恋ノチカラ
Power of Love (2002年1月期)

脚本/相沢友子
演出/若松節朗(1,2,5,7,11話)、村上正典(3,4,6,8,10話)
村谷嘉則(9)

http://wwwz.fujitv.co.jp/jp/b_hp/power/

第9話 2人きりの夜

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プロポーズを振って再び貫井企画に戻ってきた籐子の新たな
出発。営業の吉武は新たにビールの広告を取ってくるが、
この仕事は壮吾に任せて、貫井には夏に向けて大きなビール
会社の企画の仕事を取ってくるとの事で、それまでは控えて
いて欲しいと言われる。しかし出版パーティーの席でユニバー
サル時代の後輩から真相を聞かされ貫井は失意のどん底に陥る
事になる。
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残すところ籐子と貫井の関係をどのようにして煮詰めていくの
かなというのがこのドラマの課題なのか。
正直今のままでは多少意識する間柄では有っても、恋愛として
意識するまでには至っていない。籐子にしても春菜を加勢する
様な言葉を違和感もなく発している訳だしね。

ドラマでは仕事上の問題点をぶつけて展開の打開を見出して
きた格好だ。

一話辺りの展開から考えると、貫井がクリエーターとして古す
ぎると考えるのはかなり無理がある。違和感を承知で
今回の設定をぶつけてきたんだろうなと思うけれど、過去の話
を忘れて、今回一話だけの展開を見るとなかなか良くできてい
た。
クリエーターから自信をはぎ取った後の人物像にはなかなか
リアルなものを感じた。

特に面白かったのは、中沢和史という胡散臭いキャラクターの
登場によって、貫井の今の立場が上手くカモフラージュされて
いた事だ。中沢の発する言葉など、全ては貫井を意識した発言で
取るに足らないものだと思っていたが、彼が意識していたのは
貫井ではなく木村にあったこと。

貫井が仕事にあぶれてしまった事も、仕事と仕事の間の偶然
の休暇だと思っていたところが必然的で有ったと分かるときの
衝撃はとてもインパクトが有ったと思う。
自信を無くした貫井が木村に対して悪態をついてしまう所など
思わず本音が飛び交い、決定的な決別の場になってしまうの
ではないかとヒヤヒヤものの展開だった。

自信を失った彼に掛ける籐子のセリフも冴えていて、彼に再び
始動させようとするには十分のシーンだったと思う。

また僅かながら嫉妬で籐子に食いかかる春菜の姿だったり、
遠巻きに籐子と貫井の姿を見ている彼女の姿は如何にも春菜ら
しくて良かった。

本宮籐子(30) - 深津絵里
貫井功太郎(35) - 堤真一
倉持春菜(23) - 矢田亜希子
木村壮吾(25) - 坂口憲二
寺石香里(28) - 久我陽子
須田真季(30) - 猫背椿
長谷川郁子(21) - 菅原禄弥
楠木賢明(60) - 志賀廣太郎
吉武宣夫(40) - 西村雅彦

倉持勇祐 - 谷原章介
中沢和史 - 東根作寿英

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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