大奥 〜華の乱〜
(2005年度10月期・フジテレビ)

企画:保原賢一郎
プロデュース:林徹・手塚治・樋口徹・金丸哲也
脚本:浅野妙子・尾崎将也
演出:林徹
音楽:石田勝範

http://www.fujitv.co.jp/oh-oku/index2.html


第10話 乱心

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染子が自害したことが知れ渡る。柳沢が来たときには時既に
遅かったという。綱吉は染子を手厚く弔えと命令する。
綱吉は染子が自害した原因について、血筋の事であらぬ噂を
されて心労を得ていたことも原因の一つだとして今後はその手
の話題は慎むよう命じられる。
お伝は徳松の墓の前で安子に尋ねる。徳松を殺めたのは貴方で
すか?と。それを否定した安子に、お伝もまた自分の責任を
認めもしも梅が死の原因ならばと謝罪すると、安子はお伝を
労る。

一方信子と右衛門佐、音羽が集まる前で安子に毒薬によって
殿を殺めよと告げる。安子は出来無い事を告げると、御台所に
盾を付くのかと激怒。右衛門佐は安子に、殿の優柔不断な決断
が全ての元凶である事を告げ改めて殺害するよう告げるが、
その話を影で聞いていた大典侍が、その役目は私に任せてくれ
という。柳沢の権勢を下ろさせるためには私が身籠もれば良い
ことだという。既に月のものが3ヶ月来ていない事を告げ、妊娠
している可能性を示唆する。それを聞いた信子は彼女に鋭い
視線を投げかける。

その夜中、誰にも子供は産ませないとして、信子は大典侍の
寝床近くの床に蝋を塗る。しかしその途中でロウソクの火を
倒してしまい、それが信子の着物に引火。瀕死の重傷を負う。
信子は安子が手を下さない事に対してまだ手立ては有ると
執念を見せる。
信子と綱吉は二人っきりになった際に、薬を口移しで飲ませて
欲しいと催促する。綱吉が口に含んだ時を狙い口を塞いで
綱吉殺害を企てる。私を蔑ろにした事、次々と女子に子供を
産ませた恨みだと告げる。そして長丸を殺したのは自分であり
柳沢が用立てた毒を使ったことを語る。
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いよいよ最終話。
どんな形でそれぞれの物語を集結させるのか。

成住のエピソードの終わらせ方は、まだまだ伝え切れていない
事実を元に恨みの矛先を上手く柳沢に向けて処理した格好と
なった。
その直後の柳沢と安子がすれ違うシーンなどとても雰囲気が
出ていたし、どんな顛末になったのか上手い引っ張り方だった。

まさかお伝と安子の因縁の決着が有るとは思わなかった。
この話既に解決済みかと思っていたけど、確かに徳松を殺した
のが安子ではないかという疑念が当時存在していたからね。

信子の終わり方にもとても魅力が詰まっていて、最後に全ての
事を洗いざらい綱吉に告げて、今まで隠し通していた恨みを
上手く昇華させた結果となった。残念ながらその行動で綱吉は
しななかったが、それなりに満足のいく成仏への道筋が立てら
れた。

問題は謀略を続ける柳沢の処分と、安子の恨みをどの様に
昇華させるのかという点だ。
綱吉は柳沢に対して有る意味恨みを相殺させるために殺させる
格好となった。安子の元夫である成住が恨みからは何も生まれ
無いことを説いたように、今回は皆が皆、自分の中で恨みを
かみ砕いていくという形を用意。

最後に至までに安子というキャラクターに上手いこと恨みを
押しつけ彼女が全てを一心に受けたような形になった。
最後は彼女の言葉一つで色んな結末が用意できたが、敢えて
殿の言葉や成住の伝えたい意図を踏襲して結末に持って行った
オチは決して悪いものではなかったと思う。

しかし作りようによってはまだまだこのシリーズは続けること
が出来そうだな。日本人は長編ドラマを作るのかあまり上手く
ないのでこのドラマは長く続けて欲しい気もする。

安子(綱吉側室、牧野成貞の娘):内山理名
徳川綱吉(第5代将軍):谷原章介
お伝の方(綱吉側室):小池栄子
右衛門佐(信子付上臈御年寄のちの大奥総取締):高岡早紀
柳沢吉保(綱吉側用人):北村一輝
大典侍(綱吉側室):中山忍
染子(吉保側室):貫地谷しほり
葛原(奥女中):鷲尾真知子
美吉野(〃):山口香緒里
秀尾(〃):久保田磨希
小山(安子付中臈):かとうあつき
萩乃(お伝付中臈):岩橋道子
草庵(医者):山田明郷
阿久里(安子の母):萬田久子
牧野成住(安子の元夫):田辺誠一

牧野成貞(綱吉側用人、安子の父):平泉成
柳沢吉里(吉保の子):野間斗晴→佐藤涼平
隆光(僧侶):火野正平
小谷権太郎(お伝の兄):木下ほうか
曲芸師:海老一染之助
清閑寺大納言(大典侍の父):二瓶鮫一
菊江(安子付部屋方):遊井亮子
徳松(綱吉の子):加藤翼→吉川史樹
鶴姫(綱吉の娘):梅原真子
徳川家宣(綱吉の甥、のち第6代将軍):柴田善行
徳川光圀(水戸藩主):大杉漣
音羽(桂昌院付中臈)・ナレーション:余貴美子
桂昌院(家光側室、綱吉生母):江波杏子
信子(綱吉正室):藤原紀香

高橋静香、鈴川法子、高野由味子、あきやまりこ
富永佳世子、山本晶子、上鶴良子、澤田今日子
上田こずえ、新村あゆみ

井上紀子、坂下百合子、白井滋郎、佐藤涼平、峰蘭太郎
柴田善行

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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