眠れる森
(フジ・1998年度10月期・木曜22時枠)

原作・著者 - 野沢尚
プロデューサー - 喜多麗子
企画 - 亀山千広
演出 - 中江功、澤田鎌作


第4話 暴行

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一度フラッシュバックが起きたら最後。堰を切ったように記憶
は蘇っていくという直巳。

直季に上司の芹沢から電話が有り、風邪で休んでいる田中の変
わりに大森の現場に来て欲しいと頼まれる。

実那子の元に輝一郎がやってくる。実那子が向かいのアパート
から出てくる姿を見掛け窓を覗くと、そこに直季の姿があった。
すぐに彼は実那子から事情を聞く。すると彼女は今までの経緯
を全て語る。全ては手紙に有った15年後の約束のこと。これまで
嫌がらせしてきたのは多分彼によるものだという。未来に踏み
出す前に確かめたかった事を告げ、彼と逢った後も過去は謎だ
らけである事を告げる。

輝一郎は直季の職場にやってくる。
彼女から話は全て聞いたという。何が目的で付きまとっている
のかと尋ねると直季は愛だという。直季は彼に会社で色々な
不正をしていることを指摘し、自分の力に自信がないからで
あろうという。海外に出て人間修行をやり直した方が良いと
告げる。そしてあんたに実那子の全てを引き受けることは出来
無い事を語る。輝一郎はこれ以上近寄るなとすると、どうせ
仕事で出会ったチンピラにでも頼んで襲わせるのだろうという。
人に頼まず自分で解決しないとと告げると輝一郎はすり寄って
くるが、捕まるのはそっちだと言われ自制する。

実那子は1983年の暮れから新年にかけて交通事故の記事を探す
も何処にも見つからなかった。しかし変わりに1983年12月24日
に市議会議員の一家惨殺事件の記事を目にする。紛れもなく
自分の事。記事によると父・明仁に反対された長女・貴美子の
恋人・国府吉春が逆恨みして一家を襲い、貴美子に対しても
心中するつもりで襲ったのではないかというものだった。
裁判の結果無期懲役の判決。控訴せずに刑を受け入れたという
ものだった。

輝一郎にその事実を全て話す。伯父さんはそんな過去の全てを
隠そうとした。しかし記憶が無くなり洗脳されている事の因果
関係はハッキリしない。最近実那子は見たことのない光景を
思い出すことを告げる。自分が惨殺の現場にいたこと。
戸籍を見るのはパスポートくらいだから、私が真実を見るのを
先送りしたかったのではないかという。直季はそんな過去の全
てを知っていたのだろうとの事。単に初恋の相手だから付きま
とっていたのではないことを知る。しかし実那子は彼が言って
いた"これから残酷な事が待ち受けている"と言われたことを
彼には言えないで居た。これ以上心配は掛けたくなかったので
ある。輝一郎は人間は現在と未来だけで生きていける事を証明
してやるとして、実那子の苦しみを一緒に背負うことを告げる。
実那子もアイツに負けたくないし、笑顔で結婚式を迎える事を
誓うのだった。
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実那子は俺の一部だと言っていた直季。

実那子に植え付けられていた記憶のモデルは直季だったという
事なのか。
趣味が一緒で親友・敬太と遊んだ記憶も全て直季のものだった。
母親が心臓病である事も一緒。
しかし直季は何処まで実那子一家の事情・真相を知っているの
だろうか。
事件の関係者って事はないだろうし、クリスマスの時の彼の
アリバイは確かに知りたいところだね。

実那子が犯人ではなかったのね。

彼女が親から虐待を受けていて誰かがそれを止める意味で殺害
に及んだという可能性を考えても居るが、一体どういう事が起こ
っているのだろうか。
直季がto be continuedと告げ、実那子の記憶が都合良く再現
されていくことを皮肉っていたのが笑える。

徐々に実那子に近づいていく国府吉春の正体は?

彼が控訴しなかった事は実那子を庇ってのことだと思うのだけど
その事実は何なのか。
しかし一家三人を殺して無期懲役っていうのはやや理解できない
かな。

輝一郎に実那子の過去の事情が全て伝わる。

なんといっても直季の存在が彼に伝わったことが大きい。
最後まで二人の関係を隠し通す様な段取りで進行するドラマも
多いけれど、野沢さんのシナリオは時期が来るとどんどん事実を
明かして更なる謎に巻き込んでいく力がある。

輝一郎の過去にも母親との間に何らかの事情が存在する。

輝一郎の話によると昔親の裸の絵を描かされたときに、絵の才能
が無くて出て行ったと思いこんでいる所がある。
父親は実那子と幸せになって欲しい事を言っているが、この一家
に隠された過去とは一体何なのか。

大庭実那子 …… 中山美穂 (27・植物園「オーキッド・スクエア」)
(幼少時代 …… 井端珠里)
伊藤直季 …… 木村拓哉 (25・ライティング演出)
(幼少時代 …… 長谷川純)
濱崎輝一郎 …… 仲村トオル (35・九条物産)
中嶋敬太 …… ユースケ・サンタマリア (25・直季の幼馴染み)
(幼少時代 …… 風間俊介)
佐久間由理 …… 本上まなみ (23・直季の恋人(期限付き))
玉置春絵 …… 横山めぐみ (33・中華街)
伊藤直巳 …… 夏八木勲 (55・直季の父)
濱崎正輝 …… 岡田眞澄 (66・画家)
濱崎麻紀子 …… 原田美枝子 (失踪当時33)
国府吉春 …… 陣内孝則 (35・仮出所中)
玉置和良 …… 山路和弘 (春絵の兄。現在は中華料理屋)
中村 …… 田山涼成 (植物園の園長)
森田明仁 …… 牧村泉三郎 (実那子の親)
祥子 …… 長嶺尚子 (植物園・実那子の同僚)
芹沢 …… 本間憲一 (直季の上司)
武藤 …… 佐々木勝彦 (輝一郎の上司)
大庭善三 …… 信実一徳 (実那子の育ての父親)
森田加寿子 …… 井上夏葉 (実那子の実母)
森田貴美子 …… 南美穂 (実那子の姉)
康子 …… 泉晶子 (群馬県・中之森の教師・車椅子)

佐藤裕、矢沢幸治

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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