タイガー&ドラゴン
(TBS・2005年4月期・金曜22時枠)

プロデューサー - 磯山晶
脚本 - 宮藤官九郎
演出 - 金子文紀、片山修、坪井敏雄

http://www.tbs.co.jp/TandD/


第1話 芝浜

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浅草で落語家の林屋亭どん兵衛の高座を聞いた山崎虎児は
彼に弟子入りを志願する。しかし断られる彼。どん兵衛には
新宿流星会の組長から400万円の借金をしている事が分かり、
虎児は1ネタを教えて貰う変わりに10万円を払うという。

なかなかネタを覚えられない虎児。
しかしある時どん兵衛は、虎児にぴったりのネタが有るとして
「芝浜」を紹介する。借金まみれの夫婦の人情物語だという。

働かない夫になんとか働かせようとする女房。
ある時夫は渋々仕事に出掛け、眠気覚ましに海で顔を洗ってい
るとそこには50両の入った財布を拾ったという。神様の粋な計
らいだとして、その日は飲めや歌えやで宴会騒ぎ。起きてみる
と財布が無くなっており、大量に飲んだ酒ビンだけが転がって
いた。妻は夢を見ただけだという。
しかし酒代を払うことも出来ず、もう二度と酒は飲まずにマジ
メに働くとして、その場は許して貰う。酒を飲まずに3年の時
を真面目に働き借金を返した頃、妻は財布は隠していた事を
告げる。
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連ドラ前に有った2時間ドラマを見ていないと微妙に話が
繋がらないものが有ったが、ドラマはとても良くできていた。

個人的に面白かったのは、阿部サダヲの髪型と谷中竜二とリサ
のやりとりの場面。そして何と言っても虎児にヤクザ(取り立て
屋)としての顔と、噺の弟子としての立場が有ることから、
林屋亭どん兵衛に対して時に高圧的に出たり、時に低姿勢に出た
りして、そのキャラクターの使い分けが為されている点。
そんなキャラクターを上手く受け止める西田敏行の味わいの深さ
がとても良く描かれていた。

一話目は有名な噺を題材として持ってきた。
古典落語では有るが、なかなか覚えられない虎児が現代っぽい
物語に置き換えて高座の中で発表していく。
全ては身の回りの人物に置き換えるわけだが、置き換えるだけ
でなく本当にその物語としてドラマの中では展開されている
のだから凄い技巧的な内容だ。

過去の宮藤官九郎のドラマに出てきた様な人たちがこぞって
出演しているところも安心してみていられる要素か。
有る意味では「木更津キャッツアイ」などよりも上手く構成され
ているドラマだと思う。

山崎虎児 …… 長瀬智也 (27歳・高座名は林屋亭小虎、ヤクザ)
谷中竜二 …… 岡田准一 (24歳・どん兵衛の次男)
林屋亭どん兵衛 …… 西田敏行 (古典落語一筋の昔気質な噺家)
谷中小百合 …… 銀粉蝶 (妻)
林屋亭どん太 …… 阿部サダヲ (本名・谷中竜平、長男)
谷中鶴子 …… 猫背椿 (どん太の妻)
谷中沙耶 …… 江本花琳 (ん太と鶴子の長女)

林屋亭どん吉 …… 春風亭昇太
林屋亭どんつく …… 星野源
林屋亭どんぶり …… 深水元基
林屋亭うどん …… 浅利陽介

組長 …… 笑福亭鶴瓶 (本名・中谷謙、昔気質のヤクザ)
中谷銀次郎 …… 塚本高史 (虎児の舎弟で組長の息子)
日向純一 …… 宅間孝行 (新宿流星会若頭)
中谷静 …… 伊藤修子 (新宿流星会組長の娘)

メグミ …… 伊東美咲 (はとバスガイド)
リサ …… 蒼井優 (「ドラゴンソーダ」で働く従業員)
チビT(タケシ) …… 桐谷健太 (竜二の友人、中古レコード店)
淡島ゆきお …… 荒川良々 (高座名はジャンプ亭ジャンプ)
辰夫 …… 尾美としのり (そば屋「そば辰」の主人)
半蔵 …… 半海一晃 (おでん屋台「半蔵」の主人)
よしこ …… 松本じゅん (純喫茶「よしこ」のママ)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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