眠れる森
(フジ・1998年度10月期・木曜22時枠)

原作・著者 - 野沢尚
プロデューサー - 喜多麗子
企画 - 亀山千広
演出 - 中江功、澤田鎌作


第9話 マリアは見ていた

--------------------------------------------------------
吉春によって拉致され人里離れた山林に連れて行かれた直季。
吉春は人が埋められるだけの穴を掘っており、直季をその中に
突き落とす。直季は吉春が実那子のタイムカプセルに入っていた
ロケットを持っていたことに気がつく。直季は埋められつつあ
る中で、聞きたいことがあるとして吉春に話しかける。
なんで冤罪なのに無実を訴えないのか、そして未だに実那子に
付きまとう理由は何なのか。今、自分がしたいこと、それは
パーティーだという吉春。恋人が死んだ事で裁判などどうでも
良かったのか?と問う直季は、恋人と死なずに生きることを選ん
だ理由を聞こうとする。更に地獄を味わせたい相手とは誰なの
か尋ねる。
完全に埋められる寸前に助けてくださいという直季の言葉に
よって吉春は手を止め、これ以上俺を捜すようならば殺すと
忠告する。

実那子は輝一郎と結婚式のドレスを試着に行く。

由理は職場の実那子の元を訪れ、直季と連絡が取れなくなった
事を告げる。最後にあった際に何を話したのかと問うと、実那
子は事実を告げる。由理はこれで直季の実那子に対する固執は
解かれたのかと喜ぶ。

なんとか助かった直季は横浜の春絵の事をマークしている敬太
の元を訪れる。春絵は男物の下着を買っていたのでもうすぐ
吉春が帰宅するのではないかと告げる。
一方春絵の兄・和良は妹に来週には保護司の調査が有るので、
吉春から連絡が有ったら15年を棒に振るのかと伝えろと告げる。

敬太は15年前に森田家惨殺事件を担当した刑事・小椋と連絡が
取れたという。
早速直季も含めて旧森田家で当時の事件の事について聞く。
初動捜査は決して遅くはなかったこと。吉春はあの時暖炉の近く
で傷ついた長女を抱きしめ、次女は血の付いた包丁を持っていた
という。当時の見解では吉春が犯行後に一度服を着替えに戻り
第一発見者を装ったのではないかという。話の筋も通っていた
と。当日イブの夜は家族と過ごしたいという貴美子は家族と
共に過ごし、12時に吉春が駆け落ちするために迎えに来る予定
だったという。吉春は駆け落ちの件が親に気がつかれたかも
知れないとして早く彼女の家を訪れ、殺人現場を目にしたと
言っていたという。しかしその後は生きる屍のような彼。
刑務所に入って二年目の夏、他に牢獄に繋がれている人間が
居る事を口にしていたという。それからは人が変わったように
模範囚として刑期を全うしたと。

事件当日、旧森田家の前の教会ではミサが行われていた。
直季はその教会にあるマリア像の目の中にキラリと光るものを
目撃する。神父に尋ねるとあの事件後誰かが匿名で200万円の
寄付金を送ってきたという。罪の意識、懺悔を感じた犯人が送
ってきたのではないかという。
--------------------------------------------------------

★ロケットの写真の正体。

いよいよそれが発覚した。
ロケットの写真はなんと直季の父親・直巳のもの。
と言うことは実那子と直季は異母姉弟なのね。
下手に手を出していなくて良かったって所でしょうか。

★吉春はどの段階で真の犯人が分かったのか?

当時吉春が現場に来たことで犯人が逃げたとするならば、
何故吉春を殺さなかったのだろうか。
実那子が殺されなかった理由は、犯人が彼女の父親だからという
所は説得力がある。
虐待されている事実が巡り巡って直巳の元に伝わったのか?

★冒頭から直季がピンチ。

このシーンは迫力があったな。
ただ吉春は実際には人を殺めた事がないわけで、心理的には
そう簡単に人を殺せるわけもない。
一人殺した犯人が二人目を殺すのと、最初の殺人を行うのとでは
また違うものだからね。

★実那子は担架で運ばれる際に一言漏らした言葉。

"お父さん"と言ったという。
当日、あの場所に直巳が居たって事だ。
果たして殺人を犯したのは彼なのか。まぁこれ以上容疑者は
出てこない気もするしね。

★由理と直季の関係性

ちょっと由理の捨て身の攻撃は結構刺激を受けられるものがあ
った。ただやや演技力不足は否めない気もする。
直季も彼女と身を固める気になったのだろうか。
それを遠巻きに見ていた敬太にはちょっと気の毒だったけど、
まぁ想定できる事実では有ったからね。

★直季は父親に詰め寄る。

その際にナイフを研いでいる所がまた不気味。
なんでこの時間にそんなものを研いでいるのかは謎だが、
息子を手がける様なことをするのだろうか。
何にせよ時効は近いのがポイントか。

大庭実那子 …… 中山美穂 (27・植物園「オーキッド・スクエア」)
(幼少時代 …… 井端珠里)
伊藤直季 …… 木村拓哉 (25・ライティング演出)
(幼少時代 …… 長谷川純)
濱崎輝一郎 …… 仲村トオル (35・九条物産)
中嶋敬太 …… ユースケ・サンタマリア (25・直季の幼馴染み)
(幼少時代 …… 風間俊介)
佐久間由理 …… 本上まなみ (23・直季の恋人(期限付き))
玉置春絵 …… 横山めぐみ (33・中華街)
伊藤直巳 …… 夏八木勲 (55・直季の父)
濱崎正輝 …… 岡田眞澄 (66・画家)
濱崎麻紀子 …… 原田美枝子 (失踪当時33)
国府吉春 …… 陣内孝則 (35・仮出所中)
玉置和良 …… 山路和弘 (春絵の兄。現在は中華料理屋)
中村 …… 田山涼成 (植物園の園長)
森田明仁 …… 牧村泉三郎 (実那子の親)
祥子 …… 長嶺尚子 (植物園・実那子の同僚)
芹沢 …… 本間憲一 (直季の上司)
武藤 …… 佐々木勝彦 (輝一郎の上司)
大庭善三 …… 信実一徳 (実那子の育ての父親)
森田加寿子 …… 井上夏葉 (実那子の実母)
森田貴美子 …… 南美穂 (実那子の姉)
康子 …… 泉晶子 (群馬県・中之森の教師・車椅子)
国府和彦 …… 坂西良太 (吉春の親戚)
沖田幸子 …… 寺田路恵 (将人の母親)
佐江 …… 中島ひろ子 (実那子の親友)
沖田将人 …… 森田雄治 (実那子の小学時代のボーイフレンド)
佐倉 …… 森下哲夫 (議員、元森田明仁の秘書)
フランク …… フランク・オコーナー (旧森田家前の教会の神父)
小椋 …… 佐川満男 (森田家惨殺事件の担当刑事)

阿部六郎、菱田彰杜、市原清彦

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system