王様のレストラン (1995年4月期・フジテレビ水曜21時枠) 企画 石原隆、斉藤秋水 プロデューサー 関口静夫 脚本 三谷幸喜 演出 鈴木雅之 、河野圭太 演出補 東海林秀文、小池哲夫、小山田雅和 プロデューサー補 柴田圭子 音楽 服部隆之

第10話 去る者、残る者
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最高のデザートは人生のあらゆる悩みを忘れさせるもの。

稲毛は最近自分の料理が店やしずかの足を引っ張っているので
はないかと思い始めていた。

そんな中雑誌に"ベル・エキップ"の事が取り上げられる。
稲毛の記事が写真付き取り分け大きく取り上げられ、店の中でも
特にしずかの料理は日本人フランスシェフに於ける5本指に入る
ほどの絶品さだと評判。しかしパティシエである稲毛のデザート
に関しては独創性が無く平凡な料理で、店には似つかわしく無い
と酷評されていた。
記事を見て厨房に張り出すが、稲毛の記事に関しては意図的に
見えないよう工作して掲載する。稲毛は千石になんて書いてあ
ったのか尋ねると、デザートに関しても絶賛されているとウソを
つく。稲毛は厨房に張り出された記事のコピーではなく原本を
調べると、そこには酷評された記事が書かれていて落ち込む。
千石は辞めるという人を引き留めるつもりはないが、悩む暇が
有れば腕を磨くことだと告げる。

稲毛が店から姿を消す。
稲毛は荒っぽい性格に見えて実は繊細な奴だと畠山は告げ、
特に最近焦っていたみたいなので一同心配する。しずかに
振られたときは二週間行方知れずで、結局サイババに会いに
インドに渡っていたらしい事を呟く。案外すぐに戻ってくるの
ではないかと千石は告げるが・・・

稲毛はその頃行き場を失い、大庭の担当するワインの地下倉庫
で一人うずくまっていた。畠山は稲毛を慰めに真っ先に向かうが
彼は座っていた樽が抜けて尻が抜けなくなってしまう。
俺達はしずかと違って二流なのだから焦らず日々精進しようと
告げる。禄郎も来て稲毛の心配をするが、千石は時々オレのこと
を睨むときがあり、今回は辞めて欲しいような事を口にしたと
告げる。

そんな中、政子が開発していた新しい梅干しを使ったカクテル
が完成する。それを知った禄郎は、このカクテルは禄郎スペシ
ャルという名で出しても良いのかと政子に告げるが、範朝は
これは範朝スペシャルNO.1だと告げる。何のことだか意味の分
からない禄郎にしずかは、二人の関係が元に戻った事を告げる。
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★パティシェ・稲毛のエピソード

今回の主役は稲毛か。
一流のフレンチを出す店とは似つかないような平凡なデザート
を出している様だ。見ている限りでは美味しそうなんだけどね。

千石曰く、デザートは客が一番最後に食するので印象に残り
安いとのこと。確かにそういわれればそうかもしれない。

★ヨリが戻った政子と範朝。

範朝は妻との離婚が決まったようだ。
私しか守って挙げられる人は居ないとして政子は範朝と復縁する
気になってらしい。

鈍くさい禄郎がまた小憎らしいのが玉に瑕。
なんでなんで?と迫る様は子供みたいだし、最後まで説明して
あげないと分からない所は、時と場合によってはカチンと来そう
なキャラクターだ。

★ワインの倉庫が駆け込み寺に・・

傷心している稲毛、そして慰めに言った畠山、そして最後は
禄郎がこの場所に留まることになる。
大庭が嫌がっていたけど、確かに男性ばかりが集う妙な空間だ
ったな。
禄郎がお礼として、梶原から貰った風俗情報の詰まった資料を
大庭に渡す。大庭はそういう事にまるで興味なさそうだが・・


★ミイラ採りがミイラになったのか・・

千石はかつて禄郎の父親が自分の言うことを聞かないような人物
を排除し続けた現実に嫌気が差してケンカ別れしたわけだけど、
今の千石は彼のように目的達成のためには、社員を排除しよう
とする。それに気がつかされた時、彼はここに居られなくなって
しまう。

★千石の意見にも一理あり?

料理はセンス、生まれ持った才能。
すぐに仕事を放棄する人が立派なパティシエになれる訳ない。
これはサークル活動ではない、妙な仲間意識を優先させるべき
ではない。一流のシェフには一流の店が相応しい。

・・・・などなど、色んな彼の持論が飛び出した。

余所で買ってきたデザートを出す事の屈辱は、接客するギャル
ソンが最もそれを体感するのかも知れないね。

★"ベル・エキップ"の店としての方向性は?

千石は一流店にしたいと思ってきたわけだけど、オーナーの禄郎は
従業員を押しのけてまでしたい事ではないという。
いよいよ実質的オーナー化していた千石と禄郎の意見が割れた事
で、今後どういう方向性を保つのかが焦点となる。
一体禄郎は、どうしたいのかな。


千石 武（松本幸四郎） ギャルソン
原田 禄郎（筒井道隆） パトロン
磯野 しずか（山口智子） シェフ・ド・キュイジーヌ
三条 政子（鈴木京香） バルマン
水原 範朝（西村雅彦） ディレクトール (支配人)
梶原 民生（小野武彦） メートル・ド・テル（給仕長）
稲毛 成志（梶原善） シェフ・パティシエ
大庭 金四郎（白井晃） ソムリエ
和田 一（伊藤俊人） コミ（食堂係サブ）
畠山 秀忠（田口浩正） スー・シェフ（副料理長）
佐々木 教綱（杉本隆吾） プロンジュール（皿洗い）
ジュラール・デュヴィヴィエ（ジャッケー・ローロン） ガルド・マ
ンジェ
前オーナーシェフ（中村嘉葎雄）

ナレーション …… 森本レオ

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)