相棒
(2003年度10月期・2004年度1月期TBS)

プロデューサー - 松本基弘、香月純一・須藤泰司・西平敦郎
脚本 - 輿水泰弘(1)(2)(10)(11)(13)(18)(21)
櫻井武晴(3)(7)(8)(15)(16)、砂本量(4)(5)(6)(9)(14)(17)
深沢正樹(12)(20)、坂田義和(19)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_02/


第16話 白い罠

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北川が放った銃弾で傷ついた工藤伊佐夫。
右京と薫は病室で彼から話しを聞いたときに"私は人を殺しま
した"という言葉が引っかかっていた。
翌日も彼を尋ねに病院に行くと彼は居なくなっていた。
病室に残されていた"みどり"と書かれたマッチ。
みどりとは沙雪の母の名前で、小樽で彼女が営む小料理店だ
と知りすぐに現場に向かう。
右京は小野田に電話し、工藤が何者なのかを調べて貰う事に
なる。

一方"みどり"についた右京達。
そこには戻ってきた沙雪の姿もあり、母は戻ってきた娘のこと
を喜ぶ。工藤が先程まで居たことを知り、二週間くらい前から
毎日店に来るようになった客で有ることを知る。工藤に色々と
聞かれて要らないことまで話してしまったというみどり。工藤
は自分にも沙雪に似た娘が居たという。
工藤は何処に行ったのか?沙雪は真二のお陰で随分様子が変わっ
てきていた。
そんな中小野田から連絡が入り、受験者リストにも被疑者リス
トにも名前がなかったという。

その頃工藤は札幌に渡り真二と会っていた。沙雪の事をお願い
しますと改めてお願いしにいく。すると偶々真二の事を知って
いる学生が通りかかり、彼の名前を津村と呼んでいく。
津村とは10年前に沙雪の父親が殺害した津村太郎と同じ苗字
だった。
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15話と続き物。
本宮沙雪の周辺にまとわりつくようにしている男性・工藤とは
果たしてどんな人物なのか。

刑事ドラマとしての内容以上に人情ドラマとしての役割の方が
強いものだった。

15話の冒頭で工藤が東京拘置所から出てくる映像が描かれてい
ただけに彼は犯罪者なのか、それとも沙雪の親族とか事件に
関わりのある人物なのか色々と想像させるものが有ったが、
結果は死刑執行を担当する刑務官だという。

死刑執行の映像がかなりチープなものだったので驚く。
絞首が原則だというけれど、本当にあんな形で執行される
のか。

工藤だけでなく沖真二もまた10年前の被害者の遺族だったという
点に驚かさせれるものがあった。

ドラマとしては沖真二が自分が捕まるのを覚悟しつつも殺す
事が出来なかった事がポイントとなるもので、如何に加害者
家族も苦しんできたのかが分かるもの。
被害者家族と加害者家族が同じ様な苦しみを味わってきたと
いう過去がとても皮肉で寂しい気分にさせる。

また工藤と沙雪の関係もとても複雑且つ深いものがあり、
普段は情を通わすはずもない相手に通わせたことで、工藤と
しても忘れられないものになってしまった。

刑を執行する刑務官の難儀な一面を見せられたと同時に、その
名分として被害者遺族の心を癒すためのものだとして言い聞か
せている工藤。それを今になって否定されるという事でやりきれない
思いにさせられるが、沙雪と心を通わせることで上手く彼の
心にも決着が付けられたことと思う。

当初それ程面白い案件でも無いかと思ったが、終わってみると
とても良い感じの葛藤になっているな。

杉下右京 - 水谷豊
亀山薫 - 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 - 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
武藤 かおり - 松下由樹 (弁護士)
宮部たまき - 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 - 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 - 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 - 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 - 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 - 片桐竜次 (警視長)
中園照生 - 小野了 (警視正)
大河内 春樹 - 神保悟志 (主任監察官)
小野田 公顕 - 岸部一徳 (警察庁/警視監)
西肇 - 六角慎司 (捜査第二課員)

大木長十郎 - 志水正義
小松真琴 - 久保田龍吉

本宮沙雪 - 前田愛 (売春容疑)
工藤伊佐夫 - 小野武彦 (東京拘置所から出所)
沖真二 - 内田朝陽 (沙雪の大学の同級生)
若杉栄一 - マギー (タクシー運転者)
本宮みどり - 一柳みる (沙雪の母)
芹沢刑事 - 山中たかシ

坂元貞美、伊藤留奈

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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