ケイゾク
(1999年1月期・TBS金22時枠)

脚本 - 西荻弓絵、清水東(第8話のみ、共同脚本)
プロデュース - 植田博樹
演出 - 堤幸彦、金子文紀、今井夏木、伊佐野英樹
企画協力 - 蒔田光治
音楽 - 見岳章

http://www.tbs.co.jp/drama_archive/keizoku/index-j.html


第6話 史上最悪の爆弾魔
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警察署で本を読みながら入ってきた純は、男とぶつかる。
昔の捜査資料を持ってやってくるのは、警部補・壺坂邦夫。
通称タンツボと言われる刑事だった。

壺坂は二係へとやってくると、たるんでいる刑事たちにカツを
入れる。純も二係にやってくると、先程ぶつかった際に落とし
たとされる鉄の破片を彼に渡す。
壺坂は野々村の一年先輩刑事だという。退職前の一ヶ月は、
有休を取れることになっており、壺坂は現在有休中の身で有っ
た。壺坂が来たのは、15年前に起きた町田東中学に送られて
きた小包爆弾の事件について。当時犠牲者が一人出た事件であ
る。被疑者不詳で送付する間際の事件で、あと一週間で時効を
迎えるというもの。壺坂はそれと同時に自分も定年だという。
事件解決のために手を貸して欲しいと頼む。
壺坂は真山に声を掛け捜査資料のコピーを置いていく。明日は
10時に現場に来てくれと告げるが、真山は行かないとして突っ
ぱねる。まだ俺のことを恨んでいるのか?という壺坂に対して、
刑事として幸せに生きてきたお前に何が分かると告げ、彼の要求
を一切聞かない素振りを見せる。

純はそのやりとりを聞いていて真山に何が有ったのか?と尋ねる。
かつて同期があいつに騙されて殺されかけたという。そして
彼はそれを利用して犯人を逮捕するような奴だと告げる。
真山は15年間何の手がかりもない事件だとして、解決は無理だと
示唆する。

その頃、大沢麻衣子は恋人・朝倉裕人に届いたメールを見て
しまい彼に問い詰める。何故柴田純の事を調べているのか?と。

昭和59年2月28日、校内暴力が盛んだった時代に、熱血教師の
森田功作(31歳)という教師の元に、卒業生である白砂竜太(16歳)
から学校の彼宛に小包が届いたという。教員は受け取れない
として、当時用務員の仕事をしていた赤羽さくら(24歳)に小包
を渡す。中にはステーキ肉が入っていた。さくらは、恋人の
富川桂一(26歳)を自宅に呼び一緒にステーキ肉を食べようと
した所、さくらが買い物に行く間に小包を開けた彼は、中の
爆弾によって亡くなったというものだった。

翌日10時にそんな爆発のあった現場に純は一人先回りする。
そこに壺坂がやってくると彼が再び忘れていった鉄の破片を
手渡す。
純は当時の学校の事を調べてみると、白砂竜太の彼女である
友野淳子が自殺している事が分かる。

白砂には当時アリバイが有り、爆弾の入手経路も分かっていな
いという。爆弾は容易に作れるものではなく、化学の先生な
らば作れるかも知れないが、中学の化学の教師は赴任したばかり
の先生だったという。
しかし森田では無い別人が死んだにもかかわらず、何故次の
犯行が無かったのか。

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定年間近の刑事・壺坂邦夫は、最後にどうしても解決したい
として時効間近の事件の解決に動き出す。
壺坂がそんな拘りを見せるのには一体どんな事情が隠されて
いるのか。

今回は真山と壺坂の関係が描かれたり、壺坂自身に起こった
事件を通して、警察官としての苦悩を描いた話だった。

純の最初の着眼点はステーキ肉を小包から出さずに冷蔵庫に
入れたものだったが、森田を狙った犯行にもかかわらず、
違う人物が爆死した後に犯人が次なるアクションを見せなかった
とする辺りは、十分疑うに値するものがあった。

事件の真相が分かりつつも物証がない為に、どうやって犯人の
事を証明すべきなのか。
真山がイライラ感を募らせて我を失う辺りの展開は、彼自身
にも何らかの気持ちの感情を移入するだけの原因が有るわけで
その辺はとても興味深い。彼が個人的に追っている事件と
何らかの関連があるのか。

また「相棒」などでよく見られる手法だけど、上手く犯人自身に
犯行を犯した事を自供させるために誘導する流れは、決して
悪いものではなかった。

毎回刑事扱いされない純だけど、壺坂は認めてくれた様だね。
ただ彼が言っているように4、5人逢って犯人が分かれば何の
苦労もないというように、今回の事件をあっさりと解いてしまう
純の存在は、壺坂の15年をあざ笑うかのような感じだな。
まぁ辛うじて壺坂自身も半年前に産婦人科を訪れて、犯人が
分かっていた様な口ぶりだったけどね。


柴田純 …… 中谷美紀 (24歳・警部補。東大卒のキャリア組)
真山徹 …… 渡部篤郎 (32歳・警部補。捜査一課弐係・主任)
野々村光太郎 …… 竜雷太 (59歳・警部。捜査一課弐係係長)
近藤昭男 …… 徳井優 (39歳・巡査。捜査一課弐係・機械好き)
谷口剛 …… 長江英和 (40歳・巡査部長。捜査一課弐係・長身)

木戸彩 …… 鈴木紗理奈 (22歳・捜査一課一係の庶務)
壺坂邦夫 …… 泉谷しげる (60歳・警部補。"タンツボ")
林田誠一 …… 矢島健一 (40歳・早乙女管理官の腰巾着)
長尾昇 …… 有福正志 (46歳・早乙女管理官の部下)
早乙女仁 …… 野口五郎 (42歳・キャリア組の管理官)

斑目重友 …… 村井克行 (公安時代の真山の部下)
朝倉裕人 …… 高木将大 (22歳・真山の妹を輪姦)
大沢麻衣子 …… 西尾まり (25歳・世田谷区役所勤務)
真山沙織 …… 多田亜沙美 (17歳・真山の妹)
KEE …… KEE (24歳・本名:蒲田貴一・記者)
今井夏紀 - 峯村リエ、今井夏木

赤羽さくら …… 宮崎淑子 (用務員)
河合秀樹 …… 日野陽仁 (化学の教師、生徒に虐められていた)
森田功作 …… 平尾良樹 (熱血教師)
白砂竜太 …… 佐藤裕 (当時16歳、ステーキハウスで働く)
富川桂一 …… 秋吉信人 (さくらの交際相手、司法試験)
唐沢健一 …… 内藤典彦 (町田東中学校教諭)

重田尚彦、河村彩、村田洋子、相田美和、我孫子千香


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