第4話 黄色い傘に降る涙

今回の自閉症に対する紹介は、約束の時間に相手が来ないと
手持ちぶさたの余り不安になってしまう事。
そして彼の前では内緒話も意味を持たないという事。

分かっているはずの香里奈が、そんな状況を自ら演出してしまう
という事で、脚本の妙を感じることの出来る話だった。

草なぎ剛は香里奈に依存する部分が多く、結果的に一方的な
関係を演じることになるのだが、今回は随分と二人の関係の
中の草なぎ剛の役割が大きくなった。失恋によって落ち込む
彼女の前に、何も言わずにただ側にいてくれる草なぎ剛の存在感。

そんな過程が丁寧な作りだった。
自分の分しか買ってこない焼き芋に始まり、自分の周りしか振り
落とさないベンチの落ち葉。雨が降る中でもやっぱり自分の事しか
考えられず傘を差すシーンには、非情な面も感じられたが、
今回たった一度の他人に配慮を示す場面。

例えそれがドラマの一場面の物まねでも、奇跡に見えた一瞬。
その行動の中に愛情が見えた場面でとても良かったと思う。

そんな二人の相互依存が感じられた次の瞬間に再び奈落の底に
落とすのだから、実に意地悪な脚本家だ。

そんな彼のことを職場の中で毛嫌いしていた小日向文世は、
どうやら自分の息子もまた自閉症のような感じですね。
悪態付いているのは、そんな息子を思い出すのが嫌だからと
いったところでしょうか。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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