大奥 〜華の乱〜
(2005年度10月期・フジテレビ)

企画:保原賢一郎
プロデュース:林徹・手塚治・樋口徹・金丸哲也
脚本:浅野妙子・尾崎将也
演出:林徹
音楽:石田勝範

http://www.fujitv.co.jp/oh-oku/index2.html


第9話 遺言

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桂昌院は、吉里の正体が分かると同時に倒れる。
安子は全ての元凶の引き金が柳沢にあることを知って睨む。
その視線に気がついた柳沢は彼女を呼び出し、連れていった先
にはなんと殺害されたと思っていた成住の元だった。
成住は安子と会うと、まずは子供の事を聞く。安子は本当の事
が言えずに元気に育っていることを告げる。成住は現在写経
を写して暮らしていることで因果というものを感じたという。
上様を恨むのではなく、よりよく生きられるために導いてあげ
て欲しいと告げる。
柳沢は成住の命が大切ならばと安子に要らぬ動きはしないよう
釘を刺す。

そんな中安子は染子が影で涙している姿を目撃する。
私には打ち明けて欲しいとして安子は染子に優しく声を掛ける。
すると吉里は上様の子供では無い事を告白する。その会話を
影で聞いていた右衛門佐と音羽は、悪いようにはしないので
桂昌院の御前でその事実を話して欲しいと説得する。

信子は倒れた桂昌院の世話をする。
桂昌院はその姿に心打たれたのか、迷惑を掛けたことを詫びて
全ては上様のために行ったと告げる。しかし信子は上様の御ため
といえば許されると思っているのかとして、嫁いでくる時は
大切にしてもらえるものかと思って京から出てきたが、全ては
捨て駒だったことを告げる。吉里が本当に上様の子なのかと
桂昌院が大切にしているものを打ち砕こうとする。更に桂昌院
の出身をあざ笑い、所詮身分の低い人だと笑う。そして最後に
今でも染子と柳沢は密会していることを告げる。
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今回は桂昌院が亡くなる話だった。

全ては吉里という男児を巡って、この人物が本当に上様の子
なのかどうかで葛藤がある。

桂昌院の最後と言うこともあって信子が久しぶりに本音を語る
シーンはとても興味深いが、復讐することもなくただ桂昌院が
亡くなっていくというのはちょっと味気ないものがあった。
しかし最後になって見下した発言をしたことはかなりインパクト
が有ったな。

柳沢と染子の気持ちが色濃く描かれた。
柳沢が何故綱吉に対して敵意をむき出すことになったのかが
語られ、鬼神と化した事に上手く理由付けしてある。その上で
現在の柳沢がどれだけ無情になれるのかを描くためにまさかの
染子殺害。ここまで来て止めることの出来無い柳沢の暴走だが
そんな柳沢の身が安泰ではない要素が浮かび上がった事で
ラストも興味深い展開となりそうだ。

完全に蚊帳の外にいる大典侍の妙な自信感が滑稽に写ったり、
お伝の出番が無く、ただ睨むしか無いところが残念。
なんとか最後に見せ場を用意して欲しいところだけどね。

安子(綱吉側室、牧野成貞の娘):内山理名
徳川綱吉(第5代将軍):谷原章介
お伝の方(綱吉側室):小池栄子
右衛門佐(信子付上臈御年寄のちの大奥総取締):高岡早紀
柳沢吉保(綱吉側用人):北村一輝
大典侍(綱吉側室):中山忍
染子(吉保側室):貫地谷しほり
葛原(奥女中):鷲尾真知子
美吉野(〃):山口香緒里
秀尾(〃):久保田磨希
小山(安子付中臈):かとうあつき
萩乃(お伝付中臈):岩橋道子
草庵(医者):山田明郷
阿久里(安子の母):萬田久子
牧野成住(安子の元夫):田辺誠一

牧野成貞(綱吉側用人、安子の父):平泉成
柳沢吉里(吉保の子):野間斗晴→佐藤涼平
隆光(僧侶):火野正平
小谷権太郎(お伝の兄):木下ほうか
曲芸師:海老一染之助
清閑寺大納言(大典侍の父):二瓶鮫一
菊江(安子付部屋方):遊井亮子
徳松(綱吉の子):加藤翼→吉川史樹
鶴姫(綱吉の娘):梅原真子
徳川家宣(綱吉の甥、のち第6代将軍):柴田善行
徳川光圀(水戸藩主):大杉漣
音羽(桂昌院付中臈)・ナレーション:余貴美子
桂昌院(家光側室、綱吉生母):江波杏子
信子(綱吉正室):藤原紀香

高橋静香、鈴川法子、高野由味子、あきやまりこ
富永佳世子、山本晶子、上鶴良子、澤田今日子
上田こずえ、新村あゆみ

井上紀子、藤原真季子、白井滋郎、佐藤涼平

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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