最終回と言うだけ有ってドラマの中で別れ有り、またこの島に居残るもの
有りと、決断を迫られる展開であった。

改めて成海璃子の島への思いを探るために、忘れかけていた西田尚美の
存在を再び登場させて今後を選択させるエピソードを持ってきて、その
中で島への思いを伝えると共に、血の繋がらない親子の絆を強調し、
彼女がこの島の一員としてこの数ヶ月の間如何に溶け込んでいるのかを
描いて見せた。

また彼女だけでなく、この島に来て最も言動の違いが顕著に現れていた
小西真奈美の気持ちの変化。そして竹野内豊の現在の素直な心情をスト
レートに表現し、この島の存在意義を明確に示したエピソードの集合体
で物語を構成した。

決断を揺るがす数々のエピソードを次々とぶつけて、それを成海璃子の
意思で乗り切らせる毎に、彼女の成長する姿を感じさせる。今まで少し
ずつ成長する姿を見せていた物語の集大成であり、改めて素直な子供
らしい姿を取り戻した成海璃子のあいくるしさを感じること出来た。

もう少し時間が有れば、物語冒頭で島民が追い出そうとしていた竹野内
豊の存在を認めさせるエピソードが有れば良かった。
予約券を渡す別れ方はとても気が利いていてよい演出では有るものの、
成海璃子以外がこれを渡すときはやや不自然さが残った。


評価：★★★★☆