相棒 シーズン4 脚本／入江信吾

第7話 波紋
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雨の日の夜、大金を持った青年・池田俊太郎が交番にやってくる。
ポストに金が入っていたとの事で、それが世間でも話題になり、
翌日から次々と持ち主だとするものたちが交番を訪れる。
薫と右京は交番勤務の下薗巡査に頼まれ、そんな人たちの対応
に出ていた。かつて捜査一課時代に色々と事件の際に助けて貰
ったという。

有る晩帰宅する池田に金を返せと迫る古谷稔(36歳)という男性
がやってきた。誰かがオレの金を盗んでポストに入れたのだと
いう彼は、池田を激しく殴り飛ばす。
偶然通りかかった薫と右京は、傷付いて倒れている彼を介抱
する。しかし何故マスコミにも名前が伏せられているのに男は
池田のことを拾得者だと分かったのか?
週刊流言という雑誌には身元が分かる顔写真付きの記事が掲載
されていたのである。正直者が馬鹿を見る世の中だと呟くと
薫はそんな世の中にはさせないと誓うのだった。

そんな中アパートで一人の男性が殺傷される。被害者は古谷稔。
第一発見者の大家だった。隣人の新井山宗次によると昨晩
数人が言い争う声を聞いたという。遺体は刺し傷とは別に、集団
でリンチされた様な傷跡が残されていた。

双葉大学に通う池田は新聞に記載される古谷の写真から、先日
自分に暴行を加えたのは彼だと薫に連絡する。
これ以上恐い思いはしたくないという池田。古谷は麻薬の売人
で有り売上金を盗まれていた。
そんな中米沢が検死結果を持ってやってくる。
傷痕から生活反応が見られないことから、背中を刃物で一撃され
た後、リンチのように見せかけた傷だと判明する。

薫と右京は泉川交番へと足を運ぶ。
右京は行くところが有るとして早々に何処かに一人で行く。
薫はその間に昼食を食べに行く。すると柔道少年の姿を見て
薫は"帯"についてふと思いつくところがあった。

一方右京は池田が通う大学の教授の元を訪れる。
池田について尋ねると、彼は潔癖で友人は少ないことを聞き、
彼は心理学を専攻しており、達観した所が有ると聞かされる。

花の里で食事をする右京と薫たち。
そこで薫は右京に、ヤクの売り上げを盗んだにしては、お金には
帯留めがしてあったことを指摘する。

右京は池田がアルバイトしているコンビニへ観察しに行く。
すると彼は空き時間にスポーツ新聞を手にしているのを見掛ける。

後日大学を訪れ池田に話しを聞きに行くと、彼はスポーツには
全く興味がない事を聞く。右京は免許証を見せて貰うと、彼の
生年月日が昭和59年6月28日であることを知る。

そんな中、600万円の本物の持ち主が現れたと報告が入る。
持ち主は梶多恵子。タンス預金していた金を盗まれたのだという。
紙幣番号を控えており、札束6枚の紙幣番号が一致したことで
持ち主だと断定されたことを聞かされる。しかし釈然としない
様子の右京だった。
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★600万円は誰が投函したのか?

大学生・池田の元に届けられた600万円。
素直に警察に届けたことで、世間は正直者として彼を祭り上げ
る。それとは別に持ち主は自分だとして群がってくる人たちの
人間性。悲しいけど人間らしさが現れるものだった。

★池田は馬鹿なのか、それとも達観しているのか?

元々は池田が周りの影響力を見誤っていたことで、色んな事件
に波及してしまった。金がかかると人間は本当に醜くなって
しまうね。

しかしコンビニでアルバイトしていて金の大切さを知るであろう
彼が、わざわざ自分の金を拾得物として届けるのは、実験のため
とはいえ少々安易な感じがする。

★競馬絡みの事件

交番の巡査が競馬に興じていたことで、なんとなくその後の
ストーリーの青写真は描けてしまうモノ。
巡査と梶多恵子が交番で話をしていたけど、競馬好きでも
あんな買い食いとかトモとか話題にするものですかね。
専門用語を知っているという事でまた一つ右京の博識ぶりを
描いたモノなのかも知れない。

★麻薬の売人が殺された事件

あっさり犯人は捕まってしまった。
隣人の真面目な男性が犯人だった。
能見達也さん、韓国のサッカー選手、ホン・ミョンボみたいで
なかなかのイケメン。

★右京レーダーと薫の先入観

右京レーダーは妙なところに反応すると、たまきも交えて話
をしていた所が笑える。

一方張り込みする右京に対して薫は差し入れする。
牛乳とあんパンを持って行く薫に対して、刑事の張り込みに
関して妙な先入観が有るとの事だった。
日本は牛乳とあんパン、アメリカはコーヒーとドーナッツという
所なのでしょうか。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫…… 寺脇康文 (警視庁特命係員)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (ジャーナリスト)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

梶多恵子 …… 絵沢萠子 (ギャンブル好きのおばさん)
池田俊太郎 …… 中村友也 (心理学専攻の双葉大学生)
下園司 …… 音尾琢真 (神谷警察署・泉川交番勤務)
新井山宗次 …… 能見達也 (古谷の隣人の住民)
古谷稔 …… 犬飼淳治 (麻薬の売人)

横山あきお、生木政壽、山内勉、菊地由希子、きくちとめお
三谷悦代、原田文明、宮沢大地、斉藤かおり、小森郁子
岡田雄、齋藤真一、杉山大喜、兼田康平、村石磨由登

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)