電車男 10話

脚本/武藤将吾
出演/伊東美咲、伊藤淳史、白石美帆、佐藤江梨子、須藤理彩 
速水もこみち、劇団ひとり、菅原栄二、佐藤二朗、前川泰之
堀北真希、小出早織、小栗旬、六角精児、温水洋一、我修院達也
山崎樹範、岸部シロー、豊原功輔、秋吉久美子

http://wwwc.fujitv.co.jp/denshaotoko/index2.html

責任を感じてネットで見守る陣釜・白石美帆がなんとも可愛らしく
伊藤淳史を見守る人々の暖かさに触れる展開。

てっきり最終回かと思っていたが、もう一話残っているようだ。
それだけに今回は落ち込む伊藤淳史に再び勇気を与えるまでを
ゆっくりと描く話しであると共に、先入観だけで嫌悪感を示した
伊東美咲に、再び正面きって向き合うまでを描いた話しで有った。

ネット住民の言動を見ていると、大昔の青春群像劇のような
純粋さと仮想現実の中だからこそ本音が言い合える世界という枠
を越えて、現実的に一つの目的に向かって一致団結する"臭い"
やりとりがあるのだが、そこにある種の心地よさを感じるのも
事実であり、なかなか面白かった。

頭の中で思っていてもなかなか行動に起こせないものだが、
現実にアクションを起こすからこその爽快感が有るのかも
知れない。

知らぬ間に自分の事を赤の他人に知らされているという嫌悪感に
勝るほどの現実が書き込みの中に記されているのかどうか。
伊藤淳史を毛嫌いしていた佐藤江梨子を使い、そんな嫌悪感を
無味無臭のものとした事はなかなかの説得力が有ったのでは無い
だろうか。

電車男に協力する見返りに、自分たちも力を与えて貰っている
という相互関係がバランスよく成り立ち、そこに様々なドラマが
存在して助け合う姿は電車男という存在の中に自分というものの
価値を見いだしているのかも知れない。

今回最も魅力的なキャラクターで有った白石美帆。
時には優しく時には攻撃的な姿を見せるところが面白いのだが、
そんな魅力溢れる白石美帆との関係を寸での所で断ち切る事が
出来る純粋さを持つ電車男だからこそ、物語の主人公になれるの
だと思う。

評価:★★★★☆

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