オヤジぃ。
(2000年10月期・TBS)

脚本:遊川和彦
演出:清弘誠、吉田秋生、片山修、佐々木雅之
プロデューサー:八木康夫
演出補:佐々木雅之、波多野貴文、山室大輔、田中大二朗
プロデューサー補:壁谷悌之

第1話 怒れ!ガンコ親父
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長女・小百合はこの日見合いの場に来ていた。
話題は家族の人のことになり父・完一の事を話す。医者を営む
が人目を気にして格好付けるところが。悪い癖なのが子供達に
関心のないフリをして偶然を装い、見に来るところだという。
完一はその癖通り、この見合いにもやってくる。
完一は見合い相手に家族構成を語り、小百合が如何に出来た子
なのかをしゃべり通す。

もう見合いはしたくない!
父親が首を突っ込んだことで一気にしらけた小百合。
27歳にもなって男性から電話一本もかかってこないのは問題で
あると父は告げるが、小百合は現在学校の方が忙しいという。
女は結婚が一番だと完一は持論を語って聞かせる。

長男で末っ子の正が予備校から帰宅。
父が小百合にあれこれ告げていたり、正に対して早く大学に入
って医者を継げと語るのを見て正は父に子供に干渉しすぎだと
語る。気に入らなければ出て行けと父。
次女のすずが22時を過ぎても帰宅しないことにイライラ。
そんな時すずは帰宅。彼女は何時も通り帰宅していたが電車で
人身事故が有って遅れたと言い訳する。
気が多いがすぐに飽きてしまうすず。今度は突然結婚すると
言い始める。

翌朝朝食の場で、すずに彼氏とは何処で出会ったのか尋ねる。
2週間前に合コンで出会ったというと、僅か2週間で結婚だと語っ
ている娘に呆れる。愛は時間ではない事を訴えるすず。
相手は28歳、商社に勤めていて東大出身。年俸は1200万円だと
告げるが、父はまだすずが20歳であること。物事には順序がある
として姉の結婚していない状況の中結婚を認めることは出来ない
と暗に告げる。姉も又結婚はそんなに甘い物ではないと告げる。
正も絶対に無理だという。父親に会うだけ逢ってと語るが聞く耳
持たなかった。

正は予備校の模擬試験でE判定を受ける。落ち込んでいる時に、
目の前で女子高生のすみかが男性に酷い捨てられ方をしている
のを目にする。彼女にハンカチを手渡し、アイツは女癖が悪い
ので辞めておいた方が良いとアドバイスする。

父が仕事を終えて帰宅する頃、すずは彼氏・国東博を家に招い
ていた。小百合や正は博の話に夢中になり、好印象を持つ。
父親は会いたくない様子で遠巻きに彼の話を聞いていた。
ウチには変な決まり事が多いことを語る。お風呂は父が一番で
食事中のテレビは禁止、部屋のドアは開けておかねばならない
事、携帯を持つのは駄目、誕生日は全員一緒に過ごすという。
すると博は逆にそんな決まり事の良さを語る。特に誕生日に
家族一緒に過ごすのは羨ましい事だと語る。僕も家庭にルール
を作りたいとして持論を語る。
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2000年度のTBSの日曜日枠で放送された物。
全11話構成のドラマだが、各話一貫して20%以上の視聴率を誇っ
た化け物ドラマだ。

父親は何処か昔ながらの価値観を持つ人物像。
非常識な相手には他人の子供であっても叱りつけるし、町で屯
している若者達でも恐れを知らずに注意して回る。
子供達はそんな事をしても無駄だと言うが、それでも一言なん
とか言ってやらないと気が済まない。

三人の子供達はそんな父親に対して彼の頭を悩ます問題を何処か
で抱えている。
長女は出来た女性だが男性の影が全く存在しない。
次女は飽きっぽい性格で、天真爛漫な感じ。今回はいきなり出会
ったばかりの男性と2週間後に結婚し、一ヶ月後には彼に付いて
いきN.Yに発つと言い出す。
長男はイマイチ成績を残せず予備校通い。

今回は次女のすずが父親と衝突する。
父親の決めたルールがどうにも納得がいかず、門限だったり、
無関心を装いつつも心配して色々と影で画策する姿に嫌気を感じ
ている。

母親から理由を聞いてみれば、完一の父親は女ったらしで殆ど
会話らしい記憶もなく、小学校の時に家を出て行ったことから、
そういう父親にだけはならない事。自ら寂しい家庭の姿を経験
してきた思いを子供達に味わせない様、色々と気づかっているの
だという。

端から見ればとても良い父親だと思う。
門限が22時って別に早くも感じないしね。
誕生日を家族全員で祝うというのもとても暖かい思想だと思う。

偶然を装って娘達の前に現れたりする辺りのチャーミングな一面
が田村正和の役柄らしいところでとても好感の持てるところ。

こういう良い父親像も、本人達にしてみればうざいと感じるもの
なんだろうね。普段は気がつかないけど、結婚式の時や病気に
なったときにふとそんな優しさに気がつくのだろうな。

最近の若者は何もない空っぽだと愚痴る父親の前に、登場する
ホステスの君塚真知子。果たしてどんな形で完一と関わってくる
のか。

ガングロ娘のすみかも時代性を反映していて面白いな。
2000年の頃には恥ずかしげもなくこういうメイクをする若者が
屯していたんだよね。一体どうするとあんなメイクが良いと
思えるのか不思議だ。

そういえば飯田里穂ちゃんがすずの小学3年生の頃の役で登場。

神崎完一(55) …… 田村正和 (父、開業医)
神崎すず(21) …… 広末涼子 (次女、短大生)
神崎小百合(27) …… 水野美紀 (長女、私立の教師)
神崎正(19) …… 岡田准一 (長男、予備校生)
大平ゴロー(31) …… 加藤浩次 (青空製薬の営業)
すみか(18) …… 矢沢心 (ガングロ女子高生)
温子(25) …… 今井陽子
国東博(31) …… 及川光博 (三友商事、東大出身、すずの彼)
松嶋幸介(47) …… 山口祐一郎
君塚真知子(30) …… 石田ゆり子
神崎美矢子(47) …… 黒木瞳 (母)
ガンジー …… (犬)

猪俣光世、長島裕子、市川勉、菊地均也、草野裕
酒井麻吏、野村ちこ、芦沢孝子、堀江智子、菅原あき
清水邦彦、堀江智子、白川みなみ、隆文、湯沢忠弘、畠中正文
野村島一成、中村泰三、小久保丈二、前田英二、小林浩
吉武怜朗、飯田里穂、常盤祐貴、安河内直樹

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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