだした為、誰か警察の人に一緒に泊まってくれない
かと頼みに来たのである。それを聞くとみんな顔を伏せてしまう
が、純だけは立候補する。

翌日真山は有休を取って休むが、純は部屋まで呼びに行く。
現場に行くと、色々と説明を受ける。
離れの部屋を担当する仲居は特別にいて、その仲居が20年前
に亡くなったので現在佐代子が引き継いでいるとの事。
そんな中、この旅館の主の娘である岩井朋美がやってくる。
警察に事情を話したとすると、佐代子に対して出過ぎたマネは
するなと一喝する。

旅館にいた純に彩から電話が鳴り、合コンが有るから来ないか
という。しかし現在目白に有る旅館に来ている事を話すと、
彩も現場にやってきて捜査に加わる事に。

食事の際に、旅館の関係者を紹介される。
叔父の岩井信宏、その妻の春江。そしてその息子の信一郎。
佐代子は父の愛人だという朋美。そして佐代子の息子でボーイ
をしている孝はフリーターをしていたので朋美が雇い入れた
という。

食事にはタンシチューが出るが、料理の中にボタンが入っており
朋美はボーイの孝を激しく叱りつけ、近くにあった花瓶の水を
彼に浴びせる。

いざ封印された部屋を観に行く。ここには朋美が泊まるとする
という。危険だと言うことで止める中、一人で泊まる人をくじ
引きで決めようと言い始める。孝はそれならばトランプで
決めたらどうかとして、最も大きな数字が出た人が一人で
泊まる事になる。いざそれを引くと、朋美がエースを引き当て
結局彼女が一人で泊まることになる。純たちは30分置きに声を
かけるので返事して欲しいと告げ、もしも返事がなければ
部屋の中を確かめに行くと告げる。
警察や岩井たちはただ待っているのも何なので麻雀しようと
いう事になる。

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一人で泊まると必ず殺されるという言い伝えのある部屋の謎に
純らが挑む。取り壊しを前にして、その言い伝えを確かめようと
する旅館のものたち。それを注意深く見守っていると、やはり
泊まった女性が亡くなって発見される。しかし亡くなったのは
部屋ではなく、旅館から離れた竹林の中だった。

完全な密室状態の中、一体誰が殺害したのか?

畳の上に付着する血は誰のものだったのだろうか。

畳の下から竹藪に繋がって居るであろう事はすぐに分かった
けれど、殺害された当時確かに誰も部屋からは出て行かなかった
訳で、なかなかその後の展開は想像し辛いもの。
朋美が部屋から消えたと分かった後に、みんなで朋美を探す間
に犯人は忙しなく動き回り、畳の下の釘を打ち付け、更には
朋美と落ち合う場所に行き、殺害したという段取りのようだ。

このアリバイトリックは2話で水谷雄一を殺害した時にも
似たような感じで描かれた。

みんなで麻雀をした際に、純がとんでもない大技をするであろう
事は明らかだったなと。

展開として、刑事が朋美と一緒に部屋に居る事になったら
成立しなかった事件でもあるし、犯人を確認するためにトランプ
をした際に、わざわざ隠し持っているハートの4を手にしている
というのも違和感がある気がする。

また仲居だけしか知らない様なあの部屋の隠し財産の件を
純が知っていた点は何故だったのか。まぁ今までにも4人の人
が宝目当てで泊まっていたというし、全く外部に漏れていない
話ではないのだろうけど、突然財宝の話が出てきたので驚いた。

香水の有無だったり、現場に落ちていたタバコの件だったり、
トリック」でも使われたような部屋と祠の繋がりを、林田誠一
を絡めたエピソードの中で解いていく辺りは面白く出来た点
だった。


柴田純 …… 中谷美紀 (24歳・警部補。東大卒のキャリア組)
真山徹 …… 渡部篤郎 (32歳・警部補。捜査一課弐係・主任)
野々村光太郎 …… 竜雷太 (59歳・警部。捜査一課弐係係長)
近藤昭男 …… 徳井優 (39歳・巡査。捜査一課弐係・機械好き)
谷口剛 …… 長江英和 (40歳・巡査部長。捜査一課弐係・長身)

木戸彩 …… 鈴木紗理奈 (22歳・捜査一課一係の庶務)
壺坂邦夫 …… 泉谷しげる (60歳・警部補。"タンツボ")
林田誠一 …… 矢島健一 (40歳・早乙女管理官の腰巾着)
長尾昇 …… 有福正志 (46歳・早乙女管理官の部下)
早乙女仁 …… 野口五郎 (42歳・キャリア組の管理官)

斑目重友 …… 村井克行 (公安時代の真山の部下)
朝倉裕人 …… 高木将大 (22歳・真山の妹を輪姦)
大沢麻衣子 …… 西尾まり (25歳・世田谷区役所勤務)
真山沙織 …… 多田亜沙美 (17歳・真山の妹)
KEE …… KEE (24歳・本名:蒲田貴一・記者)
今井夏紀 - 峯村リエ、今井夏木

成合孝 …… 川岡大次郎 (『葉隠月』の従業員)
成合佐代子 …… 銀粉蝶 (『葉隠月』の仲居)
岩井朋美 …… 池田昌子 (『葉隠月』主人の娘)
岩井信宏 …… 津村鷹志 (朋美の叔父)
岩井春江 …… 大島蓉子 (信宏の妻)
岩井信一郎 …… 榊原利彦 (岩井夫妻の息子で俳優)

団時朗、犬山犬子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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