眠れる森
(フジ・1998年度10月期・木曜22時枠)

原作・著者 - 野沢尚
プロデューサー - 喜多麗子
企画 - 亀山千広
演出 - 中江功、澤田鎌作


第11話 殺人者

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由理が殺害される。
直季は捜査一課の恩田刑事に東京警察病院に呼び出され、顔の
確認をさせられる。次々と彼女の訃報を知って病院へと集まって
くる。

直季は誰が由理を殺したのか、敬太と探しに行く。写真を現像
に出したのはこの近くのハズ。写真店にいったのは15時だと確認
され殺されたのは22時。犯人は写真の存在を一体どうやって
知ったのか。犯人からではなく由理から犯人に近づいたのだろう
と推察する。

そんな中実那子の職場に由理からの手紙が届く。
そこには12月10日、午後8時にこの手紙を書いていることが書か
れていた。手紙には実那子に対して過去から目を背けるべきでは
無いことが書かれていた。
実那子は輝一郎に改めて結婚式を中止にしないかとするが、
それこそ吉春の思うつぼだと告げる。

直季の元に由理の母親が来て彼女の定期入れを彼に渡す。
その中からはレシートが出てきた。警察はレシートから当日の
由理の動きが把握できたという。もしかすると由理は俺達に
当日の足取りを知らせようとしていたのではないかと考え、
時系列順にレシートを地図と照らし合わせてみる。

16:25、カフェ・レシーナ。
17:48、乃木坂の図書館のコピー。
18:20、文具店でレターセットを購入。
20:55、東麻布のコーヒー店。
21:35、芝公園のコンビニで80円切手購入。

直季はそれを見てオレと一緒に歩いた道だと感じ、その先に
有るのは、直季が仕事に行き詰まったときに行くビルの屋上で
ある事が分かる。恐らく犯行現場はそこだろうとして、敬太と
一緒にビルの屋上に向かう。
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★写真の事を知っているのは、被害者を除いて二人の人物。

写真目当てで由理に近づいたと冒頭から結論づけている感じの
流れだけど、写真に映っていたのは吉春では無く敬太だったと
いう事なのだろうか。
確かに前回の展開を見れば、リスクが高いのに何故吉春が春絵
の元に訪れるのか?という疑問符が付いていたからね。
もうこの時から敬太は直季を襲おうとして画策していたのか。

★直季は敬太を犯人だと実感。

直季が彼を犯人だと疑ったのは、彼の腕についていた傷。

前回サンタと由理が逢う様な思わせぶりな展開で終わったけど
由理が吉春の存在を知っているわけがないものね。
由理は最初から敬太と逢うためにあの場所に行ったのか?
それにしては由理は敬太があの場所にいるのを驚いていたみたい
だった。実際には約束などしておらずに、由理はあの場所で
気持ちの整理をしようとして向かっただけなのか。

★多額の借金の有る敬太。

前々から町金融にボコられて顔中に傷を付けていたけどね。
5000万円の保険金が彼に掛けられていて、受取人は町金融名義
になっていたとか。
なんとなくドラマ「愛という名のもとに」で、上司からいびられ
思わず殺害し自殺してしまった倉田篤(チョイ)の事を思い出した。

★由理をオレの女にしたかったという殺害動機

由理と直季が抱き合うシーンが印象的に描かれた話が有った
けど、その影で敬太はどん引きの涙を流していたものね。
ただ殺してしまうという行動にイマイチ説得力がない。

★敬太は犯人を知っている。

何故知っているのだろうか?
犯人の気持ちが分かるとした事で、結果的に森田家惨殺事件の
犯人は吉春だと言っているようなものだけど、捜査の過程で
敬太は何か掴んだのだろうか。

★とてもドラマとしての見せ方が上手い。

展開を見ていると動と静が上手く描かれている。
今回は由理殺害の衝撃さが描かれたこともあって、冒頭の
タイトル曲は、いつもの竹内まりや『カムフラージュ』の曲での
スタートで無かった所も上手い描き方。

★実那子の絵が完成。

濱崎正輝が母親の件で何らかの事情を知っていそうなのに、なか
なかその辺は展開が進まないな。
最終話に輝一郎の母失踪の件は解決を見せるのだろうか?

大庭実那子 …… 中山美穂 (27・植物園「オーキッド・スクエア」)
(幼少時代 …… 井端珠里)
伊藤直季 …… 木村拓哉 (25・ライティング演出)
(幼少時代 …… 長谷川純)
濱崎輝一郎 …… 仲村トオル (35・九条物産)
中嶋敬太 …… ユースケ・サンタマリア (25・直季の幼馴染み)
(幼少時代 …… 風間俊介)
佐久間由理 …… 本上まなみ (23・直季の恋人(期限付き))
玉置春絵 …… 横山めぐみ (33・中華街)
伊藤直巳 …… 夏八木勲 (55・直季の父)
濱崎正輝 …… 岡田眞澄 (66・画家)
濱崎麻紀子 …… 原田美枝子 (失踪当時33)
国府吉春 …… 陣内孝則 (35・仮出所中)
玉置和良 …… 山路和弘 (春絵の兄。現在は中華料理屋"ニーハオ")
中村 …… 田山涼成 (植物園の園長)
森田明仁 …… 牧村泉三郎 (実那子の親)
祥子 …… 長嶺尚子 (植物園・実那子の同僚)
芹沢 …… 本間憲一 (直季の上司)
武藤 …… 佐々木勝彦 (輝一郎の上司)
大庭善三 …… 信実一徳 (実那子の育ての父親)
森田加寿子 …… 井上夏葉 (実那子の実母)
森田貴美子 …… 南美穂 (実那子の姉)
康子 …… 泉晶子 (群馬県・中之森の教師・車椅子)
国府和彦 …… 坂西良太 (吉春の親戚)
沖田幸子 …… 寺田路恵 (将人の母親)
佐江 …… 中島ひろ子 (実那子の親友)
沖田将人 …… 森田雄治 (実那子の小学時代のボーイフレンド)
佐倉 …… 森下哲夫 (議員、元森田明仁の秘書)
フランク …… フランク・オコーナー (旧森田家前の教会の神父)
小椋 …… 佐川満男 (森田家惨殺事件の担当刑事)
菊地 …… 平賀雅臣 (カメラ現像店)
恩田 …… 石橋凌 (刑事)

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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