黒革の手帖
(2004年10月期・木曜日21時枠)

脚本/神山由美子
演出/松田秀知,藤田明二
プロデューサー/内山聖子,中山和記

http://www.tv-asahi.co.jp/kurokawa1/


第2話 愛欲の獲物


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楢林美容外科クリニックの婦長で楢林の愛人でもある市子を
呼び出した元子。彼女の存在を持ち挙げて、謙治と波子の関係
を卑下する。市子は今は一時熱に浮かされているだけだとする
が、大金を使ったと思えば波子とそう簡単に関係を絶つこと
は出来ないだろうと告げる。元子は市子に連絡場所を手渡す。
元子が行きつけの美容院にいくとそこで波子と鉢合わせする。
オープンは三日後だと聞かされ招待状を受け取る。
元子は波子を潰すならば一番ダメージの大きいときだと悟る。
元子の店はなんとか持ち直した。橋田のバックアップのお陰で
彼が大物を店に引き寄せてくれた為のモノ。更に安島も店に
連れてくる。
謙治は愛人の市子の元を訪れるが、市子は黙ったままなかなか
話を切り出さない。ようやく口を開いたときには、クリニック
を辞めさせて欲しいと告げる。驚いた謙治はすぐに給料を上げ
るので留まって欲しいと懇願。病院は婦長が居ないとやって
いけないという。しかし波子に二億円を渡した事を許せず、
このままでは全部持って行かれると忠告する。
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波子の攻勢を交わすためには何をすればいいのか。
元子の取った策は、波子のパトロンである楢林謙治の愛人に
目を付け彼女から信頼を得ることだった。

上手いこと若い愛人と20年来の愛人を比較するような流れに
なった。
台場の一等地に住み毛皮をまとっている彼女とアパートの一室
で密やかに住む市子。
20年という歳月、謙治とは苦楽を共にした相手であり、不正を
冒してでも利益を挙げてきた二人の涙の結晶をあっさりと
目の前の女性に奪われる事への複雑な思いを上手く引き出そう
とする。
しかしドラマとしては嫉妬の相手を波子ではなく、謙治に向けて
しまうところはやや消化不良。直接的に対決を挑むのではなく
元を断とうとしている事は分かるが、やはり波子から奪って
欲しいと願ってしまう。この辺は追々の展開になるのか。

元子の取った策は、またしても不正経理をネタに金を脅し取る
事。その為に市子に裏帳簿を手に入れさせて脅しのネタにする。
あんまり必要以上に金をせびると逆上する恐れが有るために
5千万円という辺りの設定額が絶妙なモノがあるな。

元子は元銀行員という役柄もあって緻密さとか金銭感覚とか
あらゆる面で計算高いところもドラマとしてはプラスに働いて
いる。
最後は支店長の座を降ろされ異動になった藤岡が襲いかかって
くるけど、当然男性を手玉に取るのだから力で押してくる事も
考えられ、ここらで元子に危険を味わせる事も展開上必要な
演出だと思う。
しかし安島富夫は何でいつも監視しているのかな。

原口元子 …… 米倉涼子 (クラブ「カルネ」のママ)
安島富夫 …… 仲村トオル (代議士秘書)
山田波子 …… 釈由美子 (クラブ「カルネ」のホステス)
中岡市子 …… 室井滋 (楢林美容外科クリニック婦長)
村井亨 …… 渡辺いっけい (元子が勤めていた銀行の支店次長)
紺野澄江 …… 吉岡美穂 (クラブ「カルネ」のホステス)
櫻井曜子 …… 紫吹淳 (元子の行きつけの美容院の店長)
岩村叡子 …… 山本陽子 (老舗クラブ「燭台」のママ)
橋田常雄 …… 柳葉敏郎 (橋田医科進学ゼミナール理事長)
長谷川庄司 …… 津川雅彦 (総会屋)
楢林謙治 …… 小林稔侍 (楢林美容外科クリニック院長)

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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