言いたいことは殆ど杉田かおるが語ってくれた。
不満に思っていた視聴者の声を代弁してくれてスッキリする
シーンでも有ったと思う。

大人のエゴによって産まれて来た子供が最大の被害者であり、
考えるべきものは立場やプライドではなく、子供の幸せにある事。
子供を妻として女性としての確固たる地位を確立するための
道具として使う人間たちに、一喝加えたところは最大の見せ場
だった。

石黒賢がしおらしくなり、夫婦生活や家庭の難しさや米倉涼子に
出会えた事に対して最大限の感謝の念を送っていたが、
流石にこれまでの展開を見ているものとして話に信憑性が無く、
説得力もなく。誰にでも笑顔で接して優しい言葉を掛けるだけの
都合の良い男という印象しか残らなかった。
その上、正妻に愛人のお金の返金まで頼むのだから最後まで
言葉が出ない。

あのホテルでの密会の真相を最後まで隠し通した所に、ドラマ
の面白さが有ったと思う。
小泉孝太郎は意外にも最後まで誠実な男だったので好印象が持てた。

最後に再会してお互い自分の立場を語り合うシーンは随分と説明
っぽく、対照的な二人を象徴的に描こうとする意図が見え隠れして
いたので蛇足にも思えたが、そういうコンセプトなので
仕方がないか。

幾つか謎を残しながら終わるというのも何だか歯がゆい。

しかし愛人には何の天罰も下らないのか。
石黒賢と付き合う間にも別の男性とも付き合いが有った?にも
関わらず、愛だなんだと言っている方がおかしい様な気がしない
でもない。

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)