眠れる森 (フジ・1998年度10月期・木曜22時枠) 原作・著者 - 野沢尚 プロデューサー - 喜多麗子 企画 - 亀山千広 演出 - 中江功、澤田鎌作

第7話 タイムカプセル
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直季は旧森田邸を訪れる。
父親は教員委員、そして市会議員を務める男性。母親はボラン
ティア活動に精を出す女性、そして長女は少女の頃からバイオ
リニストとしての才能を認められた女性。理想の家庭だったと
誰もが言うという。そんな家庭が12月24日の日に全てを失って
しまう。

直季は実那子の親友だったという佐江の元を訪れる。
すると実那子は父親のことを憎んでいたことを聞かされる。
小学校の修学旅行の際に、父親から虐待されている証拠である
アザに気がついたという。実那子に姉も同様な事をされている
のか尋ねると、姉にはしていないとの事。それ以上は聞くこと
が出来無かったという。実那子とは御倉の森でよく遊んだ事
を聞かされる。

福島で調査をしている敬太から電話がある。
一家惨殺事件が有った五ヶ月前の夏、御倉渓谷で沖田将人の
溺死体が見つかったという。実那子と一緒にピクニックに行き
現場近くでは実那子の父親が目撃されているとのこと。証言
したのは実那子で、父親に助けを求めたが無視されたという。
当時父親は別の所にアリバイが有ることを証言していたと。
好きな男性を父親に殺されたのか?

直季はそれら全ての事実を実那子に話す。自分には父親を殺す
動機が有ったのねと呟く。調べるほどに自分はとんでもない
子供だった事が判明していくとして、何もかも嫌だと自暴自棄
に陥ろうとする。しかし直季は12歳の子供に三人の人間を殺す
事など出来無いこと。姉は吉春と音楽家としての将来を捨てて
まで恋を貫こうとし、実那子は二人のためにキューピット役を
演じていた事で、他人のために動いていた子供が人を殺すこと
など有り得ない事を告げる。
自分は12月24日に結婚すれば変わることが出来るのか?殺人罪
の時効は15年。私がもしも犯人だとしても生まれ変わることが
出来る日である事を告げる。
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★実那子の過去が次々と剥がされていく。

なんといっても実那子は父親とは血の繋がりがないこと。
母親の実家は旅館を経営しており、高校時代に常連の大学生が
よく泊まっており、その男性と結婚後に再会したときに不倫した
上で生まれた子供であることが分かる。
父親が実那子を嫌っていた理由もそんな所から来るものの様だ。
父親は議員さんだし下手に離婚も出来無い環境だったのだろうね。

★新たに過去の事件の存在が明らかになる。

なんと実那子の同級生の子供・将人が渓谷で溺れ死んでいる事。
その現場に父親が居たわけだが、嫌っている実那子の事を
幸せにさせるものかとして殺したのだろうか?
なんとなく父親が殺したとするには理由が弱い。

★将人と実那子は交換日記をしていた。

このドラマ唯一の欠点は、他人に過去を語りすぎる点か。
実那子は日記の中で将人に虐待されている事実を語っているし、
実那子の友人は直季が訪れると過去の全てを語る。

それは良いとして交換日記の中にタイムカプセルの存在が有る。
地図まで書かれているのだから親切設計。

★タイムカプセルを掘り起こす。

何も深夜に掘らなくても良いのにね。
都合良く吉春が遠巻きに見ていたので、直季が襲われてしまう
のかどうかで緊迫感があった。
ちゃっかりハイエナの如く、直季がタイムカプセルを戻したと
ころを再度掘り起こして中身を確認する。

★果たして実那子の父親とは誰なのか?

直季が中に入っていたロケットの写真を見てすぐに気がつく人
って誰なんだろうね。森田加寿子の年齢が書かれていないので
分からないが、彼女が高校時代に大学生の相手という事で、
最初は吉春が浮気相手じゃないかとも思ったが、以上の理由で
それは無い。唯一該当しそうな人物は濱崎正輝だけど、この人
と直季って面通ししていないしね。

★やっぱり虐待されていた。

姉妹が一緒の部屋に住んでいた頃には何もなかったが、改築して
一人部屋になった頃にそれが訪れたという。
実那子は過去の記憶が蘇った訳ではないが、詳細に想像していた
事は全て事実な感じだね。

★直季と由理の関係は復活するか?

由理がケーキを持って彼の部屋を訪れる。
想像している直季との将来を語る所は、彼に予想以上に刺激を
与えていそうだ。

大庭実那子 …… 中山美穂 (27・植物園「オーキッド・スクエア」)
(幼少時代 …… 井端珠里)
伊藤直季 …… 木村拓哉 (25・ライティング演出)
(幼少時代 …… 長谷川純)
濱崎輝一郎 …… 仲村トオル (35・九条物産)
中嶋敬太 …… ユースケ・サンタマリア (25・直季の幼馴染み)
(幼少時代 …… 風間俊介)
佐久間由理 …… 本上まなみ (23・直季の恋人(期限付き))
玉置春絵 …… 横山めぐみ (33・中華街)
伊藤直巳 …… 夏八木勲 (55・直季の父)
濱崎正輝 …… 岡田眞澄 (66・画家)
濱崎麻紀子 …… 原田美枝子 (失踪当時33)
国府吉春 …… 陣内孝則 (35・仮出所中)
玉置和良 …… 山路和弘 (春絵の兄。現在は中華料理屋)
中村 …… 田山涼成 (植物園の園長)
森田明仁 …… 牧村泉三郎 (実那子の親)
祥子 …… 長嶺尚子 (植物園・実那子の同僚)
芹沢 …… 本間憲一 (直季の上司)
武藤 …… 佐々木勝彦 (輝一郎の上司)
大庭善三 …… 信実一徳 (実那子の育ての父親)
森田加寿子 …… 井上夏葉 (実那子の実母)
森田貴美子 …… 南美穂 (実那子の姉)
康子 …… 泉晶子 (群馬県・中之森の教師・車椅子)
国府和彦 …… 坂西良太 (吉春の親戚)
沖田幸子 …… 寺田路恵 (将人の母親)
佐江 …… 中島ひろ子 (実那子の親友)
沖田将人 …… 森田雄治 (実那子の小学時代のボーイフレンド)

評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)