眠れる森
(フジ・1998年度10月期・木曜22時枠)

原作・著者 - 野沢尚
プロデューサー - 喜多麗子
企画 - 亀山千広
演出 - 中江功、澤田鎌作


第3話 記憶が嘘をつく

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直季は実那子の近くに引っ越してきた。
彼女は輝一郎に助けを求めたかったが、故郷に帰ったのが全ての
始まりであり一人で解決しようと考える。

一方輝一郎は上司の武藤に呼び出される。
バブル時代に買いあさった美術品が九条物産に大量に眠っており
それをブローカーを通してさばこうとしている人物が居ることが
週刊誌にリークされたのである。それは輝一郎の事だろうという
が、私は独断で会社の絵を売り出そうとしているのではなく、
会社としての方針であり総意であると訴える。総務部には更に
結婚に関して悪い噂がファックスで送られてきており、誰かが
輝一郎の結婚を貶めようとしている事を告げる。しかし輝一郎
にはこんな中傷をする人物に心当たりはないとして、身の潔白を
告げる。上司は会社側の人間を結婚式には招待するなと告げ、
結婚式後に身の振り方を考えると告げる。

輝一郎はこんな手の込んだイタズラをするのは一帯誰なんだと
実那子と話し合う。私達は祝福されていないのか?実那子は彼に
この結婚で会社での立場が悪くなるならば・・と言いかけるが
10年後にこの事を思い返せばあの時の自分は凄かったなと誇れる
様になるとして、負けないことを誓う。実那子は彼に会社での
事、全部話して欲しいと告げる。

実那子は直季の元へと赴く。彼は一緒に実那子の好物である
おでんを食べようと誘う。どうして私の好物まで知っているのか
という彼女。週刊誌に中傷の記事を流したのは貴方ねと告げ
目的は何なのか尋ねる。俺は異常者で二人の恋路を邪魔する
事だという。

一方春絵の元から吉春が消える。彼は刑務所時代に集めたスク
ラップブックが残されていた。

翌朝、直季は牛乳店で牛乳を飲んでいると通りかかった実那子
に声を掛ける。実那子も牛乳を飲む為に立ち寄る。そんな彼女に
昨日は徹夜で実那子の事を考えたという。何故変態野郎の事を
彼氏に話す事が出来無いのか。引きずるものを感じているのでは
無いのかという事。今夜は徹夜で自宅を留守にするので、ゆっ
くり休めるなと告げる。

そんな中、実那子の元に再びストレア30鉢を注文する電話が
入る。今度はイタズラかどうか確かめて欲しいという中村。
実那子は注文された場所へ行くと、そこには中年の車椅子の
女性が住んでいた。この蘭の花は教え子が贈ってくれたものだ
という。昔中之森で教師をしていたという康子。なんとその
生徒とは直季のことだった。今年のプレゼントはこれしかない
と思ったという。一度は立ち去る実那子だが、領収書を置いて
くる為に再び戻ってくる。すると対応に出たのは敬太だった。
実那子は敬太を見ると中之森の森の中で一緒にターザンごっこ
をしたり川の中州にキャンプに行った事を思い出す。次々と
彼女は思い出を語るが敬太には全く彼女に関する記憶が無かっ
た。
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これまで実那子に降り掛かる災難の犯人

全ては敬太が行ったことだった。
二人の関係を滅茶苦茶にするためのもの。
しかし何故二人の関係を壊そうとしているのか。

実那子自身も過去の記憶に違和感を感じ始める。

敬太の事を知っていた訳だが、よくよく思い返してみると本当に
知り合いなのかという疑問。
自分の過去を調べるために中之森小学校に電話するもそんな
学校は無いと言われ、更に文集は故意に作り替えられた跡がある。
果たして本当の過去とは何なのか。

実那子の経歴

昭和46年6月26日、福島県・御倉の生まれ。
昭和59年1月、大庭家の養女になる。
昭和59年、群馬に引っ越し。
昭和59年の秋、東京に引っ越しする。

群馬にいたのは僅か3ヶ月であったという事実。
しかし夏祭りで姉と金魚すくいしたこと、敬太と森でターザン
ごっこした事、家族とのピクニックの思い出。

実那子は直季の言葉を思い返す。

"あんたは俺の一部"
これの意図することは何なのか。
逢うまで15年の歳月を要したことは一体何なのか。

直季の言い分

今回は随分実那子に詰め寄られて返答に困るシーンが有った。
自分の背負っているものから逃げたい為に直季に固執している
のか。退屈な日常を壊してくれる人を彼女は本当に待っていた
のか。

輝一郎も直季の存在を気がつき始めたか?

マンションの一室から外を眺めている直季の事を眺める輝一郎。
彼が犯人だと思うのか。
それにしても輝一郎周りのエピソードはやや違和感なものがある。
美術品に関して不良在庫を処分しようとしている彼のことを
何故上司は批難するのか。娘との結婚を拒まれたからあまり良い
感情を持っていないのは分かるけれど、会社の人間の全てが
輝一郎に敵対意識を持っているというのはちょっと不自然だな。
まぁ父親の影響力が有って入社してきた感じもあるので嫉妬して
いる気持ちは有るのだろうが・・

大庭実那子 …… 中山美穂 (27・植物園「オーキッド・スクエア」)
(幼少時代 …… 井端珠里)
伊藤直季 …… 木村拓哉 (25・ライティング演出)
(幼少時代 …… 長谷川純)
濱崎輝一郎 …… 仲村トオル (35・九条物産)
中嶋敬太 …… ユースケ・サンタマリア (25・直季の幼馴染み)
(幼少時代 …… 風間俊介)
佐久間由理 …… 本上まなみ (23・直季の恋人(期限付き))
玉置春絵 …… 横山めぐみ (33・中華街)
伊藤直巳 …… 夏八木勲 (55・直季の父)
濱崎正輝 …… 岡田眞澄 (66・画家)
濱崎麻紀子 …… 原田美枝子 (失踪当時33)
国府吉春 …… 陣内孝則 (35・仮出所中)
中村 …… 田山涼成 (植物園の園長)
森田明仁 …… 牧村泉三郎 (実那子の親)
祥子 …… 長嶺尚子 (植物園・実那子の同僚)
芹沢 …… 本間憲一 (直季の上司)
武藤 …… 佐々木勝彦 (輝一郎の上司)
大庭善三 …… 信実一徳 (実那子の育ての父親)
森田加寿子 …… 井上夏葉 (実那子の実母)
森田貴美子 …… 南美穂 (実那子の姉)
康子 …… 泉晶子 (群馬県・中之森の教師・車椅子)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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