砂の器

脚本/龍居由佳里

http://www.tbs.co.jp/utsuwa/


第10話 宿命・最終楽章前編


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和賀英良は一人亀嵩に向かっていた。目的は逃亡ではなく
"宿命"の最後の仕上げのため。ホームに降り立つ英良は
父親との記憶を思いだし叫ぶ。
彼の後をつけてきた今西は彼の前に躍り出て、何故ここに来た
のかを問う。曲を完成させるため。宿命を僕に弾かせてくれと
いう彼は完成披露のコンサートの為、最後の仕上げに取りかか
る。
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今回は主に本浦家が差別に有っていた"大畑事件"前後の事が
描かれた。

全ては合同捜査会議の場で今西が語る形で全てが明かされる。
これまでのドラマを見ていれば想像の域を超えていないのでは
無いかと思わせる所もあるが、大体は間違っていないのだと
思う。

英良は何故過去を知っている人に会いたくはないのか。そして
過去を知っている人に会っている所を他人に見られたくないの
か。

今まで英良に対して同情心が生まれてこなかったが、今回の
物語を見るとその境遇に感情移入が出来ると思う。

差別はダム建設の是非に於いて、村人の思惑から外れた鬱憤の
全てを本浦千代吉らが受けたことだった。ドラマではそれ以前
から何かにつけては差別を受けていたという感じだったね。
共同作業が必要な農家に於いて、村八分に会うことは死を意味
していた。

妻の容体が悪化したときにも村の医師達が宴会をしている対象
的な場面を描き、より村人に復讐する動機付けを行う。
人間の心を鬼に変えてしまう制裁。鬼が鬼を生んでしまったと
いう通り凄まじい復讐心が村人を襲う。

今は湖の下に沈んでいる村でこんな事が有ったなんて、なんだか
衝撃的な作りだ。その後は放浪の旅に出る映像が永遠と映され
た。

今回の三木謙一が亡くなった件を考えると殺人が故意では無い
といえ、過去を知る人がその人の前に現れずそっとしておいた
良い事も有るんだなと実感させられた。

和賀英良 ……… 中居正広 (ピアニスト)
吉村雅哉 ……… 永井大 (蒲田西署巡査)
関川雄介 ……… 武田真治 (評論家)
田所綾香 ……… 京野ことみ (英良の婚約者)
本浦房 ……… かとうかずこ
本浦秀夫 ……… 斎藤隆成
唐木イサム ……… 松岡俊介 (演出助手)
宮田誠 ……… 岡田義徳 (衣装係)
扇原玲子 ……… 佐藤仁美 (英良の元彼女)
桐野カヲル ……… 佐藤めぐみ (女優)
三木謙一 ……… 赤井英和 (博の父。岡山出身)
三木博 ……… 佐藤二朗 (謙一の息子(養子))
桐原小十郎 ……… 織本順吉 (地元の金持ち)
麻生譲 ……… 市村正親 (劇団響・主宰者)
今西純子 ……… 森口瑤子 (修一郎の妻)
クラブのママ ……… 根本りつ子
佐々木健次 ……… 石丸謙二郎 (捜査一課)
野口信吾 ……… 芹澤名人 (西署巡査部長)
黒木肇 ……… 辻萬長 (捜査一課・管理官)
大崎医師 ……… 江藤漢済
田所重喜 ……… 夏八木勲 (元農林水産省大臣)
本浦千代吉 ……… 原田芳雄
成瀬あさみ ……… 松雪泰子 (女優)
今西修一郎 ……… 渡辺謙 (警視庁・捜査一課・警部補)
下田明 ……… 甲本雅裕

広岡由里子、常泉忠通、江藤漢斉、児玉頼信、岩田丸
加世幸市

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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