第10話 涙で、愛が見えない

草なぎ剛の存在をめぐり、母親を占有された兄と妹が不満を
募らせる話し。

普段はなかなか言えない不満が爆発した格好だった。
捌け口無く心の中に不満をため込んでいるよりも、実に人間らしく
ぶつかり合う家族で、有る意味安心してみていられる。

ドラマとしての良さは、テルの涙の意味にあるのだろう。
涙の真意が何処にあるのかよく分からない微妙な感じが
視聴者の想像力をかき立てて、ドラマを実に重厚なものと
している。

今回母親からの愛情に渇きを感じる3つのエピソードが有った。

本仮屋ユイカの独り立ちは、実際には母親を困らせたいが故の
もの。子供のように時々発する親子の愛情の形を知るが故の
綱引きを求める行動なんだろうね。

草なぎ剛がロードレースに出たいという発言が発端で苛立ちを
覚える佐々木蔵之介。見方によっては数少ない我が儘だから
願いを叶えて欲しいようにも思えるが、家族に取ってみれば
これ以上手間を掛けさせないで欲しいという所だろうか。
しかし自分から色々とやってみたいと思うようになったり、
いつの間にか自分のテリトリー以外の道を歩んでいる姿を見ると
随分進化したなという感じ。

香里奈のエピソードも面白かった。
いきなり家出してしまったので不自然に見える向きもあるのだが、
相手に不信感を覚えると、小さいことでも気になる性格なので
しょうね。
居場所がなく安らぎの無かった彼女が、テルの声を子守歌にして
眠るシーンなどは、彼女にとって彼が特別な存在であることを
示すモノだし、特別にして普通の間柄である事が、彼女にとって
一番安らぎを覚えるところなんでしょうか。
ちょっと洋服を掛けたシーンは出来すぎだったけど。

今週もあっと言う間に終わってしまった。
来週で終わるというのはちょっと寂しいな。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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