大奥 〜華の乱〜
(2005年度10月期・フジテレビ)

企画:保原賢一郎
プロデュース:林徹・手塚治・樋口徹・金丸哲也
脚本:浅野妙子・尾崎将也
演出:林徹
音楽:石田勝範

http://www.fujitv.co.jp/oh-oku/index2.html


第4話 疫病神

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右衛門佐は教養が有って気品に溢れていて美しい。やはり京の
女性は違う。葛原ら奥の女中たちも噂し始める中、それに快く
思っていない人たちもいるだろうという。

右衛門佐は奥に入ったのを機会に桂昌院に挨拶に行く。
妙見堂の敷石を桂昌院が建設させたことを褒める。人はなかなか
足下にまでは目が行かないものだが、感服したとしてご機嫌取り
をする。桂昌院はそんな彼女の態度に評価しつつも、彼女の持っ
てきた京のお菓子を見て油断ならない女性であると実感する。

右衛門佐が桂昌院に挨拶した事を萩乃から聞いたお伝は、次は
自分の所にも来るかも知れないとして、松波たちに部屋を清掃
するよう申しつけるが、彼女はお伝を完全に無視する。

綱吉や側室や集まる中で、話題は右衛門佐の事になるが、みなが
彼女を褒めるのとは逆にお伝は教養など無いことを訴える。
挨拶にこなかった事を理由に、これが見識者のやり方かと不満を
漏らすと、安子がそれを否定する。安子は側室とは距離を置こ
うとして配慮されたものだとして、それこそ素晴らしい態度だ
と告げる。

信子は右衛門佐がお伝に一泡吹かせた行動や、安子がフォロー
したことを大いに褒る。素性卑しきものが大奥で顔を大きく
している現状を嘆き正すべきだという。
しかし右衛門佐は安子と二人っきりになると、御台所は大奥を
よくしたいと言っているが、自分の立場をよくするために私を
張り合うための道具にしているのであろうと告げる。世の乱れ
は殿方の不甲斐なきせいだが、大奥は女性がこの世を動かす
事が出来る唯一の場所だとして、安子に語って聞かせる。

奥では右衛門佐が自らの教養を活かすために講義を開き始める。
これが女中たちの間では人気になり、お伝の側用人たちも
聞きに行き始める。松波だけは最後までお伝に忠誠を誓うが・・

音羽は桂昌院に右衛門佐の事を報告。
大奥を乗っ取ろうとしている彼女に対して懸念を示すが、柳沢
吉保はその時、側室は大奥の総取締にはなれない事を告げ、
それを受けた桂昌院は彼女を側室にあげようと工作する。
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相変わらず面白い展開だった。
特にお伝の素性が卑しいという事で、彼女がそんな境遇に劣等
感を抱いている現状がとてもよく現れている。
ドラマとしては、お伝いじりの展開で、彼女を小馬鹿にする
様な展開が彼女の心の中に闘志を燃やさせ、その怒りの拠り所
を安子へと向けていく様子が面白く描かれている。

お伝の兄なども出てくるが、この人がまたどうしようもない
体たらく者で、大奥の中で起きている現状など全く知らずに
妹に金をせびりに来る辺りが実に小憎らしい。
この辺がまさに卑しい身だと言われるに値するところだが、
その分お伝の中にある徳松に固執する上手い理由付けになって
いる。

右衛門佐の教養の高さそして小狡しいところも、彼女が容易に
利用され振り回されるキャラクターでは無いところにドラマと
しての面白さが詰まっているし、女性同士の連帯感の中に何の
保証も信頼感も無いところが不気味に映る。

ちょっと寂しいのが柳沢が現在成りを潜めている点か。
染子に対して自らの立場を守るために利用したことを謝る辺りの
シーンが意外にも一番印象に残るところが面白いね

最後は安子とお伝の直接対決。
子供を孕んでいる身なので攻撃する理由も分かるが、彼女が一番
攻撃しやすい立場の人間である事も同時にあるからね。

そういえば久しぶりに秀尾の"美味でこざいます〜"が見られたな。

安子(綱吉側室、牧野成貞の娘):内山理名
徳川綱吉(第5代将軍):谷原章介
お伝の方(綱吉側室):小池栄子
右衛門佐(信子付上臈御年寄のちの大奥総取締):高岡早紀
柳沢吉保(綱吉側用人):北村一輝
大典侍(綱吉側室):中山忍
染子(吉保側室):貫地谷しほり
葛原(奥女中):鷲尾真知子
美吉野(〃):山口香緒里
秀尾(〃):久保田磨希
小山(安子付中臈):かとうあつき
萩乃(お伝付中臈):岩橋道子
草庵(医者):山田明郷
阿久里(安子の母):萬田久子
牧野成住(安子の元夫):田辺誠一

牧野成貞(綱吉側用人、安子の父):平泉成
柳沢吉里(吉保の子):野間斗晴→佐藤涼平
隆光(僧侶):火野正平
小谷権太郎(お伝の兄):木下ほうか
曲芸師:海老一染之助
清閑寺大納言(大典侍の父):二瓶鮫一
菊江(安子付部屋方):遊井亮子
徳松(綱吉の子):加藤翼→吉川史樹
鶴姫(綱吉の娘):梅原真子
徳川家宣(綱吉の甥、のち第6代将軍):柴田善行
徳川光圀(水戸藩主):大杉漣
音羽(桂昌院付中臈)・ナレーション:余貴美子
桂昌院(家光側室、綱吉生母):江波杏子
信子(綱吉正室):藤原紀香

高橋静香、鈴川法子、高野由味子、あきやまりこ
富永佳世子、山本晶子、上鶴良子、澤田今日子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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