王様のレストラン (1995年4月期・フジテレビ水曜21時枠) 企画 石原隆、斉藤秋水 プロデューサー 関口静夫 脚本 三谷幸喜 演出 鈴木雅之 、河野圭太 演出補 東海林秀文、小池哲夫、小山田雅和 プロデューサー補 柴田圭子 音楽 服部隆之

第7話 笑わない客
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現在来日しているEUの経済代表と日本の経済代表・猿渡大臣が
対談することになり、会食することになるが、予定していた
フレンチレストランは脅迫文が届き、急遽普段から客があまり
いないレストランだとする"ベル・エキップ"が会食の場所に
選ばれることになる。成功すればこれ以上にないほどの宣伝に
なるとするが、失敗すれば壊滅的被害を被ることにも繋がる
かもしれない。

そんな期待と不安が交錯する中、秘書の犬丸が店の細かいチェ
ックにやってくる。相手は本場フランスからやってくる人で、
日本人のしかも女性シェフが作る料理には期待していないという。
更にこれを機会に店の宣伝になると思われるのならば大間違い
だとして、マスコミはシャットアウトの非公式の会合である事
を強調される。
しかしそれでも経済界のトップが来ると言うことで、ベル・エ
キップ始まって以来の事だとして、水原は気合いを入れるが、
千石はあまり力を入れすぎると失敗するとして、落ち着いて
対処する様告げる。今夜来るのはたかだか大臣クラスの人物で
有ると。
大臣達が来る前に厨房にはSPがやってきて、シェフたちの動き
を監視する。

千石はしずかたちに、相手は料理に偏見を持つ人たちで、フレ
ンチを日本人の女性が作ることに懐疑的である事を告げる。
度肝を抜いてやりたい事を告げる。

一方店には、"パラダイス金融"借金取りがやってくる。
水原が個人的に借りていた500万円の返済を求めに来たのかと
思えば、彼は手土産に"ひよこ"を持ってきて返済が終了した
事を告げる。水原は原田に事情を尋ねると、貯金から払って
置いたという。利子は要らないので、少しずつ返してくれれば
良いとするが、水原は強がってお前から金を借りるくらいなら
ば、町金融から取られる方がマシだと憎まれ口を叩く。二ヶ月
以内には返済するというが・・・

いよいよ少し遅れて大臣らがやってくる。先に到着した犬丸
からは会議が決裂したことで、相当悪いムードが漂っていると
言われる。なんとか重苦しい雰囲気を打破しようと、水原と原田
は挨拶に出るが・・・
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★ベル・エキップ"最大のチャンス

客が入らないという店の状況が逆にポジティブな状況を生んだ。
まさかの大臣訪問。
何処からそんな情報を掴んだのだろうか。

★交渉が不発。その場の雰囲気は最悪。

美味しい料理を食べさえすればまた気分も変わってくるという
ものだけど、口に入れる事さえしない状況ではお手上げって
感じだよね。千石は、料理を残すも残さないも客の自由だと
するが、内心では"とっとと食べやがれ"と思っている所は笑える。

★次々とキャラクターが持ち味を出そうと近づく。

難攻不落の笑わない客の前でパフォーマンスを見せることの
辛さ。
腰の引けた梶原が遠くの方でマジックをしていたり、小粋な
パーティジョークを告げる大庭。原田の中途半端な爆笑小話は
「古畑任三郎」内でも語られた"赤い洗面器"ものだね。

★微動だにしない難攻不落の人物は意外なところにいた。

SPの馬場さんが意外にもキーマンだった。
彼の心が揺り動かされる事が、一連のドラマの始発点となる。
こういう脇役の使い方は秀逸だと思う。

★政子の思いきった行動。

"坊や、お口が動いていませんよ!"とフランス語で呼びかけた
事でフランス人の心が揺り動かされた。
最後にLEE TEMPSなる経済誌の表紙になる政子。
ヨーロッパ経済を救った女性だという。また大きく取り扱われた
なぁ。

★マーシー、ロッキー、ノリタマ

マーシー = 三条政子
ロッキー = 原田禄郎
ノリタマ = 水原範朝

★料理の前では客は平等だ。

締めのセリフがまた素晴らしく引き締まったね。

最高のディナーを食べるには客の協力も必要だとする千石は
自分たちは最高のディナーを用意したことを告げ、不味く感じ
たのならば客の協力が足りなかったのだとする主張もまた、
日本人離れしたプライドの高さが表れた。


千石 武（松本幸四郎） ギャルソン
原田 禄郎（筒井道隆） パトロン
磯野 しずか（山口智子） シェフ・ド・キュイジーヌ
三条 政子（鈴木京香） バルマン
水原 範朝（西村雅彦） ディレクトール (支配人)
梶原 民生（小野武彦） メートル・ド・テル（給仕長）
稲毛 成志（梶原善） シェフ・パティシエ
大庭 金四郎（白井晃） ソムリエ
和田 一（伊藤俊人） コミ（食堂係サブ）
畠山 秀忠（田口浩正） スー・シェフ（副料理長）
佐々木 教綱（杉本隆吾） プロンジュール（皿洗い）
ジュラール・デュヴィヴィエ（ジャッケー・ローロン） ガルド・マ
ンジェ
前オーナーシェフ（中村嘉葎雄）

ナレーション …… 森本レオ

猿渡 …… 村井国夫 (政府経済開発委員会代表)
犬丸 …… 近藤芳正 (秘書)
馬場 …… 野仲功 (SP)
木戸 …… 池添良 (通訳)
??? …… 六平直政 ("パラダイス金融"借金取り)
コンスタンタン …… ジェロルド・マルテ (EU経済大使)

グレッグ・デール、ロナルド・ハルトン

評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)