ケイゾク
(1999年1月期・TBS金22時枠)

脚本 - 西荻弓絵、清水東(第8話のみ、共同脚本)
プロデュース - 植田博樹
演出 - 堤幸彦、金子文紀、今井夏木、伊佐野英樹
企画協力 - 蒔田光治
音楽 - 見岳章

http://www.tbs.co.jp/drama_archive/keizoku/index-j.html


第8話 さらば!愛しき殺人鬼
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純は今日も出社してくるのが遅かった。心配する2係の野々村
だが、純の机の上に辞表届けが置かれているのを見つける。
その中には刑事としてやっていく自信が無くなったというもの。
草葉の陰が活躍を見守るとしていた事から、遺書じゃ有るまい
しと最初は馬鹿にしていたが、もしかすると自殺するのではな
いかとして彩は心配して電話をする。純は先日、菜穂子を目の
前で自殺されたのを見て相当なショックを受けていたのである。

純はその時、友人の大沢麻衣子の家にいた。真夜中に来るなんて
ビックリしたという麻衣子は、純のために仕事を休んで付き添
っていてくれる。

その頃、2係ではキャリアが辞表を出すなんて不味くないか?
と話が出始め、責任問題になるのではないかとされる。それを
聞いた野々村は焦り出す。

麻衣子は今日、インターネット・フォーラムのオフ会が有る
ことを告げる。月一でオフ会には参加しているという麻衣子。
掲示板では恋の悩みなどを話し合っているが、悩んでいる
振りをしている人も多いのだという。掲示板にはハラショー
トカゲ男、ピエロと言ったハンドルネームを使った人が
書き込みしているのだという。
合コンみたいなものだから一緒に行こうと純を誘う。
そんな中、彩が麻衣子の家にやってくる。彩は純を見ると
何を根拠に自信などという言葉が出てくるのかと叱責。
彩は二人がインターネット掲示板を見ていてオフ会について
話し合っているのを知り、自分も行きたいと告げる。
二人は純の服を購入し、着飾ってオフ会会場へと足を運ぶ。

そこにはメガネをかけた如何にもインターネット好きの男性
たちが集まっていた。純は何をしていれば良いのか分からない
とするが、麻衣子はニコニコしていれば良いという。
そんな中、掲示板の書き込みにピエロからハラショーに対して
プレゼントを贈ったという。一体何なのか楽しみだという彼。
純はハラショーに誘われ、初めてアルコールを口にすると、
一杯口にしただけで泥酔し記憶を失ってしまう。

純が目覚めるとそこはラブホテルのベッドの中だった。
もうお嫁に行けないと嘆くが、自らは服を着ていることに気が
つく。手にベッタリと血が付着しているのを知ると布団を
一気に剥がす。するとハラショーが頭部を鈍器で殴られ亡くな
っていた。純はすぐに犯人の形跡がないか部屋中を調べるが
窓にもドアにも鍵がかかっており完全な密室状態。犯人は私
なのか?
すぐに麻衣子に電話し、ハラショーが死んでいることを伝える。
自首するという純に対して、麻衣子はまずは部屋から出る事
が先決だという。しかし窓から外を覗くと、料理店の料理人が
ずっとホテルの窓を覗いていた。麻衣子にG7というラブホテル
に居ることを告げるとすぐに来てくれ、外にいた料理人の目を
反らす隙に純を外へと逃がす。しかし逃げる際に純は警察手帳
を落としてしまう。

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傷心する純のことを気遣い、親友の麻衣子は男性と触れあうた
めにオフ会に誘う。飲み慣れない酒を飲んだ純は、意識が
遠ざかり、気がつくとホテルのベッドの中にいた。しかも
隣にはオフ会に出席していた男性の死体が転がっていた。

事件の当事者として、純が殺人事件に関わっている事を知った
早乙女は、警察内部の不祥事を疑い、SWEEPと呼ばれる組織を
招集し、純の事を追う。

純が逃げ回っている事に対して、何をしようとしているのか
イマイチ的を射ず、気がつくと一連の謎が解けてしまうという
不可思議な展開が用意された。

インターネットの匿名性を使った事件と言うことで興味深い
ものも多かったが、IPが記録されている現状を考えれば、すぐに
誰が誰なのか分かる様なもの。ただ敢えてそれを行わずに、
ハンドルネームと現実の人物がどの人物に該当するのか、その
辺の人物捜しは興味深い物があったのか知れない。
もう少し興味深いものにするためにも、ネットワークの人たち
の人物像に迫る必要は有ったけどね。

掲示板に登場してくるのはピエロ、ハラショー、トカゲ男、
カメオ。カメオのバッヂらしきものを純にプレゼントしていた
ので、麻衣子がこれに該当するのかなと思わせつつ、実際には
ピエロが彼女だった。ただインターネットという事情を考慮
すれば自作自演が可能なので、誰もがピエロでハラショーで
トカゲ男を装える。それを考えるとやや脇の甘いシナリオなの
かなという気がする。

部屋の入り口のスイッチを迷いなく点ける事が出来るという
事を持って、被害者との関連性を疑う辺りは、この手のドラマ
にはよくあるパターン。

何故純の事をハメようとしていたのか、この辺は朝倉との
関連性が関わってくることなのかな。

前回目の前で人の死を目の当たりにした事であれだけショック
を受けていた純が、今回は友人が裏切り、そして死を迎えたこ
とで、廃人になってしまうのではないかという気もするが、
逆に発奮した感じだね。
惨殺事件と向き合っても平気な人なのに、その辺の感覚はイマ
イチ一貫性が無いような感じもする。


柴田純 …… 中谷美紀 (24歳・警部補。東大卒のキャリア組)
真山徹 …… 渡部篤郎 (32歳・警部補。捜査一課弐係・主任)
野々村光太郎 …… 竜雷太 (59歳・警部。捜査一課弐係係長)
近藤昭男 …… 徳井優 (39歳・巡査。捜査一課弐係・機械好き)
谷口剛 …… 長江英和 (40歳・巡査部長。捜査一課弐係・長身)

木戸彩 …… 鈴木紗理奈 (22歳・捜査一課一係の庶務)
壺坂邦夫 …… 泉谷しげる (60歳・警部補。"タンツボ")
林田誠一 …… 矢島健一 (40歳・早乙女管理官の腰巾着)
長尾昇 …… 有福正志 (46歳・早乙女管理官の部下)
早乙女仁 …… 野口五郎 (42歳・キャリア組の管理官)

斑目重友 …… 村井克行 (公安時代の真山の部下)
朝倉裕人 …… 高木将大 (22歳・真山の妹を輪姦)
大沢麻衣子 …… 西尾まり (25歳・世田谷区役所勤務)
真山沙織 …… 多田亜沙美 (17歳・真山の妹)
KEE …… KEE (24歳・本名:蒲田貴一・記者)
今井夏紀 - 峯村リエ、今井夏木

原勤 …… 片山雄介
嶋村一郎 …… 伏石泰宏

みのすけ、大久保了、村井克行、偉藤康次、俵広樹
入江慎也、矢部太郎、寺田体育の日、フランキー為谷


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