タイガー&ドラゴン
(TBS・2005年4月期・金曜22時枠)

プロデューサー - 磯山晶
脚本 - 宮藤官九郎
演出 - 金子文紀、片山修、坪井敏雄

http://www.tbs.co.jp/TandD/


第3話 茶の湯

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高座にあがる銀次郎は自分に彼女が出来た事を客の前で話す。

虎児は組長よりどん兵衛からの返済額を上げるよう指示を受け
る。今まで月10万円だったところを20万円にするという。
それは同時にどん兵衛からの落語勉強料の値上げを意味してい
た。師匠は気を使って月に噺を2個覚えれば良いだけのことで
はないと告げるが、そんなに覚えられるわけがないという。
いっその事全額払ったらどうだい?という師匠に調子こくなと
テーブルを蹴り飛ばす。

楽屋で出番待ちをしている師匠たちの前に、変な客が居ると
どんぶりが慌ててやってくる。客は淡島ゆきお。アマチュア
落語でチャンピオンだったという男だが評論家気取りでいけ
好かない客。しかし落語マニアの間では彼に認められると必ず
売れるとして一目置かれているという。

数日前に虎児は淡島ゆきおと偶然会っていた。
その時才能は有るが、あれは落語ではなくチンピラの与太話
だという。古典をやる自信がないのならば創作落語をやれば
良いと告げる。

竜二の店は相変わらず閑古鳥が鳴いていた。たまに来る客も
冷やかしだかなんだか良く解らない。雑誌にでも掲載されない
限り潰れるというリサ。しかしその時竜二が興奮してやって
くる。実態は良く解らないがプロデュース業では最近注目され
ているBOSS片岡がカメラクルーを連れて歩いてきたのである。
片岡に認められれば間違いなく来る。彼が店の存在に気がつき
商品を気に入ってくれるのを祈るのだった。
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不覚にも茶の湯の落語の内容を知らないために、ちょっと展開
のオチが分かりづらかった。

本線とは何の関係もないが、淡島ゆきおが登場したことで彼を
経験のない童貞だと見立てて話を進めていた辺りは、笑える
ところ。
そしていつの間にか林屋亭にメグミが泊まり込んでいたり、
虎児が林屋亭の親子の問題の中にツッコミを入れた点など
日常生活の中から繰り出されるワンパターンな形式を面白く
利用した演出は面白かったと思う。

今回は竜二に最大のチャンスが訪れた。
誰も理解してくれない竜二のファッションセンスを、一人の
カリスマプロデューサーが担ぎ上げてくれたことで思わぬ
チャンスが巡ってくる。ただし結末に於いては自分が意図して
いた所とは全く違うモノが出来上がり、結果そのチャンスを
手放すことになる。
竜二の認められないときの心境と、虎児の状況とが上手く
並列的に描かれ、二人が愚痴りながらおでん屋で語り合うシーン
などとても雰囲気が良くできていた。
それでもやっぱり虎児には叶わないとするような展開を用意
する点で、主人公のキャラクターを際立たせることとなった。

山崎虎児 …… 長瀬智也 (27歳・高座名は林屋亭小虎、ヤクザ)
谷中竜二 …… 岡田准一 (24歳・どん兵衛の次男)
林屋亭どん兵衛 …… 西田敏行 (古典落語一筋の昔気質な噺家)
谷中小百合 …… 銀粉蝶 (妻)
林屋亭どん太 …… 阿部サダヲ (本名・谷中竜平、長男)
谷中鶴子 …… 猫背椿 (どん太の妻)
谷中沙耶 …… 江本花琳 (ん太と鶴子の長女)

林屋亭どん吉 …… 春風亭昇太
林屋亭どんつく …… 星野源
林屋亭どんぶり …… 深水元基
林屋亭うどん …… 浅利陽介

組長 …… 笑福亭鶴瓶 (本名・中谷謙、昔気質のヤクザ)
中谷銀次郎 …… 塚本高史 (虎児の舎弟で組長の息子)
日向純一 …… 宅間孝行 (新宿流星会若頭)
中谷静 …… 伊藤修子 (新宿流星会組長の娘)

メグミ …… 伊東美咲 (はとバスガイド)
リサ …… 蒼井優 (「ドラゴンソーダ」で働く従業員)
チビT(タケシ) …… 桐谷健太 (竜二の友人、中古レコード店)
淡島ゆきお …… 荒川良々 (高座名はジャンプ亭ジャンプ)
辰夫 …… 尾美としのり (そば屋「そば辰」の主人)
半蔵 …… 半海一晃 (おでん屋台「半蔵」の主人)
よしこ …… 松本じゅん (純喫茶「よしこ」のママ)

寿子 …… 松本まりか
BOSS片岡 …… 大森南朋

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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