大奥 〜華の乱〜
(2005年度10月期・フジテレビ)

企画:保原賢一郎
プロデュース:林徹・手塚治・樋口徹・金丸哲也
脚本:浅野妙子・尾崎将也
演出:林徹
音楽:石田勝範

http://www.fujitv.co.jp/oh-oku/index2.html


第8話 お犬様

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病に伏せる綱吉の後継者として誰が適任なのか、水戸の光圀公
を中心として話し合いが為される中、柳沢は突然綱吉の血を
引き継ぐ子供が居ると告げる。

一方寝込み続けている綱吉は安子に対して、全ては私が悪い
事を告げる。安子は右衛門佐が語っていたことを思い浮かべて
いた。世の中の元凶は綱吉にあること。それを踏まえて安子
は彼女から毒の袋を手渡されていた。綱吉に飲ませるべきか
どうかで悩む中、綱吉は安子の前で将軍の座などに未練は無い
こと、家来や女子、そして母親さえも要らず、誰にも会いたく
ないこと。ただ安子と二人で居たい事を言われて毒を飲ます
事が出来無い彼女。

そんな中上様に若君が居ることが報告される。当然音羽から
桂昌院にもその情報は伝わる。
それを知って右衛門佐は安子から毒を取り戻すと、今綱吉を
殺めても柳沢が喜ぶだけだとして、静観する構えであると告げ
る。

一ヶ月後、染子と吉里が側室としてやってくる。世継ぎがいる
事を知った綱吉の容体も急激に快方に向かう。
柳沢は奥へと上がった染子と別れを告げるが、殿の役に立てて
嬉しいという染子は静かに現実を受け止める。

お伝は心中穏やかではなかった。桂昌院は鶴姫を継承争いに
利用しようとしていたが、吉里の存在が分かると同時にすっか
りその事を忘れているのである。お伝はその時部屋にやって
来る犬・竹丸の姿を見て邪魔だと邪険に扱うが、生類憐れみの
令が出たことを知って、馬鹿なお令を出した物だとして一蹴
する。
生類憐れみの令が出たことで益々取締りが厳しくなり、それは
城内でも同じだった。生きた魚さえ食べられない現状に不満
を募らせる者達も多かった。光圀は四万頭の犬を幕府が保護
している事を聞いて、管理費の莫大な支出に懸念を示すと共に
権益の一部が柳沢に流れているのを掴む。
光圀は殿宛てに犬の毛皮を贈ったとして、どんな顔をするのか
楽しみだと告げる。
そんな中光圀の元を訪れる右衛門佐に対して、音羽が自分が
送り込んだスパイである事を告げ、音羽と共に協力していく
事を告げる。
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今回は柳沢の素性が安子に伝わっていくという話だった。

継承者争いはもちろんドラマの支柱として存在しているが、
今回はなんといっても犬の毛皮を巡って一波乱起こるところが
面白かった。
歴史もののドラマだとなかなかこういう遊び心に溢れたシナリ
オが見えづらいものだけど、本当に面白く作られたなという
感じ。今回は浅野さんではなく、尾崎将也さんのシナリオだった
事もあってそんな遊び心が含まれていたのかも知れないね。

張り合っているのがお伝と大典侍だったという点が良かったな。

さて柳沢の陰謀が徐々に判明していく。
右衛門佐と信子らは早くからこの事実に気がついていたが肝心の
証拠がないために今一歩突き詰めることが出来無い。

犬騒動で安子のピンチに乗じて右衛門佐が躍り出てくるところ。
このタイミングだとばかりにやってくる彼女のソツの無さが
際立っていたがそれ以上に柳沢の策士ぶりが伺える。

安子の処分を巡る話し合いの時の、綱吉の訴えは馬鹿殿にしては
良くやった方だ。安子の気持ちを揺るがすのに十分な訴えだった
し、権力争いにはこれ以上関わりたくないとする綱吉の境遇から
来る不幸というのも感じることが出来た。

それにしても利き腕が親子の証しというのもちょっとヘンな
話だな。もう少し分かる形が用意できなかったのだろうか。

安子(綱吉側室、牧野成貞の娘):内山理名
徳川綱吉(第5代将軍):谷原章介
お伝の方(綱吉側室):小池栄子
右衛門佐(信子付上臈御年寄のちの大奥総取締):高岡早紀
柳沢吉保(綱吉側用人):北村一輝
大典侍(綱吉側室):中山忍
染子(吉保側室):貫地谷しほり
葛原(奥女中):鷲尾真知子
美吉野(〃):山口香緒里
秀尾(〃):久保田磨希
小山(安子付中臈):かとうあつき
萩乃(お伝付中臈):岩橋道子
草庵(医者):山田明郷
阿久里(安子の母):萬田久子
牧野成住(安子の元夫):田辺誠一

牧野成貞(綱吉側用人、安子の父):平泉成
柳沢吉里(吉保の子):野間斗晴→佐藤涼平
隆光(僧侶):火野正平
小谷権太郎(お伝の兄):木下ほうか
曲芸師:海老一染之助
清閑寺大納言(大典侍の父):二瓶鮫一
菊江(安子付部屋方):遊井亮子
徳松(綱吉の子):加藤翼→吉川史樹
鶴姫(綱吉の娘):梅原真子
徳川家宣(綱吉の甥、のち第6代将軍):柴田善行
徳川光圀(水戸藩主):大杉漣
音羽(桂昌院付中臈)・ナレーション:余貴美子
桂昌院(家光側室、綱吉生母):江波杏子
信子(綱吉正室):藤原紀香

高橋静香、鈴川法子、高野由味子、あきやまりこ
富永佳世子、山本晶子、上鶴良子、澤田今日子
上田こずえ、新村あゆみ

平井三智栄、中谷祐香、藤原真季子、渋谷めぐみ、笹本俊志
田井克幸、下元佳好、山川晃輝、野間斗晴

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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